
あれは、横浜から福岡へ戻る単独ドライブ中のことだった。その日はいつもように、クルマの流れに任せて気持ち良く走行中だった。原則は走行車線を走っているのだが、時に、流れに乗れないクルマに出会うと、追い越し車線に変更し、素早く追い越し、そして、走行車線に戻るという繰り返しをしながら、しかも、好きな音楽を聴きながら、走っていた。
伊勢湾岸道路にさしかかった当たりだろうか、ふと室内のミラーを見ると、一台のバイクが後ろを走っていることに気づいた。黒い排気量の大きいバイクだった.... (写真は、イメージ画像)
その後、バイクのことはすっかり忘れていたが、巨大なジェット・コースターが伊勢湾岸道路の左手に見える「ナガシマスパーランド」に差し掛かった時、何気なくミラーを見ると、先ほどのバイクがあった。
そこからは、妙にバイクが気にかかりながらの走行となった。初めは、そのバイクに注意をもった程度であったものが、10キロ、20キロ、30キロとなっていくうちに、一緒にツーリングをしているかのような感覚になっていた。こちらが、追い越しをすれば、バイクも車間距離を十分保ちながら、ついてくる。不思議なことに、50~60キロぐらいの距離を走っていると、友達のような気持ちになっていくのが分かる。心地良いが、不思議な感覚だ。言葉もない空間で、ただ、走っているだけなのに.....
そして、大阪近辺に近づいてきたころ、バイクは高速から去って行った....
出したウインカーが、『別れ』を告げるかのように.... 『また、どこかで駆けぬけましょう....』と言っているかのように....
"Mysterious"に見えた瞬間だった.....
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昨年夏、心地良い感動と共に出会ったストーリーがある、それは小説。それによって、『バイク』が素晴らしものであると同時に、ゾクゾクとする興味を覚える存在になった。バイクの経験が殆どなく、また、ライセンスさえ持っていない筆者が、それ程までに興奮させた.... バイク。
「鉄騎兵、跳んだ」佐々木 譲著 文春文庫
オール読み物新人賞受賞作。著者のデビュー作品でもある。短編集。著者は警察小説のイメージが強いが、初期にはこのような青春小説も書いている。
「ラストラン」同上 ポプラ文庫
バイクをテーマに青春の血気と情熱を描きこんだ5編の短編集
「Rider’s Story」武田宗徳著 静岡学術出版
〜僕は、オートバイを選んだ〜 バイク短編小説集
「Rider’s Story 2」 同上
〜つかの間の自由を求めて〜 バイク短編小説集
「Rider’s Story 3」 同上
〜アクセルはゆるめない〜 バイク中編小説集 (Kindleでのみ読める)
このRider's Storyはショートショートなので本当に読みやすい。感動がある珠玉の短編集。
オートバイとかかわることで生まれる、切なくも熱いドラマ。オートバイへの想い。バイク乗りの気持ち。それらが詰まったこのバイク短編小説集を、すべてのバイク乗りに捧げる(Rider's Storyの本の帯より)
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バイクに乗っている方々に... 『敬意と思いやり』を込めて...
Mysteriousな魅力を持つバイクに….
筆者のひとり言…
つい最近、肩を痛めてしまって、手術寸前のところまでいってしまったが、検査の結果は、手術はせずにすんだが、当分の間は不自由な時を過ごさなくてはならない。こういうときに初めて健康の大切さが身に染みる。健康が回復過程にある方は勿論のこと、入院、自宅加療中のすべての方々に、一日も早いご快復を心よりお祈りします….
Posted at 2015/03/03 14:29:05 |
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