『若松駅』物語
若松駅といえば、福岡県北九州市若松区白山一丁目にあるJR筑豊本線の駅。駅番号はJE06で、同線の起点駅となっています。
筆者は駅周辺には幾度となく行っていますが、若松駅を直接訪れるのは初めてです。歴史ある若松駅にやっと訪れたという感じでしょうか。
歴史を辿れば… 当時の筑豊鉄道により1891年(明治24年)8月に、石炭の積み出しが主な目的として開業されました(1897年に筑豊鉄道は九州鉄道に買収される)。
駅構内は広大で多数の石炭車が常時出入りしており、最盛期の1940年(昭和15年)には年間1000万トンの石炭を積み出していました。戦後もほぼ同じ規模で日本一の貨物取扱量を持っていました。しかしながら、エネルギー革命の進展により、石炭の取扱は急激に減少していき、1983年(昭和58年)には構内の整備がなされ、現在のような純粋な旅客駅になりました。
現在はほぼ無人駅となっており、地域おこしの一環として「九州におけるジャズ音楽発祥の地」と命名されています。なる程電車の接近時には「聖者の行進」が流れています。
駅改札正面には東筑軒の立ち食いそば・うどん店が営業しています。筆者がいる僅かな時間でも、お客さんの姿が途切れないほど繁盛していました。
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若松駅の隣には『若松駅操車場跡』があります。上記のように、石炭産業が盛んな折、掘り出された石炭は筑豊本線を用いて若松港まで運ばれ、若松港からは内航船で国内各地に運搬され、日本のエネルギー源として産業を支えていました。
その石炭列車の運行を支えていたのがこの操車場ということになります。繰り返しますが、最盛期には日本一の貨物取扱操車場だったんですね。つまり、旧国鉄職員の方々の辛苦と栄枯の歴史が刻まれた若松駅操車場の跡地だった訳です。
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本の世界…
『エンド・オブ・オクトーバー』ローレンス・ライト著 早川書房
これは2020年4月に発表されたウイルスによる感染症の世界的な蔓延を描いた衝撃のパンデミックスリラー小説 。この本が奇しくも新型コロナウィルスの感染が世界的に広がる中での刊行であったため、この本に注目が集まりました。著者はピュリッツァー賞を受賞している著名なジャーナリストの ローレンス・ライト※(敬称略)。
※(注)ピュリッツァー賞受賞作品「倒壊する巨塔 アルカイダ『9.11』への道 上下」(ローレンス・ライト著白水社刊)。上記のテーマに関して、多層的視点(「フェアな立場から」といってもいいのかもしれません)から書かれている名著。ビンラディン、ザワヘリなどのアルカイダの軌跡を丹念に追いかけ、等身大の姿を描いています。そして、徐々に9.11という惨劇に向かっていく姿には戦慄を覚えます。尚、この本は当サイトで取り上げています。
「アメリカCDCで感染症対策班を率いるヘンリーは、インドネシアの収容キャンプで発生した謎の出血熱の調査に向かう。彼の迅速な対応により、死亡率70%を超えるこのコンゴリウイルスは、封じ込めに成功した、と思われていた… 感染者がひとり、300万の巡礼者が集まるメッカへ向かったと判明するまでは。おりしもサウジアラビアとイランは一触即発の危機にあった…」(エンド・オブ・オクトーバー本帯上巻より)
ウィルスによる感染症の医学的な実情が詳述されており、その深層を知ることができます。さらに、国際政治及び紛争の中にウィルス感染症が絡み合っていく… 正に迫真のテクノスリラーという展開に惹きつけられます。
筆者が注目したのは、ロシアのプーチン大統領の名前だけが実名で登場し、ウィルス感染症と紛争の鍵になっています… これは現在も続いているプーチンのウクライナへの侵略を連想してしまいます。
たいへん読み応えのある本に出会いました。流石ピュリッツァー賞受賞作家だけはあります… 秀作です。
written by Seikou-Udoku
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