
Gr-B時代に颯爽と現れて消えていった若き天才ドライバーHenri Toivonen選手。
僕がラリーをやり始めた頃の出来事で衝撃を受けた出来事でした。
今でもビデオをみたらたまらない気持ちになります。
当時、過熱気味だったラリー(WRC)の世界。
パワー追求とそのパワーを地面に伝えるために採用された4WDシステム。
まさに、レーシングカーのそれはパイプフレームに樹脂ボディカウル。
僅か1.8Lで600PSを叩き出すエンジン搭載で800Kg台(iQの1000ccと同じ!)の車重。
冷静に考えれば殺人マシンですよ・・・
Henri Toivonen選手のこの事故でWRC主催のFIAがGr-B、構想中だったGr-Sの廃止を決めたんです。
ポルシェ、オペル等何をドライビングしても成績をを残す若き天才、WECにも出ていたステージを選ばない天才。そしてMarkku Allan Alén選手でさえ乗りこなせていなかったランチャデルタS4を乗りこなせていた天才。
Henri Toivonen選手の凄さは、事故の場所にある追悼碑(これができるできるだけでも凄い)を訪れる人が後を絶たないというところ。
センチメンタルなところはここまでにして、動画や設計からみて思うこと・・・
車重バランスを取るために、運転席下に燃料タンクを配置したこと・・・
これはまずいと思います。
人命よりも、マシン性能を優先させている事とおもいます。
あと、新技術だった4WDシステムの未熟さとLSDセッティングの未熟さ・・・
舗装路のタイトターンではステアリングに頼った運転をするほかないような操縦性だったということが動画から読み取れます。
僕ならば、サイドブレーキを使う場所が動画上に沢山出てきますが全てステアリング動作で走っています。
Henri Toivonen選手ならば、サイドブレーキターンくらい朝飯前だと思うのですが、それを使わないという事はターンが出来ない、できるけれど失敗しやすいマシン特性だったのかと思います。
失敗するよりはゆっくり回るかバックを使って回り加速力でそのロスを取り返すというふうに・・・
Gr-Aに入ってからは、パワーは大幅にダウンし車重は増えたものの、区間タイム等の実際の速さはGr-Bを上回るようになっています。
これはLSDを含めた駆動系や足回りの進歩とセッティングの成果なんです。
LSDってとても重要なんですね。
4WDだと足より先にLSDだから・・・
LSDと足のセッティングはセットなんですが、特に4WDは3つのLSDセッティングが決まらないと足が決まらないんです。
4WD乗りだった僕が惚れたiQ・・・
制御ロジックがCT9AのACDに似ているところもあって面白い素材です。
もうすぐLSDが搭載完了します。
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WRC | 日記
Posted at
2017/10/24 13:09:30