在籍時代の4ストロークエンジンモデルの主軸だったのがジェネシステクノロジー。
16000rpmを回して45Hpを実現したFZ250、地上を走るものとしては世界初の5バルブエンジンのFZ750(航空機では既にライカミングが作っていたけど航空機用としては構造の複雑さと運用安定性の問題から止めた)ですよね。
今の皆さんはTOMEIのエンジンやヒュンダイのネーミングの方が親しみやすいかも知れませんが、元々はヤマハのエンジンを含めた車体構成概念全てを指していたんですよ。
FZ750用5バルブ技術はF3000用OX66やOX77、そしてF1用OX99に繋がりました。
ジェネシスエンジンの特徴は2ストロークのパワーを4ストロークで得るには?から始まったと聞いています。これがFZ250の16000rpmの意味なんです。2ストロークで8000rpm45HpのRZ350がありますよね。2ストロークで一回の爆発を二倍回せば4ストロークで1回の爆発の4ストロークでも同じ馬力が出るじゃない?というのが最初。TZR250はFZ250より先に45HPを達成していましたから設計は同時進行だったかな?
あとはマスの集中化と低重心化。そこにはシャシ設計(デルタボックスフレームとリンク式モノサスの配置、ダウンドラフトキャブで生まれた紡錘状燃料タンク/燃料が減ってもガス欠症状が出ず重心変化が少ない)も必然的に絡んでくるのです。
マスの集中化と吸気排気効率の追求から生まれたのが45°前傾エンジン、ストレートポート、バルブの大径化(750以上に関しては5バルブ、パリダカ用のYZE750も5バルブ)、ダウンドラフト吸気、大容量エアクリーナーBOX。
この吸気に関してはかなり先鋭的な考え方をもっていました。私の2TKはあえて吸気系にはRC-SUGOのSP/F3KITのファンネル仕様にしていなかったんです。エアクリーナーBOXの加工とキャブセッティング、そしてそれに合ったのがKERKERのエキゾーストだったんですね。
ピークパワーは出せるけれども、8000rpm前後のトルクが薄かったんですね。ノーマルでもキャブとエアクリーナーBOXを繋ぐインシュレーターがファンネル状になっているのが全ジェネシスモデルで共通していた事だったと記憶しています。
ラム圧を利用したいな?とその時から思ってはいたんですが、その時期は設計から離れていたので実現ができませんでした(後に他メーカーを含めて出ましたよね(笑))
吸気抵抗云々というだけでは語れないのが吸気システムの奥の深さ。当時のDT200は30Hpだったんですがこれを40Hpにする方法もあったんです。それはDT125のエアクリーナーBOXの内部仕切りの数か所を取りキャブセッティングを行うだけでOK。他にFZX750の国内仕様は77HP。これをフルパワー仕様の90Hp~にするのも輸出用のエアクリーナーBOXとキャブのリセッティングで良かったはずなんですよね。
私のiQに使っているエアスムーサーはそのアイディアから考えたんですよ。iQのエアクリーナーBOXの容量とエアフィルターの汚れ方から”あ?惜しいな~残念・・・”と思ったのが最初。
ようやくかな?4輪業界の人達がシステムとして吸気を考え始めたのは・・・
Posted at 2021/02/20 10:54:21 | |
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