こんにちは、さんちゃん?(Air Repair)です。
先日のテスト走行(Lubross様主催のスラG練習会)で、
自分でも「これは何だ?」と驚く挙動変化がありました。
それは――
減速開始から約0.2秒で
ピッチ → ロール → ヨーが連鎖し、
ステア角ほぼゼロのまま旋回姿勢へ入っていく。
つまり、
“姿勢で曲がる車”になっていたのです。
この挙動が本当に再現性のあるものなのか。
動画と写真をAIに解析してもらったところ、
Air Repairが数年かけて積み上げた技術が
すべて一本の線で繋がっていることが明らかになりました。
今日はその内容をお伝えします。

※進入時にフロントが沈み、向きが出ている一枚
「減速開始から0.2秒。姿勢で曲がるAir Repair iQ」
■ 1. 飛ばしシフトが“不要”になった理由
これまでの iQ は、
3→1もしくは4→1といった“強い前荷重”を作るための飛ばしシフトが必要でした。
しかし今回――
3 → 2 → 1 の正しいヒールアンドトウだけで
姿勢が自然に整いました。
これは“車の反応の質”が変わった証拠です。
■ 2. 【AI解析】姿勢変化は毎回“0.2秒”以内で再現
AI解析によると、
ターン導入時の動きは次のように綺麗に分解されます。
● 0.00秒
前荷重(減速G)が立ち上がる
● 0.10秒
ロール起動(自然な外荷重)
● 0.15秒
ヨーレートが立ち上がる
● 0.20秒
ステア角最小のまま旋回姿勢へ
この動きが何度やっても再現され、
Toniy Pond選手の駆るMG Metro 6R4 の姿勢の作り方と酷似していることも判明しました。
■ 3. 姿勢変化の鍵
—— ストラットタワー裏4点の CNTP 処理
今回のテスト数日前、
ストラットタワー裏(HID裏)の 左右計4点 に CNTP処理を行いました。
ここは、サスペンション上側でECU基準電位姿勢起点、A/D変換の基準が集中する“iQの神経中枢”。フルCAN制御のiQにとっては要のGNDポイント。
CNTPの効果により、ECU判断の誤差低減、スロットル閉じの応答安定、エンジンブレーキ立ち上がりの均一化、ピッチ/ヨーの同期、S-VSC介入低減(OFFにしても制御が残る)、つまり、操作 → 姿勢 → ECU判断 の時間軸が揃いました。
※「CNTPを施したストラットタワー裏のDNGポイント」
■ 4. ただし、これは“CNTP単体”の成果ではない—
— Air Repairの複合技術の掛け算結果
今回の動きは、以下の 複合技術 が
すべて同じ方向を向いた結果です。
● ① トーションビーム共振対策(実用新案登録済)
・不要な横振動を抑制
・リアの追従性が飛躍的に向上
・サスペンション本来の仕事ができる
→ ヨー起動の乱れが無い“土台”
● ② 車体構成部品(知財申請予定)
・力の逃げ方整理
・ロール軌道の整流
・ピッチ変化の安定
→ 姿勢そのものの“形”を整える
● ③ 空力改善手法(知財申請予定)
・前後の空気の流れを整える
・ピッチ姿勢に対して安定力を持たせる
・高速域での前荷重の立ち上がりが自然
→ 外側から姿勢を乱さない“流れ”を作る
■ 5.これは 非常に重要なポイントー— トーションビームは“単純で繊細”
本来のトーションビームの捻り反力が正しく発生してこそ、姿勢制御が成立します。
しかし――
車体を持ち上げる際に“トーションビーム本体”にジャッキをかけていませんか?
これは極めて重要です。
ビームを一点で押し上げると、無傷であったとしても
・残留応力が存在
・それによる反力バランスの崩れ
・左右追従性の変化
・ピッチ/ロール軌道の乱れ
が起き、見えない歪だけで性能は崩壊します。
これが歪が発生していたならば、私はサスペンションとしてはThe ENDの判定を下します。
しかしこれ、中古車の場合だと分からないでしょうね(´;ω;`)
Air Repair iQ のリアが極めて素直なのは、今迄こうした扱い方まで 徹底管理 してきたからです。
トーションビームは複雑な構成要素が無い分、決まれば最高な動きになります。
複雑な構成部品を持つサスペンションは設計上は優秀でも、現実的になその能力を活かし切れていない場合が多いのです。
■ 6. そしてもうひとつ
ー Air Repair iQ の“自然で扱いやすいLSD挙動”を作る Lubrossオイル
今回の0.2秒姿勢連鎖の裏には、
実は LSD用ギヤオイルの存在 が深く関与しています。
Air Repair iQ の LSD は、急激に効かず“いつの間にか効いている”ステアを乱さないトラクションを自然に繋ぐという理想挙動をします。
これを実現させたのが、Lubrossさんと共同開発した Air Repair専用オイル。
● Lubrossの社長は毎回テストレポートを厳しく求めてくる。徹底的に私の意見を吸い上げてくれました。走行後に
・ギヤの入りかたや感触
・LSDの立ち上がりのタイミングや感覚
・立ち上がり加速の加減
・インへの吸い込み方
・リアの慣性の出方
・ステアリングに伝わるキックバックや操舵の重さ
これらを全て反映し、
“姿勢を壊さず効く”オイルを何回も私が納得するまで調整テスト品を造ってくれました。
● CUSCO純正オイルで起きていた問題
iQでは以下の症状が顕著でした:
・ギヤの入りが硬い
・LSDが「ガキッ!」と急に効く
・インに強烈に吸い込まれる
・その激しさでリアが慣性で流れる
・60km/h以上は両手で抑え込まないと危険
短WB&前荷重のiQでは 唐突なLSDで表れる挙動変化が致命的なものでした。
● Lubrossオイルで“姿勢の曲線”が整う
Lubross製オイルに変えてからは、
減速 → ピッチ → ロール → ヨー
軽い舵角で → トラクション発生 → スムーズな加速
この流れが全て滑らかにつながるように。
特に驚いたのは:
「フリクションは低いのに効く。
しかも“いつの間に効いた?”と感じる自然さ。」
これが Air Repairの思想そのもの です。
■ 7. まとめ
— 全てが整ったから「0.2秒の姿勢」が生まれた
・CNTP(カーボンナノチューブペースト)チューニング
・トーションビーム共振対策
・車体構成部品
・空力特性チューニング
・Lubrossギヤオイル
・正しいトーションビームの扱い
これらが 完全に同じ方向を向いて作用した時、
iQは“姿勢で曲げる車”へ進化した。
今回のテストは、
Air Repairの長年の思想が形になった瞬間でした。
Posted at 2025/11/29 20:33:32 | |
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