今の街の中、トヨタさんが頑張ったおかげ(?)かかなりの数のハイブリット(以下HV)車を見ることができますよね。
低燃費を謳い文句にして、災害時にライフラインの代わりにもなるとか(便利ですが自動車好きにとってはちょっと???な事)。
ただ、自動車好きの人間たちからすれば「あんなの車じゃない」「原動機の味がない」等等・・・で毛嫌いされている節があります。
また、超マイペース(言い換えれば自己中で運転スキル無し)なドライバーさんたちが多いのも嫌われている理由かも・・・
このHVシステム、使い方によってはかなりのもので、やはりトヨタさんが抜きん出ていると思います。
先日の耐久レースでは歴史が深く威厳のある大会「Le Mans 24」で日本メーカーでは二番目、日本人ドライバーでは初の総合優勝を成し遂げました。
パワーが欲しい時に原動機に頼らず(ガソリンを多く使いますよね)それを高出力モーターでアシストする。駆動のいらない場面では運動エネルギーを電気として回収し、蓄電して行く。
この、無駄に捨てているエネルギーを回収して力に転嫁するという考え方はターボチャージャーと同じなんですね。
ターボチャージャーは、排気圧力の力を利用して吸気タービンを回して強制的に空気をエンジンに押し込む、と良く書かれたり説明されています。これ、現象説明としては間違ってはいないのですが、原理という点ではちょっと・・・
内燃機関はちょっと昔は30%、今の最高ランクで50%しか爆発エネルギーを原動機出力にすることができなかったんですね。70~50%の大半は何に消えているか・・・
排気ガスで捨てられる熱、音、それと機械の素材を守る為の冷却(放熱)なんです。
この、熱と音が無駄に捨てられるエネルギーの中で大きくウェイトを占めていて、これを回収する目的で生まれたのがターボチャージャーなんです。ここを理解していないと無駄なターボチューンをしてしまう事になります。
HVは原動機本体の捨てられるエネルギーを回収するのではなくて、運動エネルギーを回収するという考え方だと私は思うのです。
実際、「Le Mans 24」で活躍したトヨタTS050やポルシェ919はその最たる考えで造られていますから。
TS050
ポルシェ919
トヨタさんの説明動画でその辺がよくわかります。
この無音スタートで直後にレーシングエンジンの爆発音♪最高です!
そして、昨年を最後にレースから退いたポルシェが、919を使い先般ニュルブルクリンクでラップレコードを塗り替えたのは衝撃でしたよね。
HVシステムはコントロールユニットそのものの緻密さが要求されてきます。
加えて、補器やセンサー類からの信号をやり取りする制御ネットワークの緻密さも要求されてきます。
iQを触ってきて感じたのはその辺の事なんですね。
ちょうどHVの進化時期に生まれてきて、EVその他の派生モデルも考えていた様子からそれらの事が伺えます。
今までの車好き観点からの考え、すなわちマフラーや吸気パーツを交換して云々の感覚・・・
間違いではないのですが、総合的に車全体で一つの完成形として機能させようとしているので、そこを理解した上でパーツをコンバートしていかないと効果が現れない、不調をきたす、というような結果が出てくる可能性が高いです。
ただ、潜在的キャラクターは尖っているので、ポイントさえ間違わなければ毒蠍にたいして遜色のない味を出すことができるんですよね。
Posted at 2018/07/05 10:38:39 | |
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