2018年09月13日
ヨーロッパのヒルクライムレース車両を時折紹介していますが、今回のはプジョー205GTI改。
何のエンジンかは定かでではないですが、2Lの自然吸気エンジン搭載。
車重は830Kgと他のレーサーとほぼ同じ。で、パワーが250HPと低め・・・
他のレーサーは自然吸気でも300HP程度が多くて中には300HPオーバーのものもいます。
少し目立つのが、ワイドトレッド化された車体ディメンジョン。
データー上は控えめな数値ながら、車速は乗り速いです。
上のクラスの車両と比べても遜色ないです。
おそらく、全てのバランスが取れているのでしょう。
ワイドトレッド化による相対的低重心化により、コーナリング速度が向上している事も影響しているのかな?
ワイドトレッド化は縦横のトレッド比率が小さくなり、小回りが効きやすく・・・と一般にはいわれますが、それはイメージの話。
実は踏ん張りが効くようになり旋回速度があがり速度域によっては曲がりにくい性格になるのが本当。そこはセッティングと操作リズムを合わす事によってクイックに動くという感じ。
でも、限界を超えた時に豹変するナーバスさは顕著という感じです。
(速度が低くて操作舵角を大きく与えられる時は曲げ易いです。これは内輪差が小さいというだけの話で曲がりやすいのとは少し違います)
私がiQで伸ばした素性はこの部分なんです。
ホイルベースを基準に考えると、ワイドトレッドにしているのと同じ効果を元から持っているんです。
ただ、相対的に言えば重心からルーフまでの距離があるので、ロールが大きくなりやすい特性があるということは否めません。
だから、着座位置を下げシート類を交換し、補強は下部方向を中心(まあ、これはその部分で効果的だったということもありますが)。
ロールを抑えることよりも、積極的にロールを活かし荷重移動操作によって踏ん張りのいい特性をコントロールする方向に持って行きました(ブレーキを含めた足回り全体のバランスとLSDセッティングが必要)。
ノーマルでも太いスタビライザーで、あれだけロールするということはロールしないとダメと言う事。
ロールさせて運動性能を向上しようと思うと、サスストロークを殺さずにロールする過渡特性をどう味付けしていくかというところに行き着くんです。
性能を考えた、ワイトレ化は結構難しいんですよね・・・
(ハブ部分への負担はかなり増えますからその周辺のメンテナンスも大切です。私も普段がSタイヤなので、そろそろやばいかも・・・)
Posted at 2018/09/13 09:43:15 | |
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