今の日本のモノ造りってなんか停滞しているように感じるんですよね。失われた30年って言われるけれど、それってひょっとして地道な努力の積み重ねが足りなかったせいなのかも・・・ってね。
今年の初めに某大手自動車メーカーさんが発表した本格4WDコンパクトスポーツ。それはWRCに復帰し、参戦した数年間のノウハウを活かし、時期ファクトリーカーのベースとなるために生まれてきた競技ベースマシン。今やかつての雄”ランエボ”は無くなり、”インプレッサ”も微妙な感じ。そこからいうと、国内モータースポーツシーンにとっても重要で存在感のあるマシンです。
私は業者向け発表説明会の抽選に当選して参加させて頂いたわけで、その時は凄く前向きな姿勢を感じて是非何かしらの形で応援したいな、と思いました。でも、その時から引っかかっていた言葉があるんです。
それは・・・
「セリカでWRCのドライバーもマニュファクチャーもタイトルを獲った我々が18年ぶりに戻りました。そして、復帰して直ぐにマニュファクチャーそしてドライバーズのタイトルを獲りました。そして、そのノウハウを注ぎ込みながら本格的4WDロードカーを市販しようと思いこいつが生まれました。」
「しかし、凄く大変でした。セリカの4WDを知る開発関係者は既にいないし、資料関係も残っていませんでした」・・・と苦労を語られました。
この時は「そうか~、無から創り出すのは大変だもんな~」と感動すらしましたから。しかし、少し前から思うようになってきたことがあるんですね。ご存じのように私はラリー、ジムカーナ、ダートラとモータースポーツに参戦&運営を行ってきました。
ですから、色々なマシンもそのメーカー専門のガレージさんや愛好者の方とも繋がりがあるんです。お付き合いをさせて頂いているうちに気づいたのが欧州メーカーは過去の設計やその思想の上に成りたち今があると・・・
海外で評価の高い日本文化って2680年の伝統の上に成り立つものだから認められるんです。ここ数十年、日本が低迷して力が無くなってき始めた時期って、旧い物を捨てて新しい物を生み出して新しい価値に置き換えようとし始めた時期のように思うのです。
残念ながら日本の自動車は、旧い伝統技術の上に成り立つものではなく、過去の物を捨て新しいものに置き換えているように思うのです。そう思った時に前述した「しかし、凄く大変でした。セリカの4WDを知る開発関係者は既にいないし・・・」を思い出したのです。
「いや、それおかしいでしょ?過去の資料やデーターがないと振り出しに戻っている事じゃないの?」って・・・
そう思った時、相当残念な気持ちになってしまいました。まあ、今までの無くなったモデルを観ていても、それまでに得た技術とフィードバックデーターが次に生かされたような動きは記憶に無いですもんねえー
新モデルの例の4WDスポーツのこれからが少し心配になってきた・・・
(運営現場側はしっかりしているかな?)
Posted at 2020/05/13 08:32:52 | |
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