私と意見交換しながらiQを仕上げている英国のiQオーナーから・・・
自然吸気でダイノで120馬力/143Nmを記録した彼のiQ。スロットルボディは他車用の10mm口径が大きいものを使っています。要するにビッグスロットルというやつ。
彼からの質問で”あなたのスロットルボディはどうなのか?”というのがあった。
私は”ビッグスロットルは使っていません。その代わりにバタフライサイズは変えませんがボア内部(トランペットマウスピースのスロートを参考)の形状を加工しています”と回答。

※ヤマハのWEBページから
(https://jp.yamaha.com/products/contents/winds/mouthpieces/function/index.html)
ビッグスロットルは空気の流路面積は大きくなりますが吸気流速が下がる傾向に向かいます。また流速が大きなスロットル全開域だと沢山の空気を通す事ができるようになります。
ただ・・・
全開域でのパワーは得られる
かもしれませんがスロットルコントロールに関しては緩慢になる傾向にあります。これは吸気流速の低下が要因なのです。
燃料供給がいくらキャブから高性能で理想的な霧状を実現できるインジェクターに変わっても理想的な混合気を作る基本は空気の流速が得られている事が重要なのですよ。
基本原則はベルヌーイの定理
吸気に関して重要なのは空気量と流速の関係なんですね。
吸気量は面積と移動量になります。求める吸気量はシリンダーが燃焼に使う混合気量なので最大値は決まっていますし、バタフライによる吸気制御パターンもその範囲内になります。ということは吸気量は一定範囲内という制限がつきます
その条件を当てはめると面積が大きくなると移動量は減る(すなわち流速は下がる)。だから混合気の質という事を考えるとむやみやたらに流路面積を大きくするというのは良くないという結果になるのです。
余談ですが工場プラントの配管設計にも関係します。
ここに出てくる内容はエアファンネルの理論にも結び付くしエアファンネルの理論はスロットルスペーサーの考えにも通じるところがあります。
そしてファンネルの形状や長さは翼の理論(翼弦の形状)と相関性があるのです。また”流れ”のメカニズムよる境界層の事にも関係あります。境界層に関係があるということは静電気帯電についても関係が出てきますよね。
・・・そして
彼から一昨日の夜メッセージが・・・
”ノーマルスロットルに戻してみたらまた調子が良くなった。火曜日にまたGoodwood Racewayに行く。結果を報告します。”と・・・
結果を聞くのが楽しみ(⌒∇⌒)
Posted at 2023/06/27 08:16:22 | |
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