我々競技ドライバーはもちろん練習をします。
でもそれだけとは思いません。
平時の運転の心構えというか車に対する気の使い方だと思うのです(私だけかもしれませんが・・・)
練習やテスト走行は、場所を借りたり、消耗品を使うわけで、予算と時間に限りがあるわけです。
無駄に時間や予算を使い、車の消耗を無視して走り回るわけには行きません。
その為にはどのような気持ちでドライビングするか・・・
それは、運転するときに全ての感覚器をフルに使い、色々な情報を自分の体に覚えこませる、という意識を常に持つということです。
手のひらや腕に伝わるタイヤと路面とのコンタクトの感触、お尻に感じる後輪や車体の動きそのもの感覚、ハンドルを切るブレーキをかけるその時の速度変化量と力の関係、色々と動きがあった時の目から入る情報と判断tec・・・
常に気をつけて、それをタイムほか数値データーと照らし合わせて、インプット。
どれだけ濃い時間を限られた中で使うか・・・
この考え方、普段の街乗りでも重要です。
私は公道をステージとする競技に参加しますから、一般道の情報も体得&理解しておかなければいけません。
当然、道路交通法に一般モラルというものがありますから、それらの厳守は当然のこと!
一般の運転時の走行時に感じた事を、如何に競技スピードに置き換えて理解して体得していくか?これが重要なんですね。
WRCの下、世界ブロック別選手権のヨーロッパラリーチャンピオンシップ(ERC)のステージは古くて狭い街中を走る場面が多いです。
そこを走るには、正確な車両感覚とセンシティブなドライビング技術が要求されます。
このあたりの事、一般の方にとって関係ないと思ったら大間違いと思うのです。
普段、街中で目にする光景は私からみたら┐(´ー`)┌もの・・・
モラルやルールを守るという事は個人個人の考え方的な面もありますが、それ以前の問題で自分の車を扱えていないように見受けられる方が殆ど。
車幅感覚、内輪差の感覚、停止能力などの本当に車を運転するのに必用最低限な技術が浅い・・・
これは普段、何気なく感覚に頼った運転をしているからだと思います。
自動車学校を出た時より、運転技術そのものは低下しているのでは?と思う方も多いです。
(低下はしていないにしても、進歩があまりない)
経験値(慣れ)がそれをリカバーしているに過ぎない状況・・・
車に乗り、運転する際に伝わる、一つ一つのインフォメーションに気を付け、運転が終了時にそれを反芻するだけでかなりの運転技術の向上があるはずです。
今週末にあるRally Roma Capitale 。
ラリーは正確な運転ができなければダメ・・・
それが出来た上での競技スピード・・・
20年前にイタリアへ行った時に感じた、古い石畳やブロックの路面はかなり荒れていてスリッパリー、そして狭い道という条件。そこでの競技スピードは日本では考えられないほど。
私は未熟者だと思っています。
ですから、常に自分と対峙して勉強し反省し見つめ直し、色々な事を感じる心やセンスを無くさないように気をつけています。
Posted at 2018/07/21 14:13:59 | |
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