
昨日のサーキットテストで効果を体感できたLSD(リミテッドスリップデフ)。
通常デフでは力が逃げて、コーナリングスピードが落ちて、スポーツ走行やレース&ラリー走行が不可能、というのは散々説明させて頂きました。
じゃあ、普段走行にはあっても意味がないのか?
いやいや、これが有るのと無いのでは、万が一の時の安心感が違うんですよ~
例えば雪道、チェーンを巻いたりスタッドレスタイヤを履いたり・・・
これ、左右の両輪がグリップしていて初めて進めるんですよね~
でも、通常デフだと片輪がグリップしなくなった時・・・
そう、空転する側にパワーが逃げるので、失速してホイルスピンだけして車体は止まってしまいます(~_~;)
LSD(リミテッドスリップデフ)装着車両はそんな場合でも進んでいけるんです。
極端な話、片輪だけチェーンを掛けて走ることもできます。
(ただ機械的負担が大きいのと運転技術が必要なのでやらないほうが良いですが)
4WDはどう?
クロカン4WDのような低速実用向きパートタイム4WDシステムだと前後の2箇所にデフがあり、どちらかにLSD(リミテッドスリップデフ)が装着されていれば問題ありません。
パートタイムなので普段走行は2WDなのでメイン駆動の側のデフへの装着ですか・・・
高速むけ常時4WD(フルタイム4WD)の場合、デフが前輪用1個、後輪用1個、前後の走行距離の違いを吸収するためのセンターに1個の合計3個のデフが装着されています。
基本のみの設計だと・・・
1輪でも空転し始めると残り3輪の駆動力は失われ簡単に止まってしまいます。
この場合の利点は、パワーやエンジンブレーキを4輪に分散することができるので、1輪あたりにかかる力が少ないので良い、ということだけですか・・・
例えば
2WD(FF、FR、RR、MR)
300PSだと 300÷2=150PS(一輪が受け持つ馬力)
4WD
300PSだと 300÷4=75PS(一輪が受け持つ馬力)
以上となるのでラフな操作をしても受け流してもらえたり、より大きなパワーのエンジンが積めたりします。
(実際はシステムが重い、フリクションロスが増えるなど単純にはいきませんが・・・)
その優秀な4WDシステムが、通常デフ3個だと簡単に優位性を無くしてしまうんですね。
そのあたりは完成車メーカーさんも気づいていて、センターデフには手動式デフロックや、機械式ではないLSD(リミテッドスリップデフ)を搭載している場合が多いですね。
また、車両のメイン駆動輪(FFかFRか)側のデフにも機、械式ではないLSD(リミテッドスリップデフ)が装着されている場合が多いです。
しかし、効き方がマイルドで、また最低限の効果しか無いので、私的には置き換えられるものならば機械式に替えたいです。
今まで乗ってきた、インプレッサやランサーエボは3つのデフ全てに機械式LSD(リミテッドスリップデフ)を装着していました。
競技専用マシンなので成績中心のセットアップなのですが、1輪のドライブシャフトが折れる事が最低一年に一回くらいありました。
それでも、自走して修理可能な場所まで帰る事が出来たのは、競技用機械式LSD(リミテッドスリップデフ)のおかげなのです。
機械式LSD(リミテッドスリップデフ)は速く走る、楽しく走る以外に、走破性を高めるというメリットをもっているんです♪
大胆にインカットするYaris‐WRC
通常の車だと、溝にイン側の車輪を落とすと、落とした側にパワーが持って行かれて加速が鈍るか最悪止まりスタックです。
LSD(リミテッドスリップデフ)が装着されていると、落とした反対側の車輪が地面に接している限り、走行でちゃうんですよ♪
Posted at 2017/11/10 13:34:03 | |
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機械式LSD | 日記