私がMOTUL 300V high RPMからスイッチして使い続けているAir Repair Rspec(現在E1)。通常オイルにも関係する性能に関しては充分すぎる以上に考えてLubrossの社長から”こんなんで納得して良いのですか?まだ要求する事はないのですか!?”と逆に課題を要求されて15000Kmで3回の作り直しで生まれたのが元のRspec。
考えの発端となった事柄が実はMOTUL時代にあったのです。冬の日の朝のスタート後にオイルが回る30秒ほどヘッドからのメカノイズが大きかった事があったのです。
これには原因があって1NRエンジンはオイルフィルター交換時は3.5L必要でフィルター交換なしだと3.3L。当時はオイル交換の度にフィルターを交換していたのですがあるときフィルター交換したのに3.3Lのオイル量にしたのです。
これは少し実験的な試みで、競技車両の昔からのフリクションロスを少なくする実戦的手法でオイルを少なく入れるという手法が現代のエンジンに通用するか否か、でした。結果、フリクションロスについてはMOTUL 300V high RPM 0W20には無意味だったということでした。では何が問題だったのか・・・
温まった低粘度オイル(油膜がしっかりしているMOTUL 300V CRONOシリーズでさえ)が停車後に時間経過と共にエンジン下部に落ちていく。低粘度ゆえに外気温関係なく温まっている時の落ちていく速度は速い。そして冬の夜の一晩経過。低粘度オイルでも0℃前後だと固まっている。
エンジンスタート。オイルがめい一杯入っていたならば固いオイルでもヘッドまで上がってくるのにはそう時間がかかる事はないのですが200cc少なめだったので油圧がかかるまで少々の時間が必要になったというわけです。
冷間時に油圧の高まるレスポンスが重要なのはエンジン基本動体部よりもVVTiのようなカムやバルブの制御に油圧を使う部分なんですね。正確なバルタイが得られていないから?正確なバルブクリアランスが得られていないから?油圧が正常になるまでメカノイズが大きくなる。
VVTiはカムスプロケットの代わりに円盤状のメカ(内部にオイルが通りエンジン制御信号で油圧の力でカムの作用角を変える)があるのです。ここへ如何に素早く正確に安定して油圧をかける事ができるか、これが重要な課題なのです。
オイルは熱で蒸発して燃焼質にも入り込みます。成分によっては早期着火にも関わってきます。特に直噴系エンジンには重要な要対策特性となります(E1はそれ対応)。
VVTiの基本概略
5W30をベースとした理由がそこにあるのです。だから後添加のものは一切受け付けないのです。入れても効果が解らないですから。MクロロンをMOTUL時代は使っていましたが今は一切使っていません。これはLubrossの社長からの要望でもありますから(お互いに激しく意見交換しているのでそのご意見を尊重して)。
Posted at 2022/04/30 10:53:14 | |
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