アメブロから・・・
チューニングと言えばパーツを交換とか仕様を機械加工的に変えるといったことばかりに目を奪われがち。それは確かに目的に対して最低限必要な部分もあります。Air Repair iQにしても車体補強、クロスミッション&機械式LSD、ショックアブソーバー&コイル、エアスムーサー、エンジンピッチングストッパー&マウント補強、テールパイプ、二名乗車化、4POTブレーキキャリパー&それ用リヤパッドなんかはヒルクライムレース&iQ+α車両パーツ開発テスト用に最低限必要なハードパーツとして装着&交換してきました。
それらは単体装着でもある程度の効果を引き出すべく企画&テストを行って世に出しているものなのですが、それだけではAir Repair iQのようなパフォーマンスを得る事はなかなか難しいんですよ。
実はその車の仕様を活かす補助的な事、すなわちセッティングということが必要になってくるんです。
例えば、コーナリング動作に関して・・・
①減速からコーナリングアプローチ姿勢を作るまで・・・
ここはブレーキ能力だけと思われるかも知れませんが、そこは全くちがいます。リヤから沈み込みながら遅れてフロント側でストッピングパワーを生み出す必要性があります。ここのキモは後ろが重要ということ。ここの部分でステアリング操作が行われ始めますからFrタイヤの能力をこの時点で使い切ると旋回中のグリップ力から加速時のグリップ力がなくなります。
ここで必要なのがハード部分ではブレーキ性能、足回りの性能、車体剛性バランス、マウント類の剛性、タイヤ&ホイール性能と全てのマッチング(エア内圧もここに分類)
②旋回中から加速に向かうまで
ここの領域では姿勢変化から加速に移るまでの出力特性も関係してきます。ハードな部分においては前述①のブレーキ以外の事がまだ関与しています。パーツについてはブレーキに代わりLSD、ローファイナル、クロスミッションの部分が仕事を始めます。LSDはイニシャルトルクと作用カム角によって効き方がチューニングされるのですが、ここで大きく影響するのがギヤオイルの特性です。私がオリジナルギヤオイルを作ったのは理想の効き方を再現するためと直進時でのフリクションの少なさを得るためなのです。社外品の添加剤には頼らずということも大きな目的。
②’旋回中から加速に向かうまで
そして大切なのがパワー特性。ハードなチューニングを施すには余剰が無いのがiQを含めて近代の車のエンジンなんですね。じゃあどのようにするのか?エンジンを動かす3原則(火花、燃料、空気)をいかに沢山エンジンに取り入れて綺麗に燃やしてエネルギー変換を行うのか?なのです。
今のエンジンは高度な電気的なマネジメントによって支えられています。ここで大きな伝達能力含めてロスを生んでいるのが実情なのです。そこでAir Repair が最初に行っているのがエレスタビヒューズ全交換。ヒューズの電気的なロスとよく言われるのですが実はそんなに単純なものじゃないんですね。エレスタビヒューズは通電ロスを補う加工は当然として電気の漏れ対策(=この先にある電磁場生成にも関係あり)を行うのです。これによってエンジンを制御するのに必要なセンサーからの情報信号、ECUが計算して指令をだす制御信号の質と速度を上げる基礎を作ってやるのです。
燃料はタンクタイガーによって理論上5%の未燃焼燃料が生まれるものを少なくするように調整。オクタスRによりオクタン価を上げて高負荷時のシリンダー内燃焼速度を適正化してノッキング防止を行います。これを行うと純正ECUが補正学習でマネジメントの補正が行われて高トルク化(高回転化に結びつく)に向かうのです。
電圧と電流は電気制御の基本根幹部分です。バッテリー能力をいかに生かすかがキモになりますがここも落とし穴があるのです。良くアーシングというのがありますが(Air Repair にもあります)これは電気回路上の+から-に電気が流れる道にバイパスを作るのが目的です。基本電気的負荷の大きい部分(パーツ)の-部分に装着するのですがある程度までは効果が現れます。しかし、キルヒホッフの法則にあるように、その回路において+と-の総和は0となるという大原則が存在します。
そこを強化してやるために生み出されたのがカーボンナノチューブペーストなのです。
火花においてはプラグの性能が大切ですがそれはあくまでもプラグだけの話。プラグに行く電気の質がそこそこならばその中での性能を発揮するだけ。
スロットル開度とO2センサーの関係から点火時期や燃料噴射タイミングや量も運行状態によって常に適正化されてるのですが、この部分もノーマルまんまの条件だとその範囲内での制御速度と質になります。そこをより高度なものに変える為の基本となるのがエレスタビヒューズとカーボンナノチューブペーストとアーシングなのですよ。
Air Repair iQに装着されているMINICON-PRO Ver2(トータルマネジメント)、MINICON-α(燃料噴射タイミング)もエレスタビヒューズとカーボンナノチューブペーストによって活きています。
吸気システム内の空気の流れに関してはファンネルの考え方(ベルヌーイの定理が基本)を基本に、パイプ径を変えずにいかに沢山の空気を均一に吸い込ませてやるかを考えます。そのために必要なのが管内に存在する空気の流れない(流れにくい)領域を無くしてやるかです。ここに静電気除去という事が必要になるのです。電荷の偏りがある原子が静電気状態の原子ということで常に存在しているのが現実です。
基本的に管内を上手く流れているのは80%程度です。要は60φならば2826mm2が理論値ですが実際は2260mm2ということ。これは53.6φのパイプでの層流100%と同じなのですよ。現実は空気の分子を沢山取り入れるのが目的なので口径と流速の関係もあるので難しいのですが流路面積だけから判断すると間違う場合もあります。
そのこともあって吸気システムの素材をむやみに置き換えるのではなく、いかにスムーズに多くの空気を流してやるのはどうすればよいのか、を考えた結果がFORTEによる静電気除去コーティングなのです。
実はAir Repair iQに投入されているノウハウはまだまだ沢山あります(例えばスロットルボディガスケットの加工等)。基本的に私はこれを導入したらこうなる、といった1次的考えは持っていません。”こここうしたらこうなる、となるとこことここにはこのように影響がでる、ならば~”という思考でチューニングというものを考えています。
要求する目的に応じた仕様とチューニングが存在し、それに向けたそれぞれのチューニングが存在し、それらの積み重ねたものが車両の味と性能というように考えています。
Posted at 2022/07/15 10:37:54 | |
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