海… そして、空海
平安時代初期の僧である空海(弘法大師)は真言宗の開祖であり、中国より真言密教をもたらした。能書家としても知られ、嵯峨天皇、橘逸勢と共に「三筆」の一人とされている….。このような説明が高校の日本史で一般的にされているのだが…
☆ ☆ ☆
804年(延暦23年)、空海は遣唐使の留学僧として、荒れ狂う海を渡り唐に...。
taken through the lens of PENTAX.
「空海」という人物を知れば知るほどに「偉大さ、凄さ」に突き当たる。「空海」という存在自体が知的好奇心を増幅 / 高揚させるのだろうか… 著名な作家たちがそれぞれの視点で「空海」を描き、論じていることでもそのことが分かる。
今から3年ほど前であろうか、筆者は「空海」をじっくり学んでみようと思い、間隔をおきながら順次、下記作品を紐解いていった(読み終えた順)。いずれも当ブログで紹介している。
①「沙門空海 唐の国にて鬼と宴す 巻の一〜四」夢枕 獏著 徳間書店
執筆期間は足かけ17年という「壮大なスケールで綴られた中国歴史伝記小説の超大作」(本帯より)。小説の世界で描かれた空海の活躍を存分に知ることが出来る。夢枕獏さんの描くこの小説は、エンターテインメントの極致とも言うべきダイナミックな展開が面白い。
②「空海の風景 上下」司馬遼太郎著 中公文庫
この作品に司馬氏は構想10余年の歳月をかけ、巨人空海の思想と生涯を描いた大作。本格的な「空海」研究書といって良い。芸術院恩賜賞を受賞(昭和50年度)し、読み応え十分の作品。空海を知るには必読書ではないかと思う。
③「空海」髙村 薫著 新潮社
2015年に出版された作品で、「空海の足跡を髙村薫がカメラ片手に辿る思索ドキュメント」(本帯より)であり、空海を通して現代に生きる日本人の精神の原点に迫った作品。空海の思想・行動が現代社会に結びついた接点を探りながら、エッセイ風に書かれてあるところにこの作品の真骨頂がある。
上記三作品を通して、「空海」という人物像及びその時代背景、もっと言えば空海が生きた「歴史」が見えたように思う。このような人物が実在したのかと思うと、改めて歴史の重みを感じさせられる。
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映画「空海 — KU-KAI — 美しき王妃の謎」
2月23日付の新聞(朝日新聞朝刊)に、映画「空海— KU-KAI — 美しき王妃の謎」の広告が出ており、予てからの思いもありこの映画を鑑賞してきた。
原作は上記①の夢枕獏さんの小説。この映画は、映像自体がとても綺麗で、絵物語を観ているような感覚を持つ。ただ、この映画のタイトル「空海— KU-KAI — 美しき王妃の謎」に関してだが、副題の「美しき王妃の謎」がメイン・タイトルであったならば、成る程と思った人が多いのではないかと思う。つまり、上記の公開前の新聞記事にも掲載されているように、「楊貴妃の死の謎」を空海と白楽天が追っていく展開にフォーカスされているからだ。
「空海」を主眼にした内容ではないので、それを期待した人には物足りなさが残るかもしれないが、中国宮廷貴族の描き方やその映像の美しさ、楊貴妃の謎の死を追うミステリー、さらには空海に触れることが出来ること等々を考えると、また映画をエンターテインメントの一分野として考えれば、これはこれとして良いのかと思う。
付け加えて言えば、この映画が「空海」を知らしめる一つの切っ掛けになったとすれば、その価値は十分あったのではないかと思う。これは映画好きな筆者の単なるひとりごとに過ぎないが…。
written by Seikoh-Udoku
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