iQは、FFで超短ホイルベースという特殊なAセグメントの車であるということはご存知の通りですね。
このiQという車。
ラインオフの状態、もしくはある程度までのいじり方をする場合までは、比較的扱いやすく、街中では小回りが効いてキビキビ走り、高速走行では安定したクルージングができる可愛いヤツです。
でも、ある限界を超えると、超短ホイルベース故のナーバスさと、過渡特性を緩くする為の工夫が災いして、ドライバーへのインフォメーションの遅れが一緒になった時にはかなりスリリングな経験をすることになります。
私のiQのチューニングは、マイクロスポーツとしての可能性を追求するところなのですが、ポイントは「運転者が楽しく車と対話でき、乗り手と車が一体化してパフォーマンスを発揮させる」といったところです。
ですから、開発パーツのエンジン系では、ボルトオンで追加できて、iQのもつ潜在能力を引き出し、乗り手がiQの意思を汲み取りやすいように考えたパーツと、それを活かすアフターパーツを探しテストしてきているんです。
「マジカルヒューズ」「MINICON-PRO」「レスポンスリング」はメーカー様と常に情報をやり取りしなが深い関係を築いています。
私の iQは昨年試作LSDが投入されました。
テスト車両なので、操作性はかなりスリリングなものになっています。
旋回速度も限界も高く(幸田サーキットテストでの自比較データーではEvo9MR・N競技車両の旋回時の横Gを超えています)ラリーのようなストレートがないワインディングならばかなりの走りをすることが可能になっています。
ただし、先ほどに書いたようにかなりナーバスなので正確な操作技術が要求されてきます。
極端な話、WRCの20年前のカテゴリーF2車両(FF、自然吸気280PS、競技セッティングLSD、シーケンシャルミッション他)のような感じです。
それでは代表的な2台を見てみましょう。
ジャン・ラニョッティ選手/メガーヌKIT Car
台頭し始めた頃のLoab選手/Xsara Kitカー
この二選手の運転の仕方に注目してください。
ステアリングの持ち替えは殆どしませんよね?
これは、車両が不意な動きをした際に正確にリカバーするためなんですね。
実は運転の基本中の基本で自損事故を防ぐコツなんです。
運転者の操作を活かす車造り、これが競技車両の中では大切な要因です。
一般車両においても同じで、如何に自分の車と意思疎通ができるか、そこが安全運転にも楽しい運転にも通じる門となるんですね。
Posted at 2018/01/12 12:17:34 | |
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