電子制御技術の集合体の今の自動車・・・
アナログ時代の自動車と違って神経を使わなくてもいいのがいいところでもあります。
(私はキャブ車で育ち、キャブ車も好きですよ♪)
気温や湿度や気圧変化についても、メインコンピューターがその時々の条件での空燃比(燃料と空気の混合比率)や進角(プラグの点火時期)の最適値を計算しながら決定してコントロールしています。
ただ、残念なのは基本プログラムの特性です。少し前の車は高負荷時(全開や上り坂とか)にエンジンが壊れないように、空燃比が濃い目になるようにプログラムされています。空燃比が濃い目だと、エンジンブローの確率は低くなるものの回転上昇は鈍く実際のパワーは出ていません。
逆に今の車は、低燃費でクリーンな排ガスを出すのが第一目的のような設計されているので、空燃比は薄い方向に振っているようです。
昔の制御ならば、壊れる率が高まるような条件でも、優秀な制御で点火時期を遅らせたり、燃料の噴射量をコントロールしてブローを回避しています。
その制御の技術を極めたのが、パイクスピークインターナショナルヒルクライムレースの参加車両。
スタート地点は2800m、ゴール地点は4300m。標高差1500mで距離は約20Km。
ボディに関しては、空気が薄いのでダウンフォースが低くなるので超大型の空力パーツを使います。
登りオンリーなので超ハイパワー。
今日のブログの題目である、標高と気圧の変化についても、レースなので急激な変化をもたらします。
そこでのポイントがコンピューターのセッティングです。
※RECORDをもっているLOEB選手+プジョー
凄まじいパワーのマシンと卓越したLOEB選手の組合せで未だ記録は破られていません。
標高1000mで約100hPの気圧が下がります。
その標高だと、酸素量は平地の約12%減なんです。
恐らく、ノーマルのコンピューターだと、ベターではあるけれどもベストからは程遠いと思います。
私のチームが、ジムカーナ走行のホームコースとしているダイナランドの駐車場は、丁度標高1000m。
ここでのジムカーナ走行は、ターボやスーパーチャージャー装着エンジンだと問題ないのですが、自然吸気エンジンだとエンジンの回転上昇が鈍くパワーが無いように感じられます。
日本国内で、ヒルクライムレースを主に活動している、私と相棒のiQは標高変化に対応する為の何らかの対策の必要性を迫られていました。
最初はヒューズを高性能なものに交換し、制御系及びコンピューターの処理速度を向上させました。
次に、吸入パイプの流速をコントロールさせる為に”シエクル製レスポンスリング”を装着(既にエアクリーナーBOXについてはAir Repairのものが使われていてある程度の下地はできていました)。
そして、最後に”シエクル製MINICON-PRO”を装着。
このMINICON-PROを装着した理由は空燃比の調整だけではなく、走行負荷に応じてメインコンピューターと連携しながら点火時期の調整を行ってくれるというところからです。
また市販前に、パイクスピークインターナショナルヒルクライム参戦車両に供給して実戦テストを行い、データー収集を行っていたというのも理由です。
装着後、基準となる調整値を見つけるために、3日ほどパターンを替えた走行(12月末頃)を行い、その調整値を見つけました。
そして、プラグの焼け具合をチェックです。
いい感じでしょ♪
今の車の制御だと、白っぽく焼け過ぎのような色になりますが、ほぼ理想の焼け具合を示しています。
吸排気がノーマルの車でも効果があるようで、他のiQのみんとも酸素もMINICON-PROを導入されて、体感レベルで走りも燃費も変わったと言っていました(ヒューズももちろん変わっています)。
濃すぎるノーマル状態にあるものや、薄すぎる状態にあるものを最適値に合わせる事が可能になるんです。
私は、標高だけではなくて、季節変化の気温差(真冬10℃以下と真夏30℃以上の単位体積あたりの酸素量が違います)での調整も行っています。
それだけでも体感度が違います。
何かご質問があればお答えしますよ~(*´∀`*)
Posted at 2018/01/31 20:21:37 | |
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