昨日からの関東圏を中心とした雪の話題・・・
雪装備のないクルマが引き起こす問題や、ドライビング感覚の感違いに起因する事故のニュース等等。
原因の件は置いておいて、状況と自身のノウハウ不足が招くミスという事が共通していますね。
そういった事も考えながら、今回は温度を中心とした数値管理の話です。
モータースポーツにおいて(チューニングにも関係します)温度計測と管理はセッティングの中においてかなり重要な役割をもっています。
吸気温度、燃焼温度、エンジンオイル温度、ミッションオイル温度、ブレーキローター温度、ブレーキフルード温度・・・
精密さを求めたらキリがないほど。
その中で、末端レベルのカテゴリーからも切り離せないのが路面温度。
レースやラリーの世界だとしごく当然な事柄です。
※BSさんのタイヤメカニック
特にタイヤメーカーさんはそれが基準となってコンパウンド(簡単な話ゴム質)の種類違いを作ることになるので・・・
※ピレリーの開発担当者
私たちはそうやってラインオフされたタイヤを使います。
路面温度に合わせてタイヤを選択し、次は自身がテストを行いその感覚を計測し、データー化し自分のものにしていきます。
携帯の接触式温度計を常に持ち歩き、何かあればすぐに測定して、天気や立地と時間を併せて操作感覚と一緒にメモしてまとめていくのです。
※2015Colsa De Macchinaの時の土曜日15時のスタート地点路面温度だったかな?
その路面温度と気温と日照と立地状況を考慮しつつ、タイヤエアの内圧調整をして味をコントロールするのはドライバーの仕事でもあります。
※WRC クリス・ミーク選手
昨年末ころセミレーシングタイヤ(通称Sタイヤ)を導入した私のiQ.
以前は温度レンジが広い一般スポーツタイヤを使っていましたが、試作LSD(リミテッドスリップデフ)が投入されたことをきっかけにSタイヤを使い始めました。
Sタイヤは温度管理が重要なので、以前JAF戦に参加していた時のように必ず様々な事を記録する必要性がでてきました。
その記録がパターン化されて資料として生きていくんです。
あと、チューニング(ライトなものでも)においても温度管理は重要なものになってきます。
私のiQに採用されて、効果が大きかったものにシエクル製MINICON-PROというものがあります。
こちらは、燃料と空気の混合比率の変化を補正するサブコンピューター。
但し!昔からある空燃比補正のみの機器じゃありません♪
凄いのは、車の負荷状態を読み取って、その時々の最適な点火時期もコントロールするということ。
今の車はフィードバック制御なので、その時々の運用状態の最適な状態でコントロールされるような作りがされています(そこの部分を有益にさせるのがマジカルヒューズの役目)。
しかし、吸気排気のシステムであるレベルを超えた効率のものに交換すると、ノーマルの能力では補正しきれなくなります。
そこでこいつの出番なんですね。
私が使おうかと考えたのは、ヒルクライムレースやジムカーナで標高1000mを超える場所での開催があるからなんです。
1000mで約100hPa下がりますから、自然吸気エンジンの場合空燃比が濃い方向に向かいレスポンスが悪くなります。
ここで、このMINICON-PROで空燃比を少し落としてやるのです。
採用した理由は、開発途中であのパイクスピークヒルクライムレース参戦車両に搭載し、テストを行ったという話を聞いたからでもあります。
標高について以前は地図から割り出していましたが、今はアプリで行っています。
じつは空気というやつ、温度変化で体積が変わるので酸素量も変わるという特性をもっている事はお分かりですよね?
真夏と真冬でも調整を加えてやることで、体感レベルでレスポンスの違いを感じる事ができます。
以上のように、温度は大切な要素をもっています。
道は路面温度と気温の変化、日照の具合、風の流れ、道路構築物の物性、様々な要因が絡み凍結条件や状況が変化します。
単一的なものの考え方ではなく、様々な数値を常に気をかけ(道路表示の路面温度も参考になります)、自分の感覚とその時の天気を参考に経験を積んでいく。それが何よりの強みになっていくのですよね。
以上のように、モータースポーツも車のチューニングも、数値の計測と自分の感覚とをかけあわせた経験が重要です。
じつは経営とかも同じプロセスを取るのが重要じゃないかと思うんですよね。
数値と現状を併せて読み取り、次の手立てを考える。
これもまた、難しいことなのですが・・・
設立後6年が終わろうとしているのに波に乗り切れた感を感じない私。
頑張っていきたいです!
Posted at 2018/01/24 14:43:07 | |
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