私がiQ、特にマニュアル、NA 1.33モデルで得たノウハウの一つがタイヤサイズです。
一番重要なのは、幅や扁平率ではなく、外径なんです。iQのマニュアルの最大のネックはギヤ比。特にファイナル比です。
本当の最終減速はタイヤ外径ですね。だから、拘るのです。幅はタイヤの規格に絡みますから、おのずと決定されます。
205/45-16が使えるタイヤ外径では小さく最終減速比も低くなるのです。
ノーマルギヤ比の場合、1速から2速にシフトした際に必ずトルクバンドが外れます。
車速線図から見て一目瞭然です。通常の仕様ならば確実にシフトアップしたらエンジン回転はドロップ、加速は鈍くなります。
205/45-16で逆算していくと、6400rpm一気に回せればギリギリ1速で引っ張って2速にシフトアップした際にトルクバンドエンジン回転の下限にひっかかるんですよね。
クロスレシオトランスミッションやローギヤードファイルギヤが無いのがiQなのでそうやる他無いんです。
スーパーチャージャーを装着した場合は逆ですね。
上限エンジン回転数がタービンのA/R比の問題で低いのでギヤ比はクロスさせて、ファイルナル比は高くする。そうすると車速が乗るのです。
これはターボラリーカー(特にGr-A時代)の考え方ですね。ABARTH500系はきっちりそういう方向に向けています。ノウハウを捨てずに活かすところは流石です。
iQに関して、オイルの開発を含めた私のパワー関係の部品のセレクトは、エンジンだけで考えは考えていないのですよ。
タイヤサイズが速度に影響するという事は、タイヤ幅も関係します。そうなるとホイルの観点からサスペンションレバー比に影響がでますからサスペンション構成のセッティングも関わります。
サスペンションが変わると支える車体剛性に関係してきます。
ホイルに関しては幅、インセット、外周部重量、剛性から考えてセレクトしなければ、非力なiQを楽しい車にすることが難しくなるのです。
ブレーキも見た目や止まるだけではなく、コーナーアプローチから加速まで、タイヤを地面に押しつける姿勢を作るための考えで作りセットアップしました。
これら一連の考え方やアプローチは、開発を含めた実戦経験が必要になりますね。得たデーターの分析や利用もしかりです。ま、これはiQに限った事じゃないんですけど。車両製作に関しての基本です。
GR4の公開映像で色々と言われています。あの映像から、最初から気になっていた基礎部分は、特性として避ける事ができないものとして残っているようです。
重量と補強バランス、LSDのチューニングとセッティング、タイヤを含めた脚全般の煮詰めをガレージサイドで行う必要性がある車のように思います。
クラウドファンディングを宜しくお願いします。
Posted at 2020/07/31 10:12:31 | |
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