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イイね!
2020年10月20日

ピュアコンは普通のネットワークとどう違うのか


このブログではピュアコンと呼んでいるのは、元をたどればパッシブネットワークです。

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ただし普通のパッシブネットワークと違うのは、中身をブロック化して、とんでもない数のブロックをストックして、その車でそのシステムにピッタリの値を探せる所です。

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市販のネットワークは2種類あって、1つはツイーターとミッドの間を広範囲に重ねた物で、別名女性ボーカル向きと言われる中音域が濃い物と、もう一つがツイーターとミッドの間を広げて、ロック向きと呼ばれて、別名ドンシャリとも言われている物です。


仮にメーカーがちょっきりにクロスするパッシブネットワークを作ろうと思っても、車の種類でリスナーの耳とスピーカーの位置がバラバラで、スピーカーグリルの模様の違いでも音の抜けが違い、ましてやインナーかアウターになれば全く聴こえ方が違い、ツイターのレベル切り替えスイッチでの調整では本来の音楽の音にはなりません。


元々自分は昭和の終わりから平成の初めにかけて、そんなネットワークの限界を感じてツイーターとミッドを別々に駆動するマルチアンプ方式で高音質再生を試みていました。


その高音質再生のために購入したのが当時スタジオモニターと言われていたB&Wのマトリクス801で、今でも福岡店に置いていて、ハンダ付けを行なっている時のBGMで使っています。

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ちなみに90年代に一度買い替えて、その後製造が終わってからは新品のユニットに2回交換して、新品の様な音で鳴っていて、新しいB&Wのスピーカーではこの音色は出ないので、買い換える予定はありません。


90年代にその801を聴いて、マルチアンプの調整を行なっていたら、どこをどうしてもそんな音にはならず、かなりストレスを感じながら調整を行なっていたらお客様から、「801はネットワーク駆動だからこんな音がしていて、マルチアンプの音は冷たいから、どんなに調整しても無理でしょよう。」とダメ出しされました。


それでもお客様の言葉に耳を傾けずに「エージングが足りない。」とか、「スタジオのスピーカーの音は所詮車の中で出ない。」とか、自分で自分に言い訳をしていました。



そんな試行錯誤をしてる時にお客様から関西のカーオーディオイベントに行こうと誘われて、3人のお客様と自分の4人で車で関西に行きました。


そこに1台だけ自作でコイルを巻き替えたパッシブネットワークの車があって、マルチアンプでは出せない暖かみのある音色がしていて、お客様は前からそこの音が気になって一度聴きたいと言われていたので、その音を聴いた時にお客様が、「もうマルチでやっても無理でしょよう。井川さんもコイルを巻き替えんと。」と帰りの道中何度も言われました。

ただ以前にあるメーカーから、「あの店みたいな事をすると販売奨励金が貰えなくなりますから。」と言われていて、コイルを巻き替えてネットワークを作る事は悪とか、貧乏になるというマイナスなイメージしかありませんでした。

その後その店は閉店していて、ネットワークを作ると将来が真っ暗という印象しかなくて、お客様の提案は受け入れる気にはなりませんでした。


しかしある日お客様が怒って、「こんないい方法があるのに何でせんの!」と言われて、仕方なく既存のネットワークを分解してコイルの巻き数を変えてみたら・・

何これ?という不思議な発見がありました。


ネットワークの中のコイルをほどいて行けば行くほどミッドの上限周波数が伸びて来て、面白くてどんどんほどいていたら・・

ほどき過ぎて上限周波数が伸び過ぎて、ツイーターの下限の音と完全に重なって、ハッキリしない音になってしまいました。


あーあ、ネットワーク一個ダメにしてしまったと思いながら、ほどき過ぎたコイルの代わりに、ホームオーディオの自作ネットワーク用のコイルを買って来て、代わりに入れる事にしました。

ところがこれが大き過ぎて中に入らず、リード線を伸ばしてケースの外に付けたら、これがビックリ!

鉄心入りで無理やりインダクタンスを上げて、銅線も細かった最初のコイルに比べて、自然なインダクタで上質で太い銅線で、ミッドの音が見違える様に良くなったではありませんか!


更にツイーター側のパーツも良くして、自由に下限周波数を変えたり、コイルとコンデンサの比率を変えて音色をシープにしたりゆったりさせたり出来て、これまでマルチアンプでもパッシブネットワークでも表現出来なかった音が出せる様になりました。



ただそこで出来た問題が、どんなにいいパーツの組み合わせを考えても、車のメーカーや車種によって床の材料で音の良し悪しが出て来て、あれこれと下に敷く物を変えて、最終的にMDF板の比重の重い物が良いという結論に達して、その部分にもコストをかけています。

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またこのコイル外付けという方式が音質に優れているのと、直ぐに交換出来るという二つのメリットから28年間このスタイルは変わっていません。



その一方で大きく変わったのは、最初は20個程度の後付けコイルと、5種類ぐらいのブラックボックスが、その他の後付けパーツを含めて紙3枚で管理するぐらい増えたという事です。

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昨年の初めはまだ2枚で足りていましたが、今は3枚目の半分くらいまでレパートリーが増えて来ています。


昨日は金土日で使用した福岡店へのブラックボックスの補充と、新しく車種別専用の値を開発した物を送るために荷造りをしていましたが、日曜・月曜で製作した物をこれだけ送らないといけません。

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それだけ多くのユニットの中から本当に合う1品だけを選んで取り付けるのと、2006年以降は多くのボーカリストの方や演奏家の方にお会いして生音・生声に合わせるという手法を取っていて、更にそのうちの何人かの方にはデモカーに乗って頂いて、音色を確かめて頂いています。


そんな訳で普通のネットワークと同類にされたくないので、動作はネットワークでも、ピュアコンという独自のカテゴリーの物として表現しています。

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Posted at 2020/10/20 10:56:45

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サウンドピュアディオの井川です。 福岡県・山口県でカーオーディオ専門店を営んでいます。 アーティストとのコラボレーションにより、より生演奏や生の声に...

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