昨日は先週末に取付を行った、ピュアコンのブラックボックスを補充するために作っていました。
出来たら目の前にマークレビンソンのアンプに積み上げて、毎度の事ですが朝から作り始めて3セット作ったら夕方で、サンセットになっています。
まだPSTケーブルに24金メッキの端子は付いていなくて、以前はここまで作ったら後は社員に端子を付けてもらっていましたが、カローラツーリングのディスプレイオーディオが出た時に、「カローラフィールダーの時の方が音が滑らかだった。」と言われるお客様の声があって、ディスプレイオーディオでも少しでも滑らかさを出すために、ここのハンダ付けも全て自分が行っています。
ピュアコンのコイルのストックはよく写真に写っていますが、ブラックボックスはあまり写っておらず、現在のベーシックパッケージ用のブラックボックスは、遂に35種類となりました。
以前19種類書いた気がしますが、ここ1年で純正オーディオが大きく変わって来ていて、今の時点では35種類必要で、これより先にまた違う方式の純正オーディオが出て来た場合はまだラインナップは増えます。
たった1・2年で大手メーカーのトレードインスピーカーが、ユニットはマウント出来ても特性が全く合わない車ばかりが増えて来ているので、トレードインスピーカーは終焉を迎えようとしています。
コイルもコンデンサも全く変えられず、抵抗の値の差でツイーターレベルだけ調整のメーカー製のネットワークではかなり音がキャンキャンになったりスカスカになったりして、ピュアコンでは一番レンジの狭い169-153から・・
320-186まで幅広い値の中から、もっともその車に合ったパーツの組み合わせの周波数レンジと、インピーダンスと、アルファベットで表記しているツイーターレベルを細かく合わせて行って、生音・生声に近いと言えるセッティングにしています。
ブラックボックスに対して、これだけのコイルと組み合わせを行うので、ピュアコンシステムの音を聴いてしまうと、もう固定のコイル・コンデンサのパッシブネットワークの音は聴く気になれなくなります。
現在のピュアコンはJU60用のブラックボックスがコンデンサを4桁表記していて、ベーシック用は3桁表記で、以前はJU60で2ケタ表記だったので、ベーシック用でもかなり高い精度を誇って左右のペアリングを合わせています。
先ほどの320を作るための工程で、まずはコンデンサを合成して3・203付近の値を作ります。
その片側にハンダ付けを行った後に、直ぐにラジオペンチで挟んで放熱して、エアーをかけて急冷局をかけます。
ラジオペンチをグリップ側を持っていないのは、熱の抜け方を指で確かめるためです。
そして片側ハンダを行って冷却した後の値は・・ あれだけ放熱しても中のフィルムが影響されて上がっています。
もう片側ハンダ付けしたら、更に値は上がって、これがクリップしていないとか1・2本で、エアーの急冷却もしなかったらどうなるんだろう?と思わされます。
3桁表記のピュアコンならこれでいいのですが、JU60用の4桁表記の物はハンダの熱の影響が終わった後で4桁ピタッと合う様に左右を選んで行かないといけません。
ここまで手間をかければ1日に3セット作るのが限界です!
この手間のかけ方は、ある古典演奏の人間国宝の候補になっている方の練習のプレイバック用のスピーカーを作る時に使った手法で、どんなに良い測定をしても実際にハンダ付けして中に組み込んだら値が微妙に変わっていて、そこでとんでもない数のクリップをして、それでも値が微妙に動くので、これだけのクリップをしてこの程度は動くという事を前提にパーツ選びをして、正確な再生が出来るホーム用のスピーカーを完成させました。
そのノウハウを2年ぐらい前からJU60用に活かしましたが、純正のディスプレイオーディオでもこれまでのオーディオレス車の様な音表現が出来る様に、べーシック用でも将来人間国宝になるかも知れない方に提供しているのいと同じレベルの作業で対応する様になっています。
もちろんこのレベルの仕事は自分にしか出来ないので、出来上がる数も限られて来ます。
まさかベーシックでもこのレベルの作業が必要になるとは、自分は予測もしていませんでしたが、ここまでしないと「前の車に比べて音が・・」という話が出て来るので、最高レベルの技術で入門者用のパッケージに挑んでいます。
「今日はこれで仕事が終わった。」と安心していたら、夕方になって急にデッキのリモートレベルをアップする回路が要るとピットから言われて、もう1個ブラックボックスを組み立てました。
ナカミチのCD-700KKはナカミチ製品のリモート信号に合わせた出力しか出ておらず、他メーカーのアクセサリーを使うと動作が不安定で、物よっては使えない組み合わせもあります。
20年前にそんなトラブルが起こった時に、高校生の時にメーカーの違アップバーターを付けようとした動作せず、せっかく土木作業員のアルバイトをして買った物が全く使えない事がありました。
その時に無線機とアップバーターを繋いで、どのぐらいリモート電流が流れるからこのぐらい電圧ドロップしてと、あれこれ格闘していた時の事を思い出して、半導体とリレーを組み合わせて電圧ドロップを抑えて動作させた事を思い出して、それと同じ物を再現したら偶然安定した動作をさせる事が出来ました。
そのユニットも製作してから20年が経つので新しい物に替えたいとの事で、30分ぐらいで組み立ててピットに渡して、納車出来る状態になりました。
他の店には無い、特殊な技術と正確な値合わせで、どこの店も表現出来ない、プロのスタジオレベルの音を再生させています。
ブログ一覧 |
カーオーディオについて | イベント・キャンペーン
Posted at
2022/02/24 10:44:47