不定期シリーズの新・お客様の質問にお答えしては、前回の20話で自分の中学生の時の事を書き込んだので、お客様から「高校生の時はどうだったのですか?」というご質問を頂いたので、今日はその当時の事を書き込みます。
今のサウンドピュアディオの技術の基本は、小学6年生の時の夏休みに通称萩の電波学校と呼ばれていた所に通って講習を受けて得た事を基準にしていて、中学生から高校生の時は実際に無線機を使って電波を飛ばして、いかに波長を同調させるかと、インピーダンスの整合性を上げるかの2つに熱中していました。
中学生の時と比べて高校生の時になってレベルアップした部分はオーディオ性能で、無線機は電波を受信するブロックと、電波を音に変換するブラックと、音を電波に乗せる前の処理のブロックと、処理された音を電波に乗せて飛ばすブロックの大まかに4ブロックで出来ていて、無線機と言っても半分はオーディオ回路で出来ています。
高校生の時は山の上にテントを張って一晩中電波を出して、電離層反射を使わない直接波で広島・岡山・兵庫・大阪と電波を飛ばしていて、さすがにそこまで遠くに電波を飛ばすと送信の自分の声が力強くて綺麗とか、受信音が綺麗とかのオーディオ性能が決め手となって来ていました。
マイクアンプや外部スピーカーなどのオーディオ技術が必要となって来て、細かい基盤に上手くハンダ付けする技術などが必要となって、この時に正確なハンダの技術が身に付きました。
オーディオ技術と並行してアンテナに波長をピッタリ同調させる技術と、インピーダンスの整合性を上げる技術は中学生の時にもかなり習得していましたが、高校2年の時にこれまで以上の技術が必要なある事が起こりました。
それは20代前半から高校生ぐらいの無線家が集まる事が山口県内であって、その時に一人の高校生らしきかわいい女の子が一人いました。
「あの子誰? 高校生?」と知り合いに聞いたら、高校2年生で自分と同じ年で、無線で出ている周波数も同じ所に出ているらしく、それでもそんな声は聞いた事がないな?と思いながら、その子のコールサインを教えてもらってその日は帰りました。
その日から無線機のダイヤルを回してもその子の声が聞こえる事はなくて、ある日その子のコールを呼んでいる他の局の声だけ聞こえる事が分かりました。
どうもその子の家は自分の家からすると電波の陰にあって、今のアンテナ設備では届かないし聞こえないという事が分かって、それを何とかする様に努力の日々が始まりました。
まずは7エレメントのアンテナを2本連結していたアンテナを、計算して前に2エレメント増やして9エレメントの2連結にして、合計14エレメントから18エレメントにしたにも関わらず全く聞こえて来ません。
そこで土木作業員のアルバイトをしてお金を稼いで、10エレメントを4つ組み合わせた合計40エレメントのアンテナを買って、それをその子の方向に向けましたが、全く聞こえて来ません。
それなら方式を変えようと、縦に無指向性のアンテナを伸ばして、8分の5波長のエレメントを位相反転コイルを2個使って2段に伸ばすという手法を使って「これならどうだ!」とやってみたものの効果は無しで、自分の家にいる限りどんな同調の手法を使っても届かない事を実感しました。
しかしそこで自分の家の場所が悪いから届かないので、移動すれば届くのではないかと、自転車に小型の無線機を積んで、短いながらもそれなりに飛距離が出そうなアンテナを考えて付けて、中腹まで20分自転車をこいで、後20分ほど手押して山に登っていたらやっとその子の声が聞こえる様になりました。
文字にすると大した事が無いのですが、自宅でその子の家まで電波を飛ばそうと悪あがきをして、ありとあらゆる波長の乗せ方を研究して、もし簡単にそこまで電波が飛んでいたらそこまで極端な努力をしておらず、今のサウンドピュアディオの技術は無いだろうというぐらい、運の悪さが運の良さを生んでいます。
その後その子とは何度か交信するうちに同級生という事もあって仲良くなって、二人で映画を観に行くという所まで発展しました。
ところが運が良かったのはそこまでで、その子が行きたかった映画は角川映画の『野生の証明』で、残虐シーンが満載で、流血シーンというよりも血が吹き飛ぶシーンが多く、人生で初めて女の子と二人で映画を観に行ったという緊張感と、暗い場所で残虐なシーンを散々観て、映画館を出た時には顔は真っ青で、吐く一歩手前の状態でした。
なぜその映画だったかというと、その子が薬師丸ひろ子さんのファンで、薬師丸ひろ子さん見たさで行っていて、「凄く可愛いかった!」と喜んでいるのに自分は無言で、「この映画好きじゃなかった。ゴメンね。」と言わせてしまい、完全なマイナスイメージになってしまいました。
高校生の時は放課後の図書室でコイルや波長などに関する書籍を読み漁って、よく見ると誰も開けた事の無い本が多くて、同級生から見たら根暗な無線少年だったかも知れませんが、「何んとかその子の家まで電波を届く様にしたい!」という思いから同調とかインピーダンスにムキになっていたのが、途中までは恋のプラスになっていて、最後は散ってしまいましたが、今となっては良い思い出で、同業者が持っていない特殊な感覚を身に付ける事が出来ました。
追伸
そういえばその子と二人で会ったのは映画の時とその前に1回だけで、一度「土曜日に習い事に行くから、家からバス停までの20分歩いて行く時間に会えるけど?」と言われて、「行きます!」と二つ返事をして、自転車で2時間半かけて行きました。
家から自分は自転車を押して20分話しながら歩いて、バス停にある商店の自動販売機でジュースを買って飲みました。
その事をその辺りに住んでおられるお客様に話したら、「その店は自分の家です。」と言われて、「その人は自分の同級生のお姉さんだと思います。」と言われて、世の中は狭いものだと感じました。
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Posted at
2022/04/28 11:02:22