不定期シリーズのお客様の質問にお答えするは、7月に2回書き込んだものの、8月は一度も書き込んでいませんでした。
今日お届けするのは最近店頭で聞かれる事が多い2つの事で、まず一つは先週の水曜日にFM山口のコージネスの中で、いつもは大和良子さんと井川の二人でトークしている部分で、お客様を交えて3人で話していて、短い時間にかなり内容を詰めて話したために、「あの回の内容をもっと詳しく聞かせてもらえませんか?」と言われた方がかなりおられたので、ここで文字にして内容も追加してお話させて頂きます。
今回のテーマは7月と8月通しで、『オーディオボックスからサウンドピュアディオ』というタイトルで、1982年に宇部市にカーオーディオ専門店サウンドピュアディオとして誕生して、途中で小野田市有帆に移転して、それからまた宇部市の今の場所に引っ越して来て、1990年代の後半に80年代にあった様なスタジオで使っている素材に近いスピーカーが無くなってきて、ストックしている在庫が無くなって来て危機感を持ったという話をして、それで2001年にサウンドピュアディオというブランドを立ち上げて、オリジナルのZSPというスタジオ的な素材を使ったカー用スピーカーを発売して、店名もサウンドピュアディオと変えたというお話が7月の放送でした。
第二回目の放送では宇部市の会社の社長の会の異業種交流会で知り合った吉長社長をお招きして、1990年代のサウンドピュアディオのネガティブな部分と、サウンドピュアディオになってごく最近のベーシックパッケージのトリプルパッケージとの音の比較で、これだけ音が変わっているのだから、やはり店の名前も変えないとという様な話の流れになっていました。
吉長社長は今から12年前に『アイワ工業』という会社をお父様から受け継がれた女性経営者の方で、後に銀行が主催する社長の会に参加されて、その時に「私は以前オーディオボックスの時にお店に行った事があります。」と話しかけて来られました。
実際には自分が買われたのではなく、御主人が結婚される前に購入されていて、1990年代に車の買い替えの時にノーマルに戻されて、その機器はリサイクルショップに売られたのか、その後30年間は当社とはお付き合いが無くなっていました。
自分の思うにはこれから結婚するのにこんなお金のかかる趣味をして、もう手放してこれからはノーマルで聴きなさいという話になったのではないかと予測されて、90年代の後半の造作する音のカーオーディオが段々主流になって来て、その中で何とか本物に近い音を出そうともがいていて、それでも満足出来なくて離れて行くお客様が多くとても危機感を持っていて、そんな時期に当店から離れられて、そこから30年経って社長の会で知り合って、今の音造りは当時と全く違うという事を知って頂く事となりました。
その吉長さんをはじめとして多くの方が離れて行った理由は、値段が高い割に満足感が低く、あれこれと沢山物を付けないといけなくて、これが本当の音に近い音です!と示す事も出来ず、離れられて当然だと自分自身も感じていました。
今考えたら1980年代からのお客様が多く、次に2000年代のお客様が多く、1990年代はカーオーディオ業界は物凄く売れていたものの、自分の会社にとっては地獄の時代でした。
そんな時期に「このままでは自分が欲しくない物を販売する様になる!」と思った時に、自社でスタジオみたいな音が出る素材を使ったスピーカーをOEM生産で作ればいいんだ!という事に気付いて、本当は2000年にスタートしたかったのですが、特許庁への許認可の関係で1年遅くなってしまい、2001年にサウンドピュアディオとして名前を変えて再スタートする事になりました。
放送の中では吉長社長はサウンドピュアディオの音を聴くまでは、「店名が変わっただけだろう。」と思っておられたのが、デモカー兼代車のフィットを聴かれて、「えーっ、この音でいくらですか?」と聞かれて、その価格を聞いて驚かれました。
お店に来れらるきっかけになったのは社長の会の飲み会で向かいの席になって、「どんなボーカリストが好きですか?」と自分が質問して、「藤井フミヤが好きで、コンサートに行きました。」と言われたので、番組収録で藤井フミヤさんと一緒に撮影した写真をお見せして、「自分はフミヤさんにお会いして、生の声を聞いた事があるんですよ。」とお話した事がきっかけで来店して頂く事になりました。
店頭に来られたら藤井フミヤさんだけでなく、何十人というボーカリストの方と写っている写真があって、中でもSEKAINOOWRIさんと写っている写真に驚かれていました。
「番組制作の中でこれだけのボーカリストにあって、その全ての声がきちんと聴こえる様にセッティングしています。」という部分と、経営者としては製造工場で出来た製品を200とか500個の単位で仕入れて、自社の倉庫に入れて流通コストを下げて、営業所や中間卸のマージンをカットする事によって、販売価格を落としながら製品の質は上げるという仕組みを構築した事により、これまでのオーディオボックスとは違うという事で店名を変えたという部分にも納得して頂きました。
スピーカーだでなくケーブルに関しては1銘柄100メートルロールを20巻の、2000メートル単位で買い入れていて、これがPST・PSTTW・SKY3・PMBとスピーカーケーブルだけで8000メートル分も買い入れるという、倉庫を別に持っていないととても置き場が無いぐらいの仕入れになります。
2001年にスタートしたピュアディオブランドを10年早かったら、90年代にご主人が買われた時に車を変えてもまた付け続けなさいと言われたであろうと、そんな話を放送では数分間にまとめて3人で喋っていたので、かなり一人当たりの時間がかなり短く、自分が質問された方に一人づつお答えしていたのですが、ここで文章で多くの方に呼んで頂ければ、『オーディオボックスからサウンドピュアディオ』という回に、30年間ブランクがあった吉長社長にお越し頂いたというのがお分かりになれたでしょう。
2回に渡ってオーディオボックスからサウンドピュアディオに名前を変えた根本をお話して、1990年代にいかに苦労して、それでもお客様によってはそっぽを向かれた事があるという、苦しい時代の事を思い出しながら、今のベーシックパッケージとZSPの2本立ての素晴らしいシステムが出来上がった事を嬉しく思いました。
28日の放送の話はここまでにして、せっかく構築したベーシックパッケージというシステムも、近年の純正オーディオのディスプレイオーディオ化で、しかも取り換えが出来ない車種の方が多く、とても良い音を出すのに苦労をしている毎日です。
実際にはCD・DVDが聴けるナビから車を買い替えてディスプレイオーディオになった時に、「前の車の方が音が良かった。」と言われていた事が多くおられて、4年ぐらい前からディスプレイオーディオ対応ピュアコンの開発にかかって、何度もマイナーチェンジを繰り返して、現在はこれが限界という所まで追い込んでいます。
そのディスプレイオーディオ対応ピュアコンについて2つの質問を頂く事があって、その1つが「ディスプレイオーディオ対応のピュアコンをCD・DVD再生ナビに取り付けると、過去にピュアコンよりも音が良くなるのですが?」という事を聞かれる事がよくあります。
実際にはディスプレイオーディオに対してだけ音が良くなっているのではなくて、音質そのものを上げてディスプレイオーディオでも過去のCD・DVDタイプ並に音を合わせているので、おっしゃる通りディスプレイオーディオ以外のソースはこれまで以上の音質になっています。
もう一つの「これまでのピュアコンよろもどこをどう改善したら今の音になったのですか?」という質問んには、以前から巻きの少ないコイルは手作業で一から巻いていて、純白のボビンでピンクのラベルの物を写真で掲載している事はありましたが、ブラックボックスの中は見えませんが、実はディスプレイオーディオ対応モデルは中のコイルを手巻きして音質を改善しています。
先日台風で停電があった時に、セレナの100Vの電気はピットに送ったので、製作室が暗いから車内でコイルを巻いている写真を載せましたが、メーカー製の内径の大きいボビンから銅線を取り出して、独自の内径の小さいボビンに手巻きで巻き替えて、電磁波を吸い込まない様にしているのと、手巻きならではの精度で音質をアップしています。
ディスプレイオーディオの音質をアップするのにここまでしないといけないのか!という様な手間のかけ方で、これで音質が上がるのならと毎日手巻きでコイルを巻き替えています。
(写真は特注で作ってもらった大量のボビンです)
もう一つディスプレイオーディオに対応しているのが、過去にはグループ店が何店かあって、そういうお店が知らず知らずにインピーダンスの低いピュアコンを選んで取り付ける事が多く、インピーダンスを下げればヌケが良くなるからと好んで取付していました。
ただ今のディスプレイオーディオはインピーダンスが適正値からズレるとパワーが下がって本来の性能を発揮出来ないので、適正なインピーダンス値になるピュアコンの組み合わせが必要になります。
現在は宇部店と福岡店の分のピュアコンだけ作れば良くて、適正なインピーダンス値の物だけ作ればよいので、これまででは絶対に無理だったブラックボックス内のコイルを機械巻した物をほどいて値を合わせる手法ではなくて、一から手巻きする方法を使う事で音質を上げてディスプレイオーディオでも良い音で音楽を聴けて、更に社外製品の高音質のデッキやナビを使うと、これまで聴いた事の無い様なクオリティーの高さで音楽を聴く事が出来ます。
よく言われるのが、「コイルを社員に巻かせたらどんどん生産出来ますね。」という事ですが、ただ手で巻くだけでなく、進んでは戻ってを繰り返す事で正確な巻きというか、同じ長さの銅線でも高いインダクタンス値を得ているので、機械巻でも他の人が巻いたコイルでもなく、独自の味のある音を鳴らしてくれるコイルに仕上がっています。
思い起こせば中学生の時の夏休みは、朝からコイルを巻いてはほどいてを繰り返して、どうしたらよいコイルが巻けるのだろうという事を考えていて、その時は無線用の高性能のコイルを遠くに電波を飛ばすために巻いていて、それが60歳を過ぎてからこんなに役に立つとは思ってもいませんでした。
今回は8月28日にFM山口のコージネスの中のコーナーの詳しい内容と、ディスプレイオーディオ対応のピュアコンの内容について書き込ませて頂きました。