今日ご紹介する1台は、先日の宇部店の作業から、ホンダのN‐WGNです。
ホンダ純正のギャザーズのナビオーディオを装着した状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取り付けと、ドアスピーカーの交換と、ドア防振の施工を行ないました。
まずドアの内張りを外して、防水シートを剥がして、手順書に書いてあるポイントにマーキングして、どこにどの防振材を貼るかを決めます。
N‐WGNは自社で車を購入して実験しているので、その効果は折り紙つきです。
防振メタルと防振マットを片ドア8枚貼り合わせて、ベーシック防振の施工は完了です。
N‐WGNは内張りのプラスチックが薄くて軽いので、今回はセメントコーティングもプラスする事になりました。
手作業で厚い部分と薄い部分をランダムに作って、重量が増えない割りに振動が消える様に塗り込みます。
最初にセメントコーティングを考案した時に均等に塗ってしまい、ドアが重たくなった割には小気味良い音が出ず、「どうやったらスタジオのモニタースピーカーの様な音になるのか?」と考えて、規則性を持たせない厚い薄いを作るという所に辿り付きました。
ここまではうちのN‐WGNと全く同じ施工内容でしたが、違うのはドアスピーカーをJBLのGX602に交換した部分です。
16・5センチのコアキシャルスピーカーのツイーターを鳴らなくしてミッドとして使用して、セパレートのミッドを使用するよりもかなり安上がりです。
ケーブルはドアにピュアディオブランドのPSTケーブルを通して、ダッシュのツイーター用のPSTケーブルと比べると微妙に構造を変えて、それぞれの帯域で最も良い特性が得られる様にしています。
ピラーの根元まで高音域重視のチューンのPSTケーブルをひいてきて、下に落ちない様にインシュロックで止めています。
スタンドを使って適切な角度を付けて、ピュアディオブランドのATX-25を取り付けました。
このN‐WGNはお客様の娘さんのお車で、「お父さん、車を買ったらツイーターを立てて。」と言われたそうで、これまでピュアディオのツイータースタンドの角度で音に慣れられていて、音のイメージとして立っているツイーターが高音質の要と、知らず知らずのうちに頭の中に刻まれたのでしょうね。
ギャザーズのナビオーディオから取り出した音信号をグローブボックス下のピュアコンにつないだら配線は完了です。
まずCDを再生してエージングや調整に入ります。
このギャザーズはケンウッド製で、色々なサウンド設定の効果のほとんどをオフにして、一部の効果のみを選んで使用して、生演奏に近い音に設定します。
N‐WGNにGX602とケンウッドナビの組み合わせは初めてだったので、グローブボックス下のピュアコンの値はあれこれと交換して音を探りました。
お客様のご希望はややボリュームを上げ気味で聴かれるのでスタジオ風よりはコンサート会場のPA風のセッティングで、中に入っていたCDやSDカードの楽曲は自分がコンサート会場に聴きに行った事のあるアーティストさんの楽曲だったので、マリンメッセ的なセッティングになっています。(指定が無い場合は全てスタジオ風でセッティングしています)
それとN‐WGNはスピーカー位置がかなり下で、あまりミッドの上の方の音が耳に届いて来ないので、ミッド用のコイルの巻き数はかなり少なめな物を使用して、ツイーターとの間に薄い音域が出来ない様にしています。
ピュアコンでのセッティングが決まった後にイコライザーで音を整えて、N‐WGN作業は終了しました。
通常よりもボリュームを上げられるという事でミッドの交換とセメントコーティングをプラスしていて、完成後の試聴では「コンサートホールで聴いている様だ。」と、音の仕上がりには満足して頂きました。
自分は年間かなりの数のコンサートに足を運んでいて、仕事半分・趣味半分で行っていますが、そういった体験がお客様のお車の音造りに役立っていると感じた仕事でした。
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Posted at
2017/08/06 11:05:15