自分は20歳の時にカーオーディオの出張取り付けの仕事を始めて、その2年後の22歳の時にカーオーディオ専門店を始めたので、サラリーマンというものを1年半しかした事がありません。
そのか開業をした日が20歳の時も22歳の時も10月10日で、当時は体育の日で祝日は固定だったのと、秋になって暑い気候も終わって開店準備に適していたからか、なぜか2回とも10月10日を開業の日としました。
20歳の時に勤めていた会社を辞めて、家賃数万円の小さな事務所を借りて仕事を始める前のちょうど今ぐらいの時期に、仲の良い友人の家に行ってこれから自営業を伝えたら、ちょうど自営業で卸売業をされているお父さんがおられて、「これから自営業を始めるのならこれは絶対に守って!」と、長年の卸売業で培ったこうすれば失敗しないという話を真剣にされました。
それはたった2つの話で、一つ目は『家賃はよく吟味してから選ばないといけない』という話で、安すぎると集客に困って広告宣伝費がかかって逆に無駄になり、身の丈に合わない高い家賃の場所を借りるとそれが仇となって経営が苦しくなるので、簡単に決めてはいけないという話でした。
もう一つは支払いに手形を切ってはいけないという話で、「支払いを先延ばしにして楽になると絶対に無駄な物まで仕入れてしまい、最後には経営が苦しくなるので絶対に現金決済でないといけない!」という話を、自分の息子の友達というだけで真剣にして頂きました。
「この人は息子の友達というだけでここまで心配してもらって、今言われた事は絶対に守らないといけない!」と心に誓い、それから38年間一度も忘れた事はありません。
そして10月10日に自営業を始めてから、なかなかコンスタントに仕事が入らず、1年後に仕方なく何か下請けの仕事を探して、当時はまだ携帯電話という物が無かったので、車に業務用無線を付けて仕事の連絡を取っており、その車載器や基地局の取り付けの仕事を受けていました。
ある日元請けの方と事務所の屋根にアンテナの取り付けを行っていて、アンテナから出ているケーブルをポールにビニールテープで巻き付ける仕事をいていて、ポールにビニールテープを巻き付けた後にそのまま強く引っ張って、ぷつんとテープを切ったら元請けの社長にメチャメチャ叱られました。
その理由はその様なやり方ではその時はくっついていても5年後・10年後にだんだんほどけてしまう可能性があり、きっちりとニッパーで切ってあとから縮まない様にしないといけないと叱られたのでした。
もう一つ自分が使っていたニッパーが刃こぼれしていて、「そんな刃こぼれした工具を使うな!」とも叱られました。
刃こぼれするには理由があって、もっと大きな工具を使う所を工具を取り替えるのが面倒だからか、元々合う工具を持っていなからが原因で無理な使い方をして起こるからで、一流の仕事をしようと思えば準備と心がけが必要という事を教えてもらいました。
その日からビニールテープを引っ張って切る事もなく、刃こぼれした工具も使う事もなく、「その時に付いていればいいという仕事ではなくて、5年後も10年後も問題が起きない様な心がけで仕事をしないといけない!」という言葉を37年間一度も忘れた事はなくて、そういう心がけが最終的に良い仕事につながると信じて、今に至っています。
20歳と21歳の時の自分の事を思っての厳しい言葉でしたが、開業したこの時期になると特にこの恩師二人の事を思い出して、考えが甘かった自分に対して本当にありがたい指導だったと今でも感謝しています。
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カーオーディオについて | 日記
Posted at
2019/10/05 20:05:13