失敗は成功のもとという言葉がありますが、失敗すればその原因を反省し、方法や欠点を改める」ので、かえってその後の成功につながる事になるという意味で、自分は松下幸之助さんの著書が好きでよく読んでいて、その中で丁稚時代の失敗と、自転車のライトを発売した時に卸売りの会社に主導権を握られた時と、松下電器が大きくなって代理店の仕組みに不備があった時の、3回の大きな間違いが元で、それを反省して方法や欠点を改めて大きな成功をおさめられたと自分は思っています。
自分は最近夢の中で26歳の時の大きな失敗を思い出して、その時の失敗が糧となって、今何とかビジネスを続けていられるんだと感じた事があるので、ここで少し書き込みます。
先月のクロスFMのオーディオトークで、DEENの池森さんから、「元々井川さんは何で今みたいな音造りを目指したの?」という質問に、自分が26歳の時にFM山口で1年間音楽番組のDJをした事があって、その時のスタジオの音と車のスピーカーの音にあまりに差がある事に驚いて、車の中でもスタジオみたいな音が鳴らせる様に工夫し始めた、という様な意味の事を話しました。
その昔話をしたからか、夢の中で当時の事を思い出して、良い思い出ではなくて、1年で番組を続けられなくなった、辛い事を思い出して、当時の自分の安直な考え方によって、もっと長寿番組ではなくて短命に終わった原因をダイジェストで書く事にしました。
自分がやっていた番組は完全な音楽番組で、当時としては珍しい洋楽のノンストップ物でした。
基本的にメジャーな楽曲はかけずに、隠れた名曲を探し出してノンストップミックスにするというやり方は、すぐに人気番組となりました。
よく勝って兜の尾を絞めよと言われる様に、自分としては初めての番組で人気が出て、少し欲が出て来て、メジャーな楽曲のリクエストに答える様になって来て、本来のソウル・ディスコではなくてヒットチャート物のロックナンバーまでかける様になりました。
これが第一の間違いで、番組のポリシーからズレて来て、さらに地元のアマチュアのロックバンドが番組に出たいという話が出て来て、それを断ればいいのに、「出してあげていればリスナー層が広がるかもしれない?」と、完全にスタート当時のポリシーとは全く別な『幅広い層に媚びた番組』になってしまいました。
そこで番組の立て直しを模索して、ポータブルプレイヤーやホーム用のCDプレイヤーなどの豪華景品を抽選でプレゼントする事にして、リクエストはうなぎ登りに増えました・・
一時的に。
ただ豪華なプレゼントが無くなったら急に人気は無くなり、完全に最初の音楽に拘って一部の層に熱烈に支持される番組とは程遠い物になりました。
そこで番組は終了する事となって、最後の2・3ヶ月はスタート当時の状態に戻って放送したら、また前のリスナーが戻って来ましたが、失策続きのツケが回ってコストがかかって、もう番組は続けられないという状態になり、自分の1年間の音楽番組のDJという華々しい経歴に終止符を打ちました。
実際は番組の最初の3ヶ月と終わりの3ヶ月はまともでしたが、媚びたり豪華景品に頼った中の半年がまずかった訳で、後のカーオーディオの販売で『すべての各層に販売しようと思わない』とか、『抽選で豪華景品を配って不公平感を出さない』という今の販売スタイルの根源となりました。
不公平感を出さないという意味ではボーナスセールをせずに1年間同じ価格で販売するという方法は、最初の頃は他店はやっているのにうちだけは値段が変わらない事がマイナスイメージだったのが、20年以上続くと逆に安心感につながって、不公平感が無い事がメリットとなって来ました。
自分としては恥ずかしくて触れたくない過去の話でしたが、この音楽番組を通じて一時的に媚びた事をして人気が上下して、コストを無駄にした事が、明らかに後のビジネスに対してプラスになっている事は間違いありません。
ブログ一覧 |
音楽について | 日記
Posted at
2021/04/13 21:55:14