お客様の質問に答えるシリーズも、過去に出た話題の見方が少し違うものが多い中、今回はこれまで一度も掲載した事が無い内容の事を書き込みます。
それはPMBやSKY3のケーブルの末端焼き入れに関するご質問で、ハンダ炉の横に乗っているあのマスコットみたいなハンダはどうやって出来るんですか?という事です。
過去に何度も質問を頂きながら、焼き入れの時に時間をかけて撮影をするという事をしていなくて、今回思い切って時間を作って撮影しました。
形の悪い物は炉に戻してハンダの量をましますが、変な形で可愛い物はマスコットとして横に飾っていますが、上質なハンダがどうしても必要な時は炉で溶かさないといけない時が来るでしょう。
最近出来た形でお気に入りが右前のウルトラマンだったかウルトラセブンに出て来たキングジョーみたいな形で、これは完全に意識せずに出来た形です。
昨日は大量のケーブルの漬け込みというか焼き入れがあったので、一から撮影する事にして、まずはこれまでハンダが少しづつ減って来た分をロールのハンダを炉に入れて付け加えました。
ロールから出さずにマスコットを溶かせば良いのですが、ロシアのウクライナ侵攻が長引いて、高度はハンダの入荷が少なくて、どうしてもこれを溶かさないといけなくなった時は彼らは名誉の戦死となり、自分達がプーチンに負けた事になります。
そんな事を考えていたら炉の温度は370度になり、表に浮かんで来た不純物を含んだハンダを左から右に表をすくって純度の高い部分を表に出します。
そして銅の細い線が全てエナメルで絶縁されたケーブルを炉に浸けて、エナメルを焼き切って音信号が通る様にします。
焼き入れが終わったケーブルは少し長めに焼いた金属部分を適切な長さにカットして、24金メッキの端子を純銀入りハンダを付けて製品化しています。
その作業の途中で表をすくった府従物が混じったハンダを集めて、純度の高い部分を抽出して炉に戻し、不純物が多い部分は廃棄します。
今回は10本以上漬け込んだので結構な量が出て、あっという間にマスコットが出来ました。
もう限界まで固まったので、手前に持って来て、次のマスコットが出来かけています。
そして先ほど出来たマスコットを左に並べたら、赤い昨日出来た分と似た物が青い矢印の部分にありました。
一番右はかなり段々が綺麗に出来ていて、一度に焼き入れする量が少なくて、2本焼き入れして何日かおいて、それからまた2本焼き入れしたらまた段が出来てと、綺麗な段が出来ます。
おそらくキングジョーもどきは4本焼き入れしてを何回か繰り返して、最後に8本・10本焼き入れしたらまとまった量が溶けだして来て、それでこの形になっているので、マスコットの形を見たら何日ぐらいかけてどういう工程で出来たかというのが見て分かります。
赤い矢印の塊は炉に戻すがどうかの境目ぐらいの形で、ドンドン作業が進んで追加のハンダが必要で、純度の高いハンダの値段が高かったり、入荷の見込みが無い時には溶かされるでしょう。
この炉の中のハンダも少しずつ銀の比率が上がりつつあるので、うなぎ屋さんや焼き鳥屋さんの、何年も継ぎ足した秘伝のタレみたいな物になって来ています。
おそらく手間がかかるこの方式はサウンドピュアディオでしか行っていないはずで、良い音というか本来の音楽に近い音を表現するための、避けては通れない重要な部分で、自分の仕事の中ではかなりキツイ作業で、焼き過ぎても焼きが足らなくても行けない部分で精神を集中していて、たまにマスコットでも眺めてほっこりしていないとつらくなる作業でもあります。
追伸
今日もケーブルの焼き入れの仕事が入ったので、昨日出来たハンダの塊を溶かして作業を行います。
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Posted at
2024/06/17 10:19:32