今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の作業からアルファロメオの159ワゴンです。
純正の2DINデッキの状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取り付けと、ベーシック防振の施工の、Wパッケージの作業を行いました。
まずはデッキの周りをマスキングして、一度手前に引き出して、裏から音信号を音信号を取り出して、グローブボックス下に送ります。
グローブボックス下にはピュアコンの標準の4ピース構成の物を取り付けて、ここで高音域と中低音域の二つの音域に分配して・・
フロントドアの16センチスピーカーと・・
ダッシュにスタンドを使って角度を付けたATX-25ツイーターに送ります。
外に出たスタンドが嫌だから純正位置に入れて欲しいというご要望もたまにありますが、純正位置は向きが上を向いてリスナーに届きにくいのでレベルを上げないといけなくて、更に周波数レンジも広げないと音がよく聴こえないので、結果的にひずみを増やす事になります。
2006年までは純正位置の取り付けをピュアコンの変更で対応していましたが、この取り付け位置の差があまりに大きく、ベーシックパッケージの良い所が表現出来ないために現在ではお受けしておりません。
次にドアの内張りを外して防振作業ですが、159がドアの外板側の強度が高い割には内側の鉄板が弱く、お客様も「ドアの中からボリュームを上げると何か響いている様な音が聞える。」と言われていたので、インナーパネルに防振する事にしました。
指で響きの大きいポイントを見つけて、合計8ヶ所防振メタルを貼って薄い鉄板に響きをピンポイントで抑えました。
一般的なブジルゴムにアルミを貼ったり、アスファルト系の物にアルミを貼った防振材と違い、防振メタルはかなり高い音域の響きを抑えます。
この防振メタルは複数の金属を重ね合わせて、共振点の違いを利用して少ない面積で高い効果を得るという物で、何度も重ね合わせの組み合わせを変えて実験して、高いコストにならない割りに効果の高いメタルが完成しました。
ただ某国立大学の研究室がこれと同じ組み合わせにたどり着いて、ピュアディオが発注している会社に同じ比率の注文があったそうで、心配して「○○大学と共同開発していますか?」という問い合わせがあって、あきらかにうちが先でもきちんとした理論で証明されて、先に特許を取られてはいけない!と急いで構造と「これだけ響きが減衰します。」というのをテレビで公開しました。
これで『未公開』ではなくなったので、他では特許申請出来なくなりました。
確かにイベント会場で防振メタルの構造にやたら見入っていた若者がいたので、それを研究室で再現したのでしょうか。
こちらは気合と根性で何度も組み合わせを変えて、貼って、聞いて、剥がしての繰り返しなので、細かく立証しろと言われてても大学の研究室のスピードには及ばないので、危うく先に特許でも取られていたらと、脇の甘さを反省しました。
全ての組み立てが終わって音が出る様になったら、グローブボックス下のピュアコンのユニットの組み合わせを変えて、アルファ159で最も生音に近くなる組み合わせを探しました。
たまたま他のアルファロメオは入庫していても159は入庫していなかったので、棚からパーツを取って来ては交換してを繰り返す探り出しが必要でした。
コイルだけでなくブラックボックスも何度も交換して、自分が実際にお会いした事があるアーティストさんのCDを何枚も交換しながら聴いて、「これ以上どうにもならない。」というピークポイントに達した所で足元を組み立てました。
最後に純正デッキのバス・トレブル・フェダーの調整を行って音を整えて、アルファ159は納車の準備に入りました。
初めての車だったのでセッティングだけで1日かかり、お客様が車で旅行に出られる前日に車は仕上がりました。
ベーシックパッケージとベーシック防振のWパッケージの装着で車は快適になり、とても楽しい旅行になったとお客様は言われていました。
Posted at 2016/09/29 11:34:27 |
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