先週の土曜日の新シリーズ第24話に続いて、今週は第25話をお届け致します。
本当はこの内容はかなり前から書こうと思っていて、自分が店頭にいると週に2・3回は同じ回答をお客様にしているので、今日その内容をお話したいと思います。
サウンドピュアディオと名乗り始めたのは今から21年前の2001年からで、その前はオーディオボックスと名乗っていて、スタートが1982年の10月10日からなので、今年でカーオーディオ専門店を宇部市に作ってから40周年となります。
サウンドピュアディオと名前を変えたのは、90年代の終わりにカーオーディオ業界は大きく変わって来て、80年代の終わりから90年代の中頃まではスタジオ的な素直な音が鳴る製品が若干ではありますが存在していて、2000年の前にはもう市販品で販売したい商品がほぼ消えて来て、このままではいけないとオリジナル商品の開発に着手していました。
ただ問題が出て来たのが商品に付けるブランド名で、オーディオボックスを特許庁に商標申請したところ、アメリカのオーディオヴォックスという会社がオーディオ製品で商標権を持っており、ブランド名でのオーディオボックスを商品に付ける事が出来ないという事が分かりました。
それで複数の名前を特許庁に申請して、ピュアディオとピュアーツの2つが受理されて、それでピュアディオをブランド名に付ける事にしました。
当時は既にオーディオボックスグループとして8店舗のグループ化しており、その中で『法人化している』・『綺麗なショールームがある』・『エアコン付きのピットがある』の3つの条件を満たせばピュアディオ店で、それが満たせない場合はオーディオボックスの店名で続けるという条件を付けて、将来的に3つの条件を満たす様にして全店ピュアディオ店というのが当初の目標でした。
ここからがお客様の質問で、「ピュアディオの音質はここ1・2年で極端に良くなっているのに、グループ店がそのままあれば多くの人が良い状態で音楽を聴けて良かったのに?」という問を週に何度も頂く様になりました。
サウンドピュアディオ2001年に誕生しながらも、当時はまだ電源キャパシタやロジウムメッキの端子を使うと音が良くなると言っていた時代で、2006年以降それまで音楽業界と関りが無かったのが、「このままでは頭打ちになる!」と、音楽スポンサー活動を始めて、音楽を作っておられる方に音を聴いて頂いたら、電源キャパシタやロジウムメッキの端子は、音に勢いを付けているが、本来の音楽の音とはズレているという事が分かって、キャパシタとロジウムメッキ製品を徐々に排除する事になりました。
そこからサウンドピュアディオはアーティストの意見を聞いて、より本当の音楽に近い音を目指して、1年に複数台新車を買って、実装実験を行って正当性を証明するという、スポンサーの費用と車両購入の費用がかかるという、グループの本店としては莫大な負担の元、音質の改善向かって行きました。
ただ業界的にはカーオーディオ専門店はお客さんと長く話して友達になり、それで高額商品を買ってもらうという商習慣があって、それを続けているとコスト増で良い音を目指すには対応出来ず、そういう商習慣から離れられないお店はグループを去ってもらう、もしくはその前に経営難になって店舗運営が続けられないという状態が続いて、現在はグループとしては解散した状態で、宇部店と福岡店の2店舗を往復して、全ての車両の音を自分が耳を通している状態です。
自分はお客様のお話する事が有っても、30分か1時間で必要な内容が納得して頂ける様に努力していて、これが放送だと5分か10分でリスナーにお店に行ってみたいと思える会話をしないといけないし、以前放送していた音解では会社のPRタイムはたったの2分で、2分で興味を持って来店して頂かないといけないというプレッシャーの中で、グループ内の3時間・4時間という長話はおそらく技術的な内容はちょっとで、後はほぼ世間話だったのでしょう。
ある店でベーシックのシングルパッケージで納車前に4時間話して、それでその後追加の受注が無ければ完全に採算割れなのが、時間はお金という感覚が無いので、そういう事がお客さんのブログに載ると、もうここのお店は4時間話してもらって当たり前になり、最後には完全に採算の合わないお店になってしまい閉店しないといけない結果になりました。
他には100万円のシステムを購入して頂いたからと、その後来店される度に長話していて、3年間で280時間話して、そのコストが利益が消えるどころか、売り上げを越えるコストが店舗のコストの時間割を越えてしまい、高い商品が売れたのに採算が合わなくなり、当社に対して購入した商品の支払いが出来ないなどのトラブルになって、結果的にグループ店は全て無くなったという事になっています。
また長話の怖さはコストだけでなく、自分の声を骨伝導で長時間聞く事により、耳が慣れてしまって、特定の音域を弱くして聞くクセが付いてしまい、最後には音造りがおかしくなって、自分では弱く聴こえる音域を強く出して、全体的にはバランスがわるくなり、どぎつい音を長時間かけて説得して、「この音が良い音なんです!」になって、最後には「本店の音よりも自分が作る音の方がいいんです!」になってしまいました。
これと似た様な事が、タイヤショップでインパクトレンチを使う人がオーディオの音調整を行うと、インパクトレンチの『ガガガ!』という周波数を音を弱く聞くクセが耳に付いて、その周波数を強く出してしまうという話があって、その人の声を骨伝導で聞く版です。
それでもお友達になってその音でいいという人もあれば、音楽に精通したからは「あの店でセッティングしてもらったけどおかしい様な気がして?」と私に連絡をして来られる方があって、「それでは助手席の足元のマットをめくって、ピュアコンの数字を写真に撮って送って下さい。」と言うと、しばらくしてピュアコンの数字が写っている写真が送られて来ました。
何とそこにはアウターバッフルの車にも関わらず、インナー取付用の数字が記されていて、アウターバッフルは音のヌケがいいので、ピュアコンはある程度抑えてバランスを取っているのが、そこにインナーでスピーカーの音がなかなか前に出て来ない時用の値を入れれば、必要以上に音がヌケて、しつこいというかくどい音になっていて、長話をしてお友達になっている人がそれが良い音という基準でしょうが、本来の音楽とは違う音で、どうにかして欲しいというご要望に例外として通販で適正であろうピュアコンを送って対応いたしました。
ただ話はそこで終わらず、お客様から送って来られたピュアコンはインナー用の周波数レンジの広い物が更に改造してレンジが広げてあって、これはもうサウンドピュアディオの音とは違う音しか出て来ません。
そんな事が続いてグループ店は相手からやめる、こちらからやめるで全て無くなった訳で、お客様から言われる「今の音が最高にいいから、この音を以前のグループ店でも販売出来る様にしておけば良かったのでは?」というご質問には、「グループ店が無くなって、2店舗で良い音を作る事だけに集中出来る様になったから、今の音が表現出来る様になったのです。」と答えたところ、「納得しました。」と皆さん言われます。
その中で2013年に行われた宇部市の渡辺翁記念会館でのサウンドピュアディオがスポンサーの五嶋龍さんのコンサートで、ピュアディオのお客様が前の方の席の真ん中の方に座って頂いて、PA無しの生音でバイオリンを聴いて頂いたのですが、良い音を作ろうと努力している会社のお客様という事で、五嶋龍さんが最後の方に体を傾けて、招待席の方に直接音でバイオリンの音を聴かせて頂いた事がありました。
その時の仕事の都合が付いて参加された方からは、「あの時の音が忘れられない。他のお店もこんな機会をお客さんに提供したら、もっと違う道があったのに。」と言われました。
自分もそう思います。
Posted at 2022/06/18 11:03:47 |
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