井川のブログではたまに文字だけの長文の時がありますが、この時は好き嫌いがはっきりして、面倒くさいから読まないという方に混じって、長文の時が好きというファンの方もありますので、嫌いな方にはパスして頂いて、好きな方のみお読み下さい。
と言っても最初は写真がありますが、今朝のNHKの朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の中で今日は印象的なシーンがあって、それを見終わった後にある恩師の方の言葉を思い出したので、ここに書き込みたいと思います。
この中で竜星涼さん演じる暢子の兄の賢秀は楽をして大儲けをする事ばかり考えていて、何度も借金を作って家族に迷惑をかけています。
暢子が勤めているレストランでシェフ代行を命じられて困っている所に賢秀が「とにかく謝るな!」と間違ったアドバイスをして、逆に調理場は雰囲気が悪くなって、オーナーからは「あなたにはシェフ代行は無理かも。」と言われる始末で、そこに寝坊して遅刻してしまい、完全に孤立してしまうという所で今日の放送は終わりました。
それから次の『あさイチ』に番組が変わると、冒頭で博多華丸さんが、「兄が何をしてもダメなのだから、その逆をすれば上手く行くのに。」と、ナイスなコメントをされていました。
そうなんですよ、失敗する人ほど自分に自信があり、その信念を曲げずに、そのくせ人の指導をして、人まで失敗させる人が世の中には一定数います。
逆に成功者は成功の秘訣をなかなか人には言わず、ごく限られた人にしか教えず、それが聞けるという事はかなり幸運で、その通りにすれば成功するという、今日のちむどんどんと反対の事を若い時に体験したので、その事を書き込んでみます。
自分が20代前半の時に住んでいた所の近くに、小さい会社の経営者ながらBMWの7シリーズに乗っている人がおられました。
散歩でその会社の前を通ったり、同じガソリンスタンドで給油していたので面識が出来て、少し言葉を交わすぐらいの中になっていました。
ある日7シリーズを洗車したかったのにスタンドがつかえていて、会社で社員に洗車させ様にも皆出払っていた所に、たまたま自分が通りかかって、「私が洗ってあげましょうか?」と買って出て、洗車して小遣い銭が欲しかった訳ではなくて、こんな高級車が触れる的なあこがれで、何の苦痛も無くて洗車を引き受けました。
洗車しながらその社長と話していて、「君は将来どんな車が欲しいんだね?」と聞かれて、「欲しいのはポルシェ928ですが、それは買えそうにないので、とりあえず924の中古車を買って、先々928の新車が欲しいです。」と答えました。
するとその社長は「928が欲しいのなら928の新車が買えるまで我慢しなさい。924の中古車でも買おうものなら、メンテナンス代がかかって結局928が遠のくだけだ。」と言われました。
そして「本当に928が乗りたいのなら、その方法を教えてあげようか?」と言われて、自分は「はい、知りたいです!教えて下さい!」と言いました。
そして話の前に、「まず君はなぜこんな大きなエアロパーツを車に付けているんだい?」と聞かれて、「一流のエアロパーツは値段が高い割に大きさが小さく目立たず、安いエアロの方が値段の割に大きくて目立つからです。」と答えると、「その考えがまずだめだから、今のエアロを取り外しなさい。それが出来るならこの先の話をしてあげよう。」と言われました。
なるほど、高いエアロパーツは車のデザインにマッチしているから出っ張りが少なくて値段が高い訳で、2流3流のエアロは広告などのイメージ戦略も行っておらず、ちょっと表面が滑らかさに欠けていても目立てばいいという貧乏根性で、その考えが高級車を遠ざけるという話は納得出来たので、その場ですぐに外せるパーツは外して、下の方の手間のかかる物は後で外しました。
その社長の話は要点は2つあって、「君は自営業をしているなら、損益分岐点は到着点か?」と聞かれたので、「はい、そうです。」と答えたら、「まずそこが間違っている!」と言われました。
店の家賃や光熱費が払えて、自分が生活出来るだけの給料が取れる売り上げが損益分岐点で、普通の個人事業主のほとんどがそこに達した事を到着点とする様で、その社長は「損益分岐点は出発点であって到着点では無い!」という考えを持っておられました。
話は「土地代や光熱費などがかかると、儲けの半分以上がそれに加えれて、損益分岐点に立った時にそれで安心するのではなくて、そこから頑張って1・5倍の売り上げになると、固定費のかからない売り上げはそれ以前の倍の利益、もしくはそれ以上になり、固定費の高い業種では1・3倍の売り上げて2倍の利益になるのに、ほとんどの人が目標売上て安心して、やっと生活出来る収入で満足していて、これに気付いて改善出来た物が成功出来る!」という目からうろこの話を聞かせて頂きました。
そのプラスの収入でポルシェ928が買えるという話ではなくて、「その収入を得たらそれを不動産投資に回しなさい。」という事を話されて、「その不動産投資の1回目の銀行への返済が終わったら、最初の不動産と新しく買う不動産を担保にするとかなり大きな不動産が買えて、その2つ目の不動産がきちんと運用出来る様になって、同業者の倍の収益を上げる努力をしたら私の様な生活が出来る。」と教えて下さいました。
その方は40年前に今の私ぐらいの年で、右も左も分からない若者に成功のノウハウを教えてもらって、でも井川家の『1日をどう有効に使うか』と『20年・30年先の利益を考える』という家訓の様なものがあったので、その話を受け入れる事は直ぐに出来ました。
その後に自分がその方に「自分が将来今洗車している様な車が買える様になっても、スタンドには洗車に出さずに自分で洗車します。」と言ったところ、その方は笑って「君がそういう立場になったら分かるよ。」言われて、確かにそこから35年ぐらい建ってBMWの7シリーズを持った時には、今年の春に4年乗って手放すまで一度も洗車した事はありませんでした。
それは、自分の1日や1時間の価値が上がったら、他に人にやらせてその分お金を稼いだ方が良いという事だったのしょうが、当時自分のい様な若造によくそんな大切な話を洗車の代償にしてもらったなと、その運命に驚いています。
また当時はなかなか仕事が無かったので、県外のこれからオープンするお店にカーオーディオの取付の指導に行っていて、その時に色々な業種をされているオーナーの方から、「井川君は将来どんな車に乗りたいと思っていますか?」と聞かれて、「本当に欲しいのはポルシェ928で、とりあえず何とか924の中古に乗れればいいと思っています。」と答えたところ、ここでも7シリーズに乗っておられた社長さんと同じ話を聞かせて頂いて、「これは間違いなく、成功の手順だ!」と確信しました。
ところがそのうちに不動産を増やす事に夢中になって、ポルシェ928が欲しいという気持ちはどこかに消えてしまい、さらにポルシェ928という車も無くなってしまい、「贅沢は敵!」という考えで、4ナンバーの普通車のバンに乗っていて、それで何の不満もなく過ごしていました。
そして1999年になった時に、あまりに4ナンバーのバンで貧乏くさい見た目だったのか、他のお店が「あそこの店は潰れるから行かない方がいい。」と嘘を流布されて、たまたまそれを耳にしたお客さんが2件続けてキャンセルになって、「これはいけない!ポルシェでも買うか!」となり、ノストラダムスの大予言でも1999年の7の月に地球が滅亡するという話だったので、お金を持って死んでも仕方ないと1999年の6月に水冷になったポルシェ911カレラを買い店の前に飾りました。
それで嘘を流布していた店がトーンダウンしたので、さらに半年後にベンツのSクラスを買ったら、もう潰れるなどという話の信憑性は無くなって、逆にそこから数年してそのお店は潰れてしまいました。
自分が贅沢は敵と思っていたのが、こういう物は国家でいう軍事費みたいなものなのかな?と思って、今のビジネススタイルが20年以上続いています。
自分が成功できたのは恩師の方のお話をきちんと聞いてそれを守ったからで、おそらく相手も心を開いて本当の事を話して頂いたのは、「この若者は聞く姿勢がいい。」と思われたからに他ならず、それをきちんと実行してくれそうに見えたからだと当時を振り返って思い出しました。
追伸
話の中に出て来たポルシェ928と924が分からない方が多いと思うので、今のポルシェのグレードで価格だけで言えば、928はパナメーラの中間グレードぐらいで、924はボクスターのベースグレードぐらいに当たると思われれば間違いないでしょう。
自分が水冷の911を買った時には、空冷の911にどこか928的な要素もデザインに入っていて、その後フロントエンジンのパナメーラが発売されて、これが928の後継的な存在と言われていて、パナメーラとパナメーラSを乗り継いだので、まあかなり遅くなりましたが928的な物が乗れたという感じでした。
Posted at 2022/06/22 11:36:39 |
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