手持ちのマキタ互換バッテリーを開けて見た。
まずは、14.4V-6.0Ah 3ドットの電池残量メーターがついているタイプ。
まず驚いたのが、安全装置であるサーマルプロテクターが電池間ではなく電池と基板の間に差し込まれていたこと。これでは電池の過熱を受け止められず、サーマルプロテクターの役割を充分果たせない可能性がある。純正は8つの電池の中心に差し込まれている。
そこで写真のように自分で差し込み直しておいた。ちゃんとそうできる長さの配線がついているのに差し込まれていないのは、組み立て現場の問題かもしれない。
温度センサーは基板から直接電池の1つに接触するように出来ていた。純正はリード線で電池に貼り付けられている。
なお、純正では充電器による強制空冷システムになっていて、空気の通路がバッテリーセル上下にあるが、この互換バッテリーでは明確な通路が確保されていないように見える。
リチウムイオンバッテリーは
HH INR18650 B0 3.6V
とあり、ググッても情報が無かった。
標榜通りなら製造時3000mAh以上の容量があるはずだが、それも分からない。
電圧監視は4ペア全体で見るタイプ。純正も同じでセルの容量を使い切れないタイプ。
一応問題なく使えているが、やや危なっかしさがある。
次は、20.0V-6.0Ah 4ドットの電池残量メーターがついているタイプ。
空気通路確保は14.4Vのものよりはマシだが、綺麗に流れるようには見えない。
こちらはサーマルプロテクターが電池の間に差し込まれていた。
バッテリーは厚紙に包まれているタイプで不明。これも 3000mAh以上であるはずだが。
電圧監視は6ペア全体。純正は1ペアごとの監視なので、互換品はセルを充分使い切れない。
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最近のマキタはバッテリー電圧が40Vの、互換性のない新シリーズを出しているが、これは公称3.6V(3.7V)セルを10個直列にしたもので、これまで通りなら36Vとしていたはずのものだ。
各セルは満充電4.2Vなので、それを40Vと言っているのである。
14.4Vバッテリーでは16.8V、18Vバッテリーでは20Vと言わなかったのに、ここで言うようになったのは、営業方針の転換なのだろう。
中国、台湾メーカーなどが満充電電圧に近い表示を行っているのに倣ったわけでもないのだろうが、数字を大きく示すことで優位性のアピールを狙ったとしか思えない。
電動工具に限らず日本のメーカーはこれまでバッテリー電圧表示は公称をもとにしてきたが、それを破ったことにもなる。
電圧も容量も実際より控えめに表示してきたマキタらしくない。バッテリーで利益を出す方向に舵を切った流れでの転換と言うことなのか。
日立工機~Hikokiは18V×2構成のマルチボルトバッテリーシステムでこれまでとの互換性を重視した新シリーズ展開をしている。そのため、新システムは36V表記だ。
知らない人が見れば、マキタより劣っているように見えてしまう。互換性という都合がなかった場合、Hikokiが40Vとかという表記をしなかったかと言えば、それは分からないが。
Posted at 2020/01/27 04:49:21 | |
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