少し重いことをはじめると、車いじりには電動インパクトレンチは欠かせない。
最初に買ったのは、AC100V 機のマキタ 6905H。モノタロウで購入した。294Nm。
当時オルタネーターのプーリーを取り外そうと格闘していたのだけれど、これを使えば一瞬で取り外せる。電動工具の威力を思い知った。
その後、充電式電動工具のジャンク修理をはじめ、TW152D(14.4V 165Nm) ,TW251D(18V 220Nm)を直して使ったが、ホイール脱着には力不足だった。
もう少しパワーのあるものをと見ていたが、充電式では当時余りよいものがなく、HiKOKI WR36DA(36V 1100Nm)を購入してしまった。これが重く(3.7kg)大きい上に四角ドライブが19mmで、自動車整備には過剰に思える。下手すればボルトをちぎりかねない。
もう少し手軽に使えるものとしてジャンクを直したのがマキタ TW450D(18V 380Nm)。パワー的には十分だが、重い(3.4kg)上に古めの機種なのでブレーキすら付いていない。今どきの機種だとオートストップとか付いているがそんなものは一切無い(うちのは後期型なので、コマを仮止めするCリングが付いているが)。暫くこのクラスの充電インパクトレンチに適切なものがなかった。
YouTubeでトルクが大きいと話題になっていた中国製マキタバッテリー互換インパクトレンチ(18V 240Nm程度?)はそこそこパワーがあり安価だったが、やはりホイール脱着には物足りない。
HiKOKI WR18DBDL2(18V 280Nm)をジャンク再生で使い始めたが、やはりTW450Dのようなパワフルさはないので物足りない。
HiKOKI WR36DD(36V 630Nm)という機種が出たが、これは630Nmあるもののハイパワーに耐えるためか四角ドライブ19mmなので使いにくい。
いろいろ見て行くと、割と最近発売になったマキタ TW700D(18V 600Nm)が自動車整備関係では評判がいいようだ。
四角ドライブ12.7mmで質量2.7kgであり、やや重いもののTW450Dより軽くコンパクトで、自動車整備のニーズには合っている。TW450Dからだけでなく、工場でエアインパクトから乗り換える例もあるようだ。
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自動車整備だと300Nmまでの機種ではすこし物足りなさがあるが、ここを越えると余裕が出てくる印象だ。
マキタは40V maxシリーズを出してよりハイパワー化を目指しているが、バッテリー互換性のないシリーズに手を出しにくい。TW700Dはこれまでの18Vバッテリーの機種なのでそこも都合がいいのだ。
HiKOKIは36Vと18Vでバッテリーを共用できる仕組みを持っているので、対応のマルチボルトバッテリーのおかげで36Vシリーズも導入しやすい。すでに36Vを導入済みなのだが今回は適する機種がないのが残念だ。
インパクトレンチに余裕が欲しいのは、ギリギリだと長時間叩き続けるためにボルトやナットと工具が熱を持つし、ボルトやナットの痛みもそれだけ大きくなってしまうからだ。工具の負担も大きくなる。少ない打撃で確実に緩めた方がよいようだ。
追記:
最近出たHiKOKIのインパクトドライバWH12DCは、驚異的だ。
何と、10.8Vで170Nmのトルクがある。
WH36DC等の上位機種と共通の部品を使い質が高く、軽い10.8Vバッテリーで非常に取り回しがよい。
上位機種と中身が近いため、これまでの10.8Vモデルが低価格であったのに対して、このモデルは18V,36Vの上位機種と価格差も少ない。
パワーがあり、軽く取り回しがよい点を考慮すれば、職人さんの選択肢に充分なり得るようだ。もっとも、これまで18Vで揃えてきた場合、バッテリーと充電器も新たに購入する必要があるので、悩むところかも知れない。
インパクトドライバはDIYでは木工が主だと思うが、我々のようなDIYの人たちは毎日長時間使うわけではないので、軽さをそれほど重視する必要はないかも知れない。入門には少し前の中古の18V機 でも買えば、かなり満足できる。
追記:
マキタの40Vmax(36V)って売れているのだろうか。バッテリー互換性がないので移行はそれなりの理由がないとできない。今のところ18V6Ahに対して36V2.5Ahで、容量的に不利になっている。
メインの商品であるインパクトドライバーは18Vでも十分すぎるトルクがあるので、その上は必要ない。
インパクトレンチは重機や橋梁などの用途では36Vを活かした高トルクの用途があるが、18Vでも800Nmが実現できている。WR36DCは36V機でありながら18Vで動いている。トルクで問題になるのはモーター電圧よりギアやハンマーの強度なので、18Vで十分と言える。36Vを必要とするのは800Nmを超える一部のニーズのみだ。
丸ノコやディスクグラインダーは36Vを活かせるようだ。
なかなか移行が進まないので、ブロワにそういう例があるが、製品によってはあえて40Vmaxでしか出さない戦略も採っているようだ。が、よほど魅力的なものでないとうまく行かないだろうし、安価な互換機が18Vで出てくると戦略が瓦解する。
HiKOKIが互換性を持たせてスムーズな移行を図っているのに対し、マキタは全ての買い換えを突きつけている。さらにバッテリーセルの公称値ではなく満充電時の電圧をシリーズ名に使うという廉価工具メーカーみたいなことをやっている。
どうもマキタらしくない。
結局18V機をメインに据えざるを得ないのかも知れない。
Posted at 2022/12/30 18:18:35 | |
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