地元幕張ベイタウンの音楽ホールにあるイタリアのピアノFAZIOLIは、日本の公共ホールにあるFAZIOLIとしてはおそらく最古のフルコンサートグランドである。
(栗東市のSAKIRAにある個体の方が導入は先だが、個体の製作年はこちらの方が古いらしい)
1980年代創立のFAZIOLIとしては比較的初期に製作し、よい状態で維持されている貴重な個体でもある。
私はこのピアノの導入から管理までに関わっているが、昨日今日はその保守点検を行った。
保守点検の依頼先はファッツィオリ ジャパン。世界的調律師で、ファッツィオリ本社社長の信認が厚く、国際ショパンコンクールなど国際コンクールの調律も行っている越智晃氏に担当して頂いている。
我々の個体の状態について、いい状態だとのことだったが、特に越智氏が強調していたのは
「音の伸びが驚異的だ」
と言うことだった。
新しいピアノであれば音の伸びは限られるが、良い意味でエージングを重ねたピアノの響板は、長く音を響かせるという。それが我々の個体についてはそれが驚異的で、以前より更に伸びるようになっているとのことだった。
地元の我々はロングトーンを使うようなことがあまりないので意識したことがなかったが、今日指摘されて、なるほどと思った。
本社の社長でピアノメーカーとしてのFAZIOLIを立ち上げたパオロ・ファッツィオリ氏は2011年に地元ホールを訪れ、初期に製作した楽器がよい状態で残っていることに感激されていたが、更に時間を経て成長した楽器に再度対面されたらどう仰有るだろうか。
地元ではプロ演奏家を招いてのコンサートを企画する機会が無くなってしまったが、本当はこのすばらしいピアノを多くの演奏家に弾いていただき演奏を多くの人に楽しんでいただきたいと思っている。
Posted at 2019/10/30 20:04:18 | |
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