歴代ソニーデザインを集めた『MAKING MODERN』銀座で開幕。若者の目にも新鮮
http://japanese.engadget.com/2015/04/28/making-modern/
1970年代からのソニーデザインをあつめた展示が銀座ソニービルで行われている。
言うまでもなく、ウォークマンは音楽と人のつきあい方を大きく変えたきわめてエポックメイキングな製品だった。
ウォークマンに限らず、単なる形状デザインのみならず、独自の技術と共にあらたな使われ方を提案するソニーデザインはやはりクールだった。
このSONYのMSX規格製品 HitBit HB-101は家庭用ホビーパソコン(今やこのジャンルは滅びたが)で、キャリングハンドルを持ちジョイスティックを装備した、現代のタイプライターと主張をするような、美しくも実用的で洗練されたひと味違う製品だった。
中身は統一規格であるからデザインで主張するしかないとは言え、肥えた大人の目線に耐えるデザインをしっかりとやった製品はこれだけだった。
ただ、こうしたデザインを継続せず、一過性で終わったのは何だったのだろう。この筐体でMSX2規格製品を出していれば自分も買っていたかも知れないが、デザインだけで機能の劣るMSX規格製品を買うはずもなく。
タイプライターと違いテレビをモニターとするために自由度の高いモバイルマシンではなく、上位のMSX2規格とて実用ソフトウエアは少なく現実はファミコンに劣るゲーム機として使われることが多かった故に、このデザインは現実の使われ方やユーザーとマッチするものではなかったかも知れない。
機能と外見を両立して脚光を浴びることが多いソニー製品らしからぬ歯がゆさみたいなものを感じていた。
工業デザインとして頑張った製品の中身が時代遅れと言うことはありがちで、いすゞ ピアッツァはその典型でもあった。時間をかけてデザインを頑張るとタイミングが遅れるし、既存のものの外見だけをやり直し、外見を付加価値として製品化することが多いからだ。
しかし、見た目と機能、使いやすさを高い次元で共存させることこそが優れたデザインである。
ライフサイクルが短い近年の製品に全てを求めるのは酷だろうとも思うが、Appleはそれをやり続けているが故に高い支持を受けている。
振り返ってみれば、やはりウォークマンはいかに画期的だったかを思わずにいられない。カセットテープという既に枯れていて大きな変化のない規格であったことが支えになっていたことは間違いないだろうが、新ジャンルを開拓し、優れた外見を持ちながらも小型化・高機能化で常に最前線を走り続けた。
媒体規格そのものに深く関わっていたCD,MDまでは一定の地位を保ったが、新興メーカーでも簡単に参入でき利便性の高いソリッドステート音楽プレイヤーでは大きく出遅れた。さらに大人の事情で利用可能フォーマットが限られ、転送にも手間がかかる、実用面を配慮できていない使いにくい製品を出し、テープ時代のウォークマンの見る影もなかった。肥大化しすぎたソニーの没落具合を表す出来事の一つであったのかも知れない。
2代目ウォークマンは驚きの小ささとクールな外見で大ヒットとなった。
一度も所有したことはないが、今見てもかっこいい。
Posted at 2015/04/29 09:43:15 | |
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