最近、量子論が妙に気になる。
量子論と言えば我々が感覚的に理解出来、数式で未来を示すことができるニュートン力学とは異なる、確率でしか表すことができない非常に小さな粒子の世界を支配する法則のことだ。
この世界では我々の感覚では理解しがたい不思議なことが起こる。
有名なのは「二重スリット実験」。
この動画だけでは分かりにくいかも知れないが、観測しない状態では光の粒子(光子)は波としての挙動をするが、観測する事によって粒子として振る舞う。観測をやめると再び波として振る舞う。
光子に限らず粒子の挙動は波動関数で表すことができる確率でのみ表すことができる「重ね合わせ」の状態になっている。たとえば電子は原子核の周りに存在するが、電子は月のように軌道を持っているのではなく、原子核の周囲のある程度の範囲に同時に存在している。しかしそれを観測する事によってその場所が定まるというのだ。
観測をすることが状態に影響を与える。これは一体どう言うことなのだろう。
観測によって状態が決まるが、この観測によって過去すらも書き換わってしまうことが実験によって分かっている。
重ね合わせについての有名な思考実験が「シュレーディンガーの猫」だ。
https://www.ted.com/talks/chad_orzel_schrodinger_s_cat_a_thought_experiment_in_quantum_mechanics
↑シュレーディンガーの猫と二重スリット実験、重ね合わせについて軽く説明している。
箱の中に猫とその命を左右する装置が入っており、その装置は量子の振る舞いによって動作が決まる。そのため猫が生きているか死んでいるかが50%の確率になっている。量子の振る舞いがどちらの状態であるかは観測によって収束する重ね合わせの状態であるので、その結果である猫の生死も重ね合わせの状態にあり、箱を開けて観察(観測)したときに決まるというものだ。極めて小さな量子の世界で起きることが猫のサイズでも起きうるかもしれないという思考実験である。もっとも、そんなことがあるはずがない、観測する前から猫は死んでいるか生きているか決まっているのだからパラドックスだというのだが。
これは収束するのではなく世界が分岐する多世界解釈へとつながっている。
オカルトめいた話ではあるが、量子の状態が重ね合わせになっていて観測によって収束することは多くの実験によって確かめられている。
2つの量子は「量子もつれ」の状態にする事ができ、この二つの量子はコインの裏と表のような関係になっていて、片方が表ならもう片方は裏となる関係になっている。その状態は観測によって決まる。
↑量子もつれの説明のために基本から軽く説明している。
このもつれ状態の量子を遠く離れた場所に置き、片側の粒子の状態を観測すると表か裏かが決まるが、観測をした瞬間に遠く離れた量子の状態も決まる。この宇宙で最も速いものは光であるが、光速を越えて量子の状態が決定するのである。
量子の挙動は極めて不可思議であるが、実際に存在するために工学分野では既に応用されてきている。材料の分野だけでなく、半導体にも利用されており、トンネル電界効果トランジスタなどがある。
量子の挙動を高度な情報処理に利用しているのが量子コンピュータである。
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量子の挙動を考えていくと、この宇宙が3次元どころか11次元の広がりを持っていると考えられるようになっている。
最近では自分の中で宇宙の構造が何となく腑に落ち始めている。
下手に粒子論の解説を見てしまうとイメージが狂ってしまうが、少年時代に量子の世界に触れて以来、この宇宙は見えている世界とは異なる法則によって成り立ち広がっている世界だというイメージが感覚として理解出来るものになりつつある感じがある。
私は、我々の脳は単純に神経回路であるだけではなく、進化の過程で別のしくみを利用した情報処理や情報記憶・再生を行うことができるようになっているのではないかと、経験的・感覚的理由から漠然と考えてきた。
事実としての量子もつれという現象がある以上、そしてそれはどうも我々のスケールの物理現象にも関わっているらしいことを考えると、ないことではないかも知れない。その証拠と言えるかどうかは不明だが、健康な人の判断はロジック的な判断よりも量子論に基づいたものに一致性が高いということも知られている。
どうも3次元を越えた世界のイメージで捉えると、これまでオカルトの如く扱われていたことも現実のこととして捉えられる可能性すらある。
追加
シュレーディンガーの猫(NHK「アインシュタインロマン」から)
量子論
猫と月とサイコロ
Posted at 2022/03/21 11:03:16 | |
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