富士山など火山がひとたび噴火すれば、以後風下には火山灰が降り続ける。噴火が終わっても風によって吹き上げられて風下に降り続く。
火山灰は溶けて無くならないので雪より遙かに厄介な存在だ。数センチふり積もっただけでも影響は大きく、人体への影響の他、交通機関は深刻な影響を受けるだろう。その他の影響も深刻であろう。
火山灰の影響を分かりやすくまとめているページがあったので引用してみることにする。
噴火.com
噴火が起きるとどうなるの(4)
火山灰の人体への影響
見た目は雪のようにきれいに見えることもありますが、この火山灰は人体に様々な健康被害をもたらします。
結膜炎・角膜剥離
火山灰対策で装備する男の子
火山灰は鋭くとがっているので、目に入ると非常に痛く、こすると結膜炎や角膜剥離を起こします。
呼吸器系への悪影響
火山灰を吸い込むと気管や肺が傷つけられ、幼児や高齢者の方は呼吸器系の病気になる可能性があります。もともとぜんそくなど持病がある方も注意が必要です。実際に噴火のあった周辺地域で喘息の患者が増えたり、呼吸困難を感じる人が増加したという記録があります。(雲仙普賢岳や伊豆大島等)
皮膚への影響
火山灰が肌に付くとベタベタします。髪の毛に付着した火山灰も取るのが大変です。火山灰に火山ガスが付着している場合には皮膚炎を起こすことがあり、皮膚の弱い方は肌を露出させない等の注意が必要です。
火山灰の日常生活への影響
火山灰は人体への悪影響の他、日常生活に様々な支障をもたらします。
家屋への被害
ピナツボ火山での降灰火山灰が屋根に積もると家屋を潰すことがあります。火山灰が積もっているところに雨が降ると、火山灰が水を含んでさらに重くなります。フィリピンのピナツボ火山では、火口から40キロメートル離れた地点まで10センチ以上の灰が屋根に積もり、さらに台風が来たため、雨水を含んで重くなった火山灰が多くの家屋を潰し、たくさんの犠牲者を出しました。噴火の後は上昇気流が発生しやすいため、台風が来なくても雨が降りやすいと言われています。
農作物の被害
農作物への被害灰が大量に降ることで農作物が大きな被害を受けます。農作物に灰が付着することで商品価値が下がってしまい、洗って火山灰を落としたとしても膨大な作業量になることが考えられます。また、火山灰の成分が酸性が強い場合、農作物が枯れてしまいます。また、日光遮断により光合成ができなくなります。その結果、農作物の価格高騰をもたらすと予測されます。
電子機器やコンピュータの被害
火山灰が電子機器やコンピュータの吸気口から吸い込まれると、静電気によって内部に付着します。その結果、誤作動や故障を招きます。実際の例では、降灰の多い桜島で公衆電話が故障したり、JRの分岐器(ポイント)が正しく作動せず電車の運転ができなくなりました。それ以外にもデジタルカメラ・携帯電話・ガス湯沸かし器・エアコン・自動販売機等、外気にさらされるコンピュータ系は故障する可能性が高いと言えます。
飛行機の運行停止
国際的な取り決めで、微量な降灰であったとしても飛行してはいけないことになっています。
理由としては、火山灰がエンジンに吸い込まれると、エンジンの燃焼室が非常に高温なため火山灰が融けて排出口を塞いでしまうからです。過去にインドネシア上空で飛行中にエンジンが止まり墜落寸前になったことがあります。飛行場の滑走路に降灰があっても飛行不可になります。除灰作業は人海戦術なので時間がかかり、長期的に旅客と物流に大きな被害をもたらします。
電車・新幹線の運行停止
微量の降灰でも電車や新幹線の運行が停止する可能性があります。レールに灰が積もるとスリップしやすいほか、視界不良で運転手が信号が目視できないなど、安全が確保できない状況では運行ができません。それ以外にも、レールに灰が積もると電力供給が止まったり、信号システムや電車の位置把握のための電子機器系統が故障してしまうことが考えられます。
車への影響
道路降灰があると、前の車が灰を巻き上げて視界不良になるほか、非常にスリップしやすくなります。雨が降った場合は少し濡れるだけでも泥流のように空転するのでスリップ事故を起こす例が多くあります。高速道路では一般車両は通行止めになる可能性が高いでしょう。一般道路も渋滞や速度制限になる可能性があります。火山灰は水に溶けないため、除雪作業車を使用することができず人海戦術で除去するしかないため、復旧に時間を要します。この結果、長期的に物流に大きな影響を与えると考えられます。
車両自体にも被害をもたらします。火山灰がエンジンフィルターを詰まらせたり、ワイパーを使うとフロントガラスが傷ついてしまいます。オイル・オイルフィルター・エアフィルターは頻繁に交換する必要があります。避難の途中に車が故障して立ち往生になる可能性もあります。桜島には火山灰仕様の車も販売されているほどです。
上下水道
火山灰で排水溝が詰まる火山灰で上水道が汚染される可能性があります。桜島では貯水池にフッ素を含有する火山灰が流入したため浄水場が停止するということがありました。取水方法が湧水、地下水汲上揚水、河川取水のいずれかによって状況は異なりますが、火山灰の混入だけではなく、火山周辺の地下水脈の変動が原因となって上水道に影響が出るかもしれません。そもそも噴火災害によって電気がストップしたら上水機能が停止し、水道が使えなくなります。
さらに下水道が使用不能になる恐れもあります。火山灰の見た目は雪のようですが、水に溶けてくれず、むしろ固まってしまうので排水溝が詰まってしまうのです。一般市民の理解が足りないと、火山灰の除去に大量の水を使い、広範囲で排水溝が詰まってしまうかもしれません。
電気
火山灰が原因で停電することもあります。送電線の碍子に濡れた火山灰が付着すると絶縁不良で停電してしまいます。過去に桜島でも停電した例があります。火山灰だけではなく、噴火による土石流などで停電することもあります。人為的に計画停電が必要になる場合もあります。
小売店への影響
生活必需品を提供するスーパー・コンビニ等の小売店が降灰の影響によって営業できなくなる可能性があります。一つは交通・物流機能が麻痺して、商品の生産や流通が難しくなり、商品不足になるという問題があります。東日本大震災時にも食品棚から商品がほとんどなくなる事態がありました。もう一つは食品や商品を保持するための冷蔵庫・空調等など外気吸入する機械が壊れて販売できなくなるという問題があります。
医療活動への影響
交通機関が麻痺すると、医療機関も医薬品や食料が不足します。また救急車・ヘリコプター等で患者輸送も降灰がひどい地域では難しくなるでしょう。
国際情勢への影響
意外にも噴火の災害が国際情勢にも影響します。例えば富士山が噴火した場合、厚木基地の在日米軍にも被害が及びます。過去の例ではフィリピンのピナツボ噴火の際、米軍のクラーク空軍基地が被害によって使えなくなり、米軍はフィリピン全土から撤退しました。その結果極東の軍事地図が描きかえられたと言われています。日本は核ミサイル保有国の北朝鮮・中国・ロシアの隣に位置しているので、米軍撤退による国防の危機も想定されます。
Posted at 2014/02/16 22:50:08 | |
トラックバック(0) |
ひとりごと | 日記