難しいテーマです。
人によって高級感の感じ方は違うし、高級感も一つ間違えばいやらしく感じられます。
クルマの高級感って何でしょう。
旧来の日本車的高級感は、メッキパーツ、メッキモール、木目パネルで演出されます。ところがメッキがなくても高級感は感じるわけです。厚みを感じるアールの豊かな形、ドアを閉じた際の音、革やアルカンターラ(=エクセーヌ:東レの高級人工バックスキン)内装、スイッチやパネル類など可動部分の音・動作速度・重み等々。
人間は五感を使って周囲の情報を受容しますから、その五感に訴える演出が重要です。特にこの場合視覚・触覚でしょうね。その演出も過剰であれば逆効果です。
先日の横オフで、SVXには高級感があると言われました。自分自身も、ピアッツァにはない演出が、見事になされていることを感じます。そんな点を幾つか挙げてみることにします。
幅広なボディ・厚みがあり豊かな曲線を描くボディデザインが、まず5ナンバーボディではなしえない余裕を感じさせます。ドア自体にも厚みがあり、鉛で多少デッドニングされているためもあって、閉めた際も重厚な音がします。
エンジンは静か。理想の配置という水平対向6気筒のスムーズさ。そしてあふれるパワー。高速道路上でもわずかなアクセル操作で加速し、回せば決してがさつにならずDOHC独特の「クーン」という音で応える。
内装はアルカンターラの品の良さと明るい色遣い。室内灯類も必要充分にして、品よくまとめられている。
ただ一つ、木目調パネルの見た目と触感はこのクラスとしては質感が今ひとつ。
オーディオは純正でも充分によい音が楽しめる。ヘッドユニットを入れ替えさえすればさらに豊かに。
今は電波式が当たり前のキーレスエントリーは赤外線式で、開けられる場所が制限されるものの、あるのは便利。キー差し込み口照明も、今となっては当たり前の装備ですが。
ピアッツァも登場当時は高級車ですが、まだそうした演出技術が充分でなかったのでしょう。材料も非天然素材はまだまだ耐久性や質感が充分でなかったのかも知れません。内装材に高級感があったり、品よくまとめられた内装であったり、斬新なサテライトスイッチをもっていても、今の目で見れば演出が今ひとつです。後期型は丈夫な内装になっていますが、質感は犠牲になっています。本革仕様の最終のロータス リミテッドであっても、基本が1981年であり、基本を大きく変えることがなかったために、新しい時代のライバルに対抗するのは難しかったことでしょう。
ピアッツァに今の目でも充分な高級感を与えるのは大変難しいかも知れません。
外装についてはあまりいじれませんから、塗色で勝負するぐらいでしょうか。ウッドベルのサイドステップも後付け感があり前後のつながりが今一つですから、難しいものがあります。トータルに質感をあげるには、むしろへたにいじらない方がよいかも知れません。
内装は、余地がありそうです。古びた内装材は要リフレッシュですが、ロータスあたりの暗い内装は思い切って明るくしてしまってもいいでしょう。アルカンターラや本革、できのよい人工皮革など質感の高い材料を使えば、ある程度の演出も可能でしょう。
好みの問題ではありますが、ウッドパネルを導入すればさらにイメージを変えることも可能です。
マップランプは、プラスチック感が強い上、光量が不足しています。なにかもう少し明るいものに交換したいところです。
サテライトまわりは、ピアッツァの特徴故、あまりいじりたくないです。
サイドブレーキまわりはプラスチック感が強い上に小物入れ等もなく使い勝手も今一つなので、なにかアームレストになるものを用意してもよいでしょう。
今どきのオモチャじみたオーディオはマッチングが悪すぎます。ナビ類を入れるなら2DIN一体型か1DINインダッシュタイプでしょうか。モニターをそれ以外の場所につけると後付け感が強くなり、今一つです。
スピーカーについては、純正はもはやぼろぼろで使い物になりませんから12cmの適当なものに交換した上、ツイーターをドアかダッシュボードあたりきれいに増設すれば、満足感のある音になるかも知れません。ただ、それでも純正のボックスを使う限り低音は不足するので、どうしても気にする向きはスーパーウーファーをトランクにでもつけるしかありません。
フロアマットも毛足が長く密度の高いものに換えると、イメージが変わってきます。
これだけやれば、室内の満足感は上がりそうです。
NOISYなエンジンもボンネットに遮音シートを取り付ければ、それなりにエンジン音は抑えられるはずです。以前ブルーバードに乗っていた時、ターボ車から外してきた純正ボンネット裏インシュレータを取り付けたところ、かなり効果がありましたから。
エンジン自体の音量・音質は、設計時にあまり考慮されていないので、やむを得ないでしょうか。うちの4ZC1-Tは各気筒のピストンやクランクシャフトの重量差をゼロにしたフルバランス仕様ですが、それでも振動が大きく、エンジンのキャラクターと認めざるを得ません。
すこしずつ手を入れていけば、全体の質感をあげることはできるでしょう。
自分自身もなるべく頑張ってみます。
Posted at 2009/04/27 21:05:16 | |
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デザイン | クルマ