ネットで発言する一部の医者だけでなく、何人もの感染症専門とする医師免許を持つ人間が、PCR検査について全く理解しないまま、一般的な検査に適応する考え方をそのまま適応し、PCR検査をすればするほど「感染していないのに陽性者が多く出たり感染していないのに陰性者が多く出たりする」「検査を求める人々が医療機関に押し寄せパニックになる」ので、「検査を抑制し、医師が必要と認めた時に限定すべき」と言っていた。
多くの普通の検査ではあまり感度が高くなく、どうしても偽陽性、偽陰性の問題が生じる。そこで、特に体を傷つけるような侵襲性の高い検査はなるべく行わないように医師は大学時代に学んでいるはずだ。同時に医療資源を浪費しないためにも必要不可欠と考えられない検査は行わない方向になっている。
たとえば、インフルエンザ流行期にはほとんどインフルエンザを特定するための迅速検査キットも使わない。流行期には症状だけで判断できるし、多くの患者をさばくためにはそうせざるを得なくもある。
同じ考え方で、まだ流行していない時期にお金と手間をかけて多くの人に検査をしても無駄撃ちになるだけでなく、偽陰性や擬陽性が生じて実態と異なる検査結果になるから無駄だ、抑制しろと言うことになるのだ。
しかし、COVID-19の場合は不顕性感染者が多くいる。これはかなり早くから明らかになっていたし、獣畜分野でのコロナウイルス感染症研究での知見が多くあったので明らかな問題でもあった。
症状が現れないのであるから、医師の判断など得る機会がない。多くの感染者が素通りとなり、市中感染を広げていく。
これでは国単位の防疫には全くならない。水際での対処のみならず、市中で見つかるようなら徹底的に検査をしてウイルスを除去する必要がある。
そのために各国では徹底したPCR検査によって感染者を早期に見つけ、隔離する方法をとっている。
PCRについて検査は他の多くの検査と違い、そのしくみ上きわめて感度が高く、偽陰性が殆ど生じない(生じるのはほぼ検体の取り方に問題があった場合のみと言える)。偽陽性も検査手順の間違い等でしか起こらない。広範に検査を行うにはうってつけと言えるのだ。
それにも関わらず、それを理解していないままに感染症に関わる医師やSNSで声の大きな医師たちが判を押したようにPCR抑制論を唱え、検査態勢、隔離体制、医療体制を拡充しようとしない政府に迎合する形となり、結果として東アジア・オセアニア地区で最悪の感染者を出すに至ったのだ。
同じように多くの感染者を出しているのは医療体制の悪い東南アジアのフィリピンやマレーシアであって、それらを比される状況が医療先進国を自認する日本なのだ。
PCR法は生物学方面では非常にポピュラーなDNA研究のためのDNA増幅法で、多くの物質検出型の検査や画像診断とは異なる出自である。これをウイルスの遺伝子検出に応用したのがPCR検査なのだ。
医師の世界ではマーカー物質検出による検査、顕微鏡下の目視検査、CTやMRIなどの画像診断が普通なので、PCR検査は異質であるものの、異質であることが十分理解されないまま使われてきたものである。
理解が及ばない事情はあるものの、【医師の権威主義】【医師のプライド】でPCR検査抑制論を未だ主張し続け、世界で唯一と言っていいPCR検査を否定する異常な先進国となってしまった。しかも、PCR検査を拡充しようとしてこなかったにもかかわらず政府関係者はしっかり頻回PCRを行い、厚労省にコネがあるものは未承認のアビガンを予防に使っているという証言すらある(児玉龍彦氏による)。
もっと言えば、大統領が国民に祈りを求め、PCRをインチキとして禁止しているタンザニアに近いとすら言える。
PCRについて、詳しい方が比較的分かりやすく書いているツイッターのスレッドは以下にあるので参考にされたし。
https://twitter.com/Derive_ip/status/1286297788586713089?s=20
Posted at 2021/02/03 07:50:14 | |
トラックバック(0) |
政治・行政・マスコミ | 日記