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Yuh_Fazioliのブログ一覧

2011年06月25日 イイね!

低線量放射線被曝をめぐる混乱=医療と保健物理

 放射線について当初100mSv/年未満は安全と言った間違った言説(安全であるというのと、他のリスクと同程度というのは意味が異なる)が大手メディアで流されていたが、最近になってようやくICRPの勧告である1mSv/年が一つの基準であり日本もそれに則って法令整備されてきたことが浸透してきた感がある。1mSv/年という基準が広く知られるようになってきたが、「放射線を取り扱う施設が、周囲に与える影響を最小限にとどめるため、周囲に放出することが許される上限」という基準であるにもかかわらず、その意味するところは浸透しないまま「安全の絶対基準」であるかのような誤解を元にやり取りがなされているのも見る。

 そうした低線量放射線被曝については、いくつかの疫学調査の評価の仕方、異なる方向性の実験方法とその結果に基づく立場などがあり、それぞれ異なる主張がなされてきた。それが混乱の原因にもなっている。

 そうした混乱の一つが「医療と保険物理の立場の違い」であるというまとめがなされていた。興味深いので引用したい。
(個人的には、大佐古氏がバックの要請に従ってころころと異なる立場に基づく発言をしているように見えているが……)

低線量放射線被曝をめぐる混乱=医療と保健物理
by chinanews21


 今回の低線量放射線被曝を巡る混乱は医療と保健物理という二つの専門分野の専門家の意見が極端に違うところからおきていると思う。問題はこの二つの分野の放射能のリスクに対する見方が全く別で、歴史的にも違う形成をされてきたことに問題がある。

 放射線を診断と治療に扱う医学(放射線医学、画像診断学、がん治療)にとって放射線とはリスクとベネフィット両方の意味がある。そもそも医療行為一般というのは常に患者・対象者にとってリスクとベネフィットと考慮して治療手段を選ぶ。その上で侵襲性の高い手技を選ぶのか他の手段をとるのか考慮する。さらにここ10年、20年の医療の現場での「激変」と言うと(これは必ずしも徹底されておらず問題もある)医師のパターナリズムの排除(つまり医師が患者に一方的に治療方針を決定することを排除)、患者・当事者の生活の視点の重要視(QOL)、インフォームド・コンセントと患者の自己決定権の尊重。

 以上のことはリスクコミュニケーションが適当であったかどうか、あまりに対応がナイーブ過ぎたのではないかといった疑問もあるが、長崎大学の山下俊一氏がなぜ今回のような対応を提案したのかを理解するのに重要。100mSv以下の放射線のリスクをどう見るかは技術的な問題だが。

 それでは20mSv問題で涙の退任をした小佐古敏荘氏が理事長を務める保健物理学の見解の基盤はどこにあるのか。自分は医学編集者なので保健物理に関しては今回の事故が起きて急遽勉強したのでそこは割り引いてほしい(この教科書わざわざ買ってしまった http://t.co/HL0Oyqt
 "Radiation Protection and Dosimetry"によれば保健物理とはそもそも鉱山で働く労働者の健康を守るため1930年代に「放射線防御学」の名ではじめられたがある時期からその否定的名称が嫌われ「保健物理(Health Physics)」と名前を変えたらしい。保健物理の目的は放射線事業(原発等の民間核施設、核軍事施設等)に従事する労働者、作業員の「被爆」の予防。放射線が人体に与える影響を動物実験や試験管等の実験で研究。疫学的調査も行う。しかし、治療や診断は行わない(これは医療の仕事)。保健物理学からみれば放射線というのは純粋なリスクであり何としても避けなければいけないものとして捉えられる。保健物理の専門家はこのリスクの予防と回避の専門家である。医療のあらゆる医療に関連した行為・現象はそのリスクとベネフィットを計算して当事者と合意の上で選択する姿勢とは大きく違う。

 保健物理と医学の放射線に対する見方の違いは直接今回の福島原発事故の対応に影を落とす。医学の立場(疫学)からすれば原爆の被爆者等に関する膨大な疫学的追跡調査などから「経験的(事後的)」に100mSv以下の放射線被爆は統計上生活習慣に起因するガンのリスクと大差がないと判断する。一方、日常的に放射線を被爆する現場(原発での作業、あるいは放射線を扱う医療機器等に関わる現場)での継続的被爆を考慮しなければいけない保健物理の立場からすれば「予防的」に、「保守的」に放射線被爆の影響を想定しなければならないため、あらゆる仮説や可能性を取り入れて保守的に対応する。

 たとえば医療の立場からすれば先ほどtweetしたが最近(2000年以降)広島・長崎の原爆被爆者の長期追跡データから100mSv以下の被爆で(具体的には60mSv)の発ガンリスクの可能性が提唱されている。疫学の立場からするのならたとえこれが事実だとしても他の生活リスクによる発ガンリスクと大差ない誤差ないの可能性としてある意味では「のんびり」と対応しかねない。しかし、保健物理の立場からすればたとえ些少な可能性としてもそれをリスクに入れて対応するインセンティヴが働く。これがまさに低量放射線被爆に対する対応の違い。

 小佐古氏が例の20mSv問題で涙の辞任をした背景には恐らくあの次期管政権が放射能被爆に関するアドバイスを保健物理の専門家から山下氏を中心とする医療の専門家のアドバイスに切り替えたことが背景にあると思う。どちらも自分のフィールドに忠実に従事した結果だと思うとやりきれない。

Posted at 2011/06/25 10:12:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年06月19日 イイね!

東大、柏キャンパスの放射線量についてのコメント修正

 これも先日から話題になっているが、このブログでも批判した東大柏キャンパスでの測定値が高い件のQ&Aについて、記述を変更している。

環境放射線情報に関するQ&A


 内容の変化については以下のページにまとまっている。

東大環境放射線情報ページの変化

 人体への影響について、問題ないという内容から放射線量についてICRP声明を説明するものへと変わっている。

 記述の変更は、東大教員有志の総長への要請文をうけて。これは東大物性研究所 押川正毅教授の呼びかけによる。

 

 原子力発電所事故以降、原発関連の研究者がおり東電との関係が深かった東大に対して責任を問う声も聞かれていたが、自治組織としての大学での自由な発言があり、それが形となった点でとてもよいことだったと思う。

 なお、有志によるFAQ代替版は、おおむね広く了解できそうな今日的な放射線への理解に基づくものになっている。ちょっと長いが……。

 
 

 
Posted at 2011/06/19 22:28:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年06月19日 イイね!

ガイガーカウンターの測定限界

 ガイガーカウンターが様々売られていて、以前よりかなり高価にもなっているが入手して測定している方は多い。

 しかし、はかり方を間違えているケースは多く、そもそも測定限界がどの程度なのか認識しないまま使っている方も多いようだ。テレビ番組で測定しているそのやり方がなかなかひどかったりもする。
 また、ガイガーカウンターなど測定機器は較正しないと正しい値を示さない。個人では較正の機会もないので正確な値を表示しているのかどうかもよくわからない。

 先日KEKの野尻美保子氏ら物理クラスタがガイガーカウンターミーティング611を開催し、放射線の基礎やガイガーカウンターのしくみ、はかり方等について解説していた。また、線源を用いての較正会もやっていた。

 較正会の模様は以下。
Youtube:ガイガーカウンターミーティング / GCM611
http://www.youtube.com/watch?v=KnQ_vZ_z6ew


 講義のスライドは以下。GCM611までに議論されていたことが要領よくまとまっている。
http://research.kek.jp/people/nojiri/GCM611.pdf


 個人的には測定限界がはっきりと示されたのが興味深かった。

 自然放射線等の遮断のために鉛ブロック(重い!落としたら大変)で囲んだ状態で自己ノイズを測定していた。
 研究用のALOKA NaIシンチレーション検出器ではほぼ0カウントであるとき、簡易型のカウンターでは0.05μSv/h程度を示す。これが自己ノイズで、これより小さな値を測定することはできない。

 簡易型のカウンターでは0.05μSv/h未満は測れないものが多い様だ。
 地域によっては自然放射線を下回る0.1μSv/h未満の放射線量率が健康に問題を与えるとも考えにくいので実用上問題ないとは言える。

 しかし、簡易機材で測った値と比べて、公表されている研究用機材での測定値が低すぎるなどと言えないのは明らかだ。例によって測定結果を操作しているとの陰謀論を唱える向きは多いが、まずはその内容を精査すべきだ。自然放射線を差し引いているかどうかも重要なポイントになる。

追記
 GCM611でのテストでは、0.1μSv/h付近の測定値は、多くの簡易型機種で1.5倍程度高めの値を出したという。低エネルギーのガンマ線をGM菅が捉えやすいためだそうだ。
追記終わり


 またGCM611でも菊池氏が強調していたが、放射性物質の崩壊頻度の偏りがあるので最高値ではなく平均値をとる必要がある。
(2ヶ月前、私はなぜか中学2年生に放射性物質の崩壊頻度のばらつきによる測定誤差について説明していたなあ……。パン!……パン!…パンパンパンパン!………………………パン!とかっていいながら。)

 どんな機材もそうだが、正しい使用方法、測定精度、測定限界を知り、その範囲内で利用しなければならない。
 簡易型ガイガーカウンターの測定結果を他の機器での測定と比較するには誤差や指示傾向が違うので注意が必要だし、小さな値については信用できない。同一機材で放射線量の高低を比較するための機材と思った方がよい。

 ピペット一つ取っても正しい使い方を守らねば正しい測定などできない。器具の洗浄、管理も重要だ。




ガイガーカウンターの使い方についての注意などのリンク

簡易放射線量測定器でできるだけ良い測定を行うコツ(第2版)
https://docs.google.com/document/pub?id=1wTJmhKLhGI8gUUJGP3Dcro3fIXa037B6gSsBzGP32oU&pli=1


Posted at 2011/06/19 08:45:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年06月15日 イイね!

巨大タンポポねえ……

下痢、鼻血と同様に話題になっているらしい巨大タンポポ。

 

 たとえば、この植物の写真を

タンポポが巨大化!!


とネットに流しているのを見たが、これは「ノゲシ」。

 この写真はノゲシを紹介しているページの画像にリンクしているもので、元のページは以下。

ノゲシ  キク科



 下はタンポポによく似る「ブタナ」と言う種では花茎が60cmほどに伸びる。



 タンポポが属するキク科の植物はお互いに似ているものが多くあるが、セイヨウタンポポや在来のカントウタンポポシロバナタンポポのイメージしかない人が「放射線でタンポポが巨大化する」と聞いて見回して、今まで気にも留めていなかった、もともと大きなノゲシやブタナなどを見て
「すわっ、放射線の影響がここまで!!」

などと自然放射線の高い西日本でガイガーカウンターの値を見たときの孫正義みたいなことを言い始めたりする。

 全くもってバイアスそのものである。

 セイヨウタンポポなどは、環境条件によってかなり葉や花茎のサイズが変化する(変異の幅が大きい)ので、大きなものを探すことは難しくない。
 下はcheko's デジフォトライフというブログから持ってきた綿毛(冠毛)を付けたタンポポで、2007年の撮影である。花が終わった後のタンポポは一旦花茎が倒れ、その後上に向かって伸びていく。条件によっては写真のように非常に背が高くなることがある(普通綿毛が付いている花茎は花の時より長い)。日当たりが悪いところではひょろ長くなるのが普通だ。

 
 キク科植物は変異が多く、変種が生じた例も多い。
 また、まれに帯化という花茎が太くなる現象が見られる。キク科では起こりやすい。生理的栄養過多、昆虫や細菌等による成長点への傷、農薬など化学物質の影響で生じるとも言われ、放射線の影響があれば生じる可能性もある。
 放射線と無関係にそこそこ見られる現象なので、よく探せば出会うことがある(正直気持ち悪いが)。キク科ではないが、菜の花畑などよく見ていてもときどきこうした変異を見かける。



 帯化現象の写真を集めたページは見てみると面白い。
 
おばけに出会ったお話
 
http://aquiya.skr.jp/topics/topic002.html

http://www.tcp-ip.or.jp/~jswc3242/mamechishiki/mame53taikagensho.html

http://www.proto-ex.com/gentaiken/sizentie86butananoobika.html

http://www.google.co.jp/search?aq=f&sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E5%B8%AF%E5%8C%96%E7%8F%BE%E8%B1%A1#hl=ja&pq=%E5%B8%AF%E5%8C%96%E7%8F%BE%E8%B1%A1%E3%80%80%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%9D&xhr=t&q=%E5%B8%AF%E5%8C%96%E7%8F%BE%E8%B1%A1&cp=4&pf=p&sclient=psy&source=hp&aq=0&aqi=&aql=&oq=%E5%B8%AF%E5%8C%96%E7%8F%BE%E8%B1%A1&pbx=1&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.&fp=2fa884f11b1d998a&biw=1037&bih=958&bs=1

 
 
 


 **


追記
 いつも書いていることだが、自然科学教育の重要さの一方、現場では受験に必要ないとされるそれがあまり重視されていないことは大きな問題だと認識している。また、真の自然科学教育はあまり浸透していない。
 以前も情報教育がそれなりに効果を上げて情報リテラシーが浸透しているが、科学リテラシーは浸透していないことを取り上げた。社会的役割を充分担えない学校理科教育の姿がある。

 自然が遠ざかり、身のまわりの機械が電子化されブラックボックス化したこと、小学校教員の多くが理科を苦手としていることなども背景にはあるが、理科の素質のある子供から自分で学ぶ機会を奪い、点数主義・暗記主義でつぶしてきたことを知るべき。自ら学び考えることを目指したゆとり教育も現場がそれを有効に活用できず、受験産業の売り込みに利用され、結局点数主義・学力主義につぶされた。

 理科離れというが、理科はもともと本人に志向がないと取り組みがたい。貴重な人材があっても将来を考えても給与面、研究職としての行き場のないポスドク問題等々でつぶしてきた。
追記終わり


 

Posted at 2011/06/15 23:14:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記
2011年06月14日 イイね!

低線量被爆で鼻血、下痢ねえ……

 東京周辺程度の低線量(0.1~0.5μSv/時)の被爆で急性症状が何か起こるぐらいなら、西日本では東日本より有意に下痢や鼻血やガンが多いはずであるし、もっと自然放射線が強い地域では大変なことになっている。
 放射性物質が多かった3月21日のピークでも0.8μSv/h(東大柏キャンパス)。

 デマをまき散らす「自称ジャーナリスト」の影響が大きすぎて、驚くばかりだ。
 「うちの子も鼻血が……」「下痢が……」と反響が大きい。
 何かに注目しはじめると、普段見逃していることが目に付くようになる典型のようなことが起きているようにしか見えない。


 そのジャーナリストのブログに対する放射線科医の反論のtogetterがとても参考になる。気になる方は読んでほしい。放射線を扱う医療関係者ならではの解説だけに納得性が高い。

 解説中に登場するシンチグラフィーについては以下を参照。
シンチグラフィーとは


放射線科医による放射性ヨードI-131の解説と木下黄太氏のブログへの反論
http://togetter.com/li/149186



腺障害が本当にI-131によるものなら、I-131をどこかから調達して大量摂取させた虐待を疑います。 RT @chiba_donguri: すみません、これ→すさまじいRTされっぷりなんですけど、ありえないですよね? http://bit.ly/mr7Y0L

あと、鼻血などの症状に関しては全くのデタラメですね。I-131をギガベクレル単位で大量投与する治療がありますが、その副作用にそれらの症状はありません。放射線性唾液腺炎ならよく出ますが。 @chiba_donguri

さっきの件で、私がなぜ件の症状が放射線によるものではないと確信してるかについて、ちゃんと書いてなかった気がするので書いときます。まず、放射線の人体に対する影響ですが、種類別に複雑怪奇な反応を示す化学物質と違って、放射線はそんなに種類がないので、影響を比較的予測しやすいんですね。

たとえばβ線核種であれば、種類によって体内での行き先は違っても、出すものはβ線なので、基本的にはその物質が行きやすい場所でのβ線の影響を考えればいいわけです。厳密には同じ名前でもちょっとは違うのがあったりするんですが、まあ大差はないと思って問題ないです。

で、我々がやる甲状腺癌の治療に「I-131による残存甲状腺焼灼」ってのがあるんですが、これ、症例によっては1人の患者さんに5ギガベクレル以上、つまり5000000000ベクレル以上のI-131を投与するんです。これは患者さん自身が放射性物質として法的規制を受けるレベルのすごい量。

I-131(放射性ヨード)は皆さんご存知の通り甲状腺によく集まります。なので、もし甲状腺が結構残ってたら結構腫れたりもしますし、残存甲状腺はβ線で焼き尽くす感じの、結構荒っぽい治療です。甲状腺ついでに唾液腺にも多少集まっちゃうので、副作用の放射線性唾液腺炎はかなりの高頻度で出る。

ただし、この治療によって鼻血が出たり下痢になったりすることはありません。あるとしたら別の理由が必ずある。バセドウ病のI-131治療では下痢になることもありますが、これは甲状腺機能亢進症の症状が一時的に悪化することが原因で、やはり放射線以外の理由が明確に存在します。

「だってヨードは甲状腺に集まるんだから、集まった場所以外に症状が出ないのは当然だろ」そういう意見があるかもしれません。しかしこれも明確な理由をつけて「違う」と言えます。

http://bit.ly/lPbrqJ ここに、「I-131全身シンチ」という画像があります。黒いのがI-131が集まってる部位。この人は肺転移や頚部リンパ節転移があるので、それらの部位にもハッキリ集まっています。注目してほしいのは、何となく全身がボンヤリ見えてること。

これは、甲状腺や甲状腺癌の転移だけでなく全身にある程度はI-131が遊びにいってしまうことを意味します。全体からすると僅かな量ですが、そもそもの投与量がとんでもないので、これでも現状で意図せず環境から摂取して全身に回りうる量とは比較にならないほど多いんですね。

で、繰り返しますが、こういう集積をする患者さんにも下痢とか鼻血なんかは出ません。もうお分かりでしょう。現状で環境からの摂取で受けうる程度の内部被曝なんて、別に前例のない事態などではなく、我々から見たら散々既出の事例なんです。

では、子供ならどうか。子供の放射線感受性が大人より高いのは事実です。なので、放射性物質の投与を出来れば避けたいのは事実。ただ、甲状腺癌って子供でも見つかることがあって、私の経験では、9歳の子に残存甲状腺焼灼を施行したことがあります。結果、唾液腺炎以外の症状は出ませんでした。

また、治療量投与の経験は少なくとも、核医学の検査自体は子供に行う場合も結構あります。これもI-131同様にある程度全身に分布しますし、やはり現状で環境から摂取するよりは間違いなく多くの線量を浴びる計算ですが、核医学検査で副作用というのはほぼ出ないと思ってもらっていいです。

そもそも、大人で前述の治療量が大丈夫で、子供は現状の環境から摂取する量で鼻血下痢というのは、感覚的には「大人は鋼鉄の装甲だけど、子供の装甲はティッシュ1枚」くらい非現実的な差ですんで、満面の笑顔で「ねーよw」って言い放ってもいいです。

ということで、「関東で内部被曝による鼻血や下痢が!」を全力で否定するのは、それくらい明確な根拠があるわけです。一方で、それが放射線性のものであることの根拠は、聞いても教えてくれませんでした。私の見立てでは、多分これ。→ http://bit.ly/eKyveh

私に言えるのは、鼻血でも下痢でも、あんなのを真に受けるんじゃなくて、軽症なら様子見、重そうなら医者に診せるべきってことです。様々な原因で出うる症状なので、放射線のせいと思い込んで対処を誤ったら、その方が遥かに危険です。劣悪な環境下では、妙な感染症が出ていても不思議ではないわけで。

この「デマ拡散によるリスク拡大の可能性」を認めるかどうかは、彼の良心を測る最後の砦のようなものだったわけですが、彼は私が明示したこれすらも受け流しました。正直、勘違いするのも理解力が粗末なのもある意味仕方がないですが、ここだけはジャーナリスト云々以前に人として絶対に許せません。

Posted at 2011/06/14 19:52:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 放射性物質・放射線 | 日記

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