昨日今日と地元音楽ホールでイベントをやっているのだが、場内カメラが写らないから診てくれと連絡を受けた。
実は6月にも写らないからと呼ばれて取りあえず直したのだが、8月頃?にはまた写らなくなっていたらしい。
それをイベントの当日に利用団体に伝えるホール(と言うか公民館館長)にあきれたが、取りあえず確認して見た。
1回目は20数年経った場内カメラの配線を止めているねじがことごとく緩んでいたことが原因になっていた。
2回目はカメラ信号のディストリビューターの不具合。電源を何度か入れ直すことで復旧した。電源スイッチの接触不良だった様子。
で、今回は、カメラコントロールユニットの不具合。
以前から、不具合があるとき、電源を入れたとき少しの間乱れながらも写るという症状があったのだが、今回もそれがあった。
電源スイッチをバイパスしてみたが症状変わらず。スイッチの接触ではないようだ。
内部の基板の電源コネクタを触ると信号が乱れる。電源の電解コンデンサーを触っても乱れる。
電解コンデンサーを一つ外してみたが、容量は定格から若干低いぐらいで大きな問題はない。
基板にも明確な電解液漏れがあるわけでもない。ただ、基板に何かが流れた痕があり、フラックスの清掃痕なのか何なのかは分からない。
今回調べて分かったが、監視カメラに使われている定電圧ワンケーブルカメラはビデオ信号端子に電源電圧12Vを重畳している。ケーブル一本で済ませられる方式だ。
電源を供給するコントロールユニットが必要となり、この音楽ホールのように防犯カメラを流用して場内カメラに使っている場合、ケーブル配線が楽になるのを充分に打ち消す程度にコストがかかっている(誰だよ、こんな使えない設計したのは。TOAのIだろ? 自分の所のシステム入れやがって)。
その電源供給には問題がなく、カメラがオンになっても電圧は一定を保っている。
また、カメラ自体は問題がないようで、モニター出力からはビデオ信号がでていた。
ディストリビューターを使わずにモニターに接続しても変化がないため、今回はディストリビューターは問題ないことが分かる。
カメラコントロールユニットのビデオ信号アンプ部が問題を起こしている可能性が高い。
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以前からたびたび触れているように、この音楽ホールは千葉市教育委員会によって管理されているが、音楽ホールでありながら公民館の講堂として運用されているため、まともな予算措置がされておらず、公民館予算で音楽ホールを運営しているためにあり得ない問題ばかりが起こってきた。
サントリーホールを設計した世界の永田音響が音響監修をした音楽ホールだというのに、本当に情けない。
カメラコントロールユニットを新調するのは何年先になるか分からない。何しろ予算が付かないのだ。
ホールのスポット照明の電球1個10000円ほどのものを住民が大量に買って寄付しないと運営できないという呆れかえった状態になっている。消耗品ですらこのざまなので、音響照明設備に至っては壊れても放置が続くのだ。
それでも使えないとホールの使用に様々不具合がある。
もともと画質の悪いSD監視カメラなので、ハイビジョンカメラに置き換えてしかるべきなのだが、モニターも換えなければならずちょっと困難だ。
SD規格にHV規格の信号を通すカメラもあるのだが、いくつかの機器の新調になるので、困難だ。
IPカメラを付けると簡単に高画質化できるが、機器の入れ替えが必要になる。
取りあえず今の機器を使う方法を考えざるを得ない。
幸いカメラのモニター出力(BNC端子)は生きているので、カメラは電源さえ供給すれば使う事が可能だ。
そこで、ACアダプターを使ってカメラの電源重畳出力端子に12Vを供給し、モニター出力を従来の信号出力に出力する。
または、安価な電源重畳機をつかって機能回復させる手もある。4000円程度で当面回復できる。
前者は同軸ケーブルにBNC接栓を取り付けたり電源配線を敷設したりと手間がかかる。コストも4000円程度はかかる。
ならば後者が手軽であるが、公民館予算でその費用を出せるかどうか。予備費もわずかなので4000円程度の支出もままならない。