
ガイガーカウンターと言えば無線少年とかには憧れの測定器の一つ。昔から、よく原子力や核戦争を扱った映画などに登場するアイテムで、昔の夜行塗料が塗ってあるアナログ時計に管をあててガイガーカウンターが正常かどうかをテストするシーンなんかも見覚えがある。
原理はGM管という希ガスで満たした管に高電圧をかけ、放射線が通過するときに希ガス分子が電離し、放電が起こる現象を使って放射線を検出するもの。
原理は決して難しい機械とは思えないが、このGM管が結構高い。それ故装置も比較的高価になりがち。無線少年には手の届かないアイテムの一つであり、しかも使い道もないという代物だった。
しかし、無線少年には強い味方がある。秋葉原の秋月電子通商だ。さまざまな電子部品やキットを安価に扱っている。私も小学生の頃からずっとお世話になっている。
その中にガイガーカウンターキットがあった。
見て欲しいと思ったが、秋月のキットとは言え財布には厳しい価格。それ故逡巡していたが、気づいたらこのキットがなくなってしまっていた。キットのGM管を作っていた浜松ホトニクス(ノーベル賞をとった研究となったニュートリノの検出に使われた光電子倍増管のメーカー)が生産をやめてしまったからだ。ああ買っておけばよかったと思ったものだ。
見えない放射線を知る手段としていずれ必要になるとも思っていたのだが。
そしてついに原発事故。大地震となれば常に周辺原発をチェックしていたが、自動停止していたはずの原発が冷却手段を失ったとの報。
このブログにも速報として転載した原子力安全・保安院のメールにも
第10条通報……基準を上まわる放射線漏れ。ついにガイガーカウンターが必要な事態になってしまったと、手に入れていなかったことを後悔した。
○東京電力(株)福島第一原子力発電所(福島県双葉郡大熊町及び双葉町)
(1)運転状況
1号機(46万kW)(自動停止)
2号機(78万4千kW)(自動停止)
3号機(78万4千kW)(自動停止)
4号機(78万4千kW)(定検により停止中)
5号機(78万4千kW)(定検により停止中)
6号機(110万kW)(定検により停止中)
(2)モニタリングポスト等の指示値
・モニタリングポスト指示値の変化:無
・主排気筒モニタ指示値の変化:無
(3)その他異常に関する報告
原子力災害対策特別措置法第10条通報(福島第一原子力発電所3号機)
同第15条通報(福島第一原子力発電所1、2号機)
秋月のキットの代わりになる安価なものはないかと見ていたが、googleの広告欄に不思議な文句が……
「お洒落なガイガーカウンター
デザイナーズからシンプルな照明まで
理想のガイガーカウンターが見つかる」
デザインはどうでもいいから、安価でできるだけ多くの放射線に対応していてUSBでデータが取れるガイガーカウンターがあれば理想なんですが……。
深刻な事態の中、笑っていいのかいけないのか悩んでしまった。
ちなみに、
霧箱で放射線の存在を見ることができる。使い勝手はとても悪そうだが。
Posted at 2011/04/03 23:52:12 | |
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