追記
WSPEEDIによる広域シミュレーション[追記あり] 2011年05月14日
も参照のこと
追記終わり
群馬大 早川由起夫教授のツイッターで紹介されていたが、これまでより高精度で広範囲な放射性物質移流拡散シミュレーションが公開されている。
これまでの、各国気象庁のおおざっぱすぎるシミュレーションや、SPEEDIの局地的すぎるシミュレーションでは分からなかった東京周辺を詳細にシミュレートしている点で画期的である。
勿論、シミュレーションには誤差がつきものであることは承知する必要がある。
株式会社 K&F Computing Research の移流拡散シミュレータ Gradiによる。
(添付の説明文より)
すでにSPEEDIや各国気象庁によるシミュレーション結果が公表されています。しかし前者の計算は線源に近い地域に限られており、また後者の計算は広範囲ではあるものの空間的に粗いものでした。これに対し、東京近郊でのより詳細な放射性物質の分布や、加えて降雨による放射性物質の落下の影響を知りたい、と考えシミュレーションコードを開発しました。
左パネルは移流物質の濃度、右パネルは雨で落下した物質の(積算)濃度を表しています。両パネルとも対数間隔です。
http://www.kfcr.jp/gradi.html#about
* *
精度の高いシミュレーションであるだけでなく、降雨も考慮しているのがミソだ。
これを見ると、3/15,21に起きた雨での放射性物質降下の様子がよくわかる。
福島市、郡山市などの中通りの線量が高くなっていることについて、15日に一時上空に滞留したのち雨で降下した様子がよく見える。注目しているデータやシミュレーション条件が違うこともあるが、東大早野教授による、
地表付近のアメダスデータと空気移流シミュレーションから関東回りで中通りを北上後降下したとする見解とは若干印象が異なる(早野教授の「原発北西部の放射線レベルが高いのは、原発から出た放射性物質が直接北西に飛散したのではなく、関東上空を経由して福島中通りを北上し、3月15日夕刻の雨で地上に落下したのだと推測されます。」という見解には個人的には若干違和感があった。なお、放射性物質の放出時間、継続時間の条件設定が違うため、今回のシミュレーションの方が正しいとは言えない)。
また、
柏付近へは私も以前書いたように、洋上に出た放射性物質を含む空気が21日の北東風で吹き寄せられながら雨で降下した様子も見える。このシミュレーションによると、柏付近から北側……野田市、栃木県から中通りへが高めになっているように見える。
これまでの、各国気象庁のおおざっぱすぎるシミュレーションや、SPEEDIの局地的すぎるシミュレーションでは分からなかった東京周辺を詳細にシミュレートしている点で画期的である。
Posted at 2011/05/07 08:01:17 | |
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放射性物質・放射線 | 日記