まさかの3挺目のバイオリンが先日届いた。
祖父のバイオリンは音の点で物足りないのと傷などはあまり付けたくないこと、ノンラベルのバイオリンはニスが古くなっていてかなり取り扱いを慎重にしなければならないことから、練習用にもう一台買ってしまった。
スズキバイオリンのNo.330と言う、今は単体で定価8万円、セットで11万円ぐらいのものの中古で、1975年製。自分の年齢に近い。ストラディバリウスコピーの、まあ標準的なモデルだろう。
バイオリン工房によって弓毛、弦の交換、各種調整をされた物。ランクで言えば練習用としては中の上ぐらいか。
新品のケースも付いて、かなりの美品。ヤフオクで同ランクの楽器を買って調整に出してケースも付けていたらもっと高いだろう。と言ってもこれもヤフオクなのだが楽器店の出品。
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左から、旧家から出たノンラベル君、スズキNo.330(1975)、スズキNo.11(1950年頃?)
スズキのNo.330は、同じNo.330の中でもこれはよく鳴る個体だそうで、かなりよく鳴るし華美で明るい音色。ちょっとガチャガチャしすぎる感もあるが、それなりに厚みのある音で、結構いい楽器のようだ。いい買い物だったかも知れない。顎当てをより大きなスズキのツゲのガリネリタイプのもの(ノンラベル君につけていたもの)に付け替えている。
ノンラベル君はこれと比べるとダークな音色だが、駒や魂柱を調整したり弦を張り替えたり(最初はかなりの安物にしていたが、今は標準的な手持ちのトニカのスチール弦に張り替えた)繰り返し音を出したりしているうちに結構輝きが出てきて、華美ではないが厚みのある音色になってきている。f字孔の形はガリネリ型だが、全体の形はNo.330とよく似ているのでストラドをもとに作られた楽器っぽい。
祖父のバイオリンは胴の鳴りが少なく弦の鳴りが強い固い音。素朴な音と言ってもいい。表板が厚く堅い。少し小ぶりで表板や裏板の隆起が大きく、ストラドとは別の楽器が元になっているようだ。
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ノンラベル君はペグの止まりがひどく悪かったので、フィッティングを丸ごと交換した。マホガニーにしてみたが、木が柔らかいのでもしかすると音にはマイナスだったかも知れない。
しかし、E線の音は前より出るようになった。
駒や魂柱の調整で少し音が変わってきたし、弾き込みでも変わってきているようだ。
現状No.330に比べて華美さはないが、高い倍音も出ていて、胴の響きが強く音が厚い。長く寝ていた楽器故、弾いているうちにもっと音は変わってきそうだ。
追記:
WEBのバイオリン工房の情報を参考に、倍音を増やすべく、駒の厚みをより薄く、穴を削って広げて軽く加工。確かに音が変わって面白い。
ただ、楽器の性格までは変えられないので、いろいろなことを組み合わせてやっていく必要がある。
Posted at 2013/09/05 12:49:22 | |
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