ヤフオクで、つい目に入ってしまったのが、ジャンクバイオリン。
ものは文教楽器のブランドでピグマリウス デリウスという量産ではない手工モデル。少なくとも10万円以上の、結構高価な商品。
ただし、ジャンク扱い。
いくつかヤフオク段階で分かる理由を列挙してみる。
・内部にある重要な部品『魂柱』が外れている。

内部にある棒が魂柱。これがないとバイオリンはまともに音を出せない。バイオリン工房に持ちこんで立ててもらうと5000円ぐらいかかるらしい。
・モデル表記が曖昧。
ピグマリウス デリウスにもいくつものモデルがある。2002年なので旧タイプだが、モデルは3つあった。価格が違うがどれか分からない。
しかし、ペグやテールピースなどは黒檀ではなく紫檀で最下位モデルではなさそう。
・傷などがどの程度あるのかよく分からない。
写真からはほとんど傷らしいものが見当たらないが、どこにどういう傷があるかはっきりしない。
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ジャンク品扱い。……なのでどんな問題が内包されているか不明。出品者も「説明が不十分かも知れない」がそれもふくんで入札せよとのことで、かなりどきどき。
リスクいっぱいだが、入札。一人と争いになったが予算内で落札。1万円台。ケース、弦の予備、肩当て、ミュートが付属。
しかし、ジャンク価格とは言え問題が多くてどうしようもなかったらどうしようとか、最下位モデルだったらあまりお買い得ではないなあとかと思い、後悔の気分にも。
それが届き、荷をほどいて驚いた。非の打ち所がないぐらい綺麗。傷などほとんどない。ケースも新同。
ただし、もう一点問題が。ナットと呼ばれる黒檀製の部品がはがれてしまっていた。手持ちの膠で接着しておいた。
いよいよ魂柱を立てる作業をしてみた。
工具は次の魂柱立て。
初めて扱うが、要領は分かっている。普通はなかなか立てられないそうだが、2度目できちんと立てられた。左のf字孔ではなく右のf字孔から入れると立てやすいと何処かに書いてあったがその通りだった。
魂柱さえ立ってしまえばしめたもの。早速チューニングして音を出すと、これはすごい。低音もしっかり出て華やかで自分好み。
例のノンラベル君に継ぐ本格的な楽器だった。
ちなみに、モデルはDV-120で真ん中のグレード。セットで20万円ほどのもの。今回のものはケースや付属品がそのセットと多少違うし弓はなかったが、結構高価なバイオリンだ(とはいえこの世界では、これでも入門用)。

赤いニスが塗られ、裏板にはとても美しいトラ杢がでている。
ノンラベル君より安く手に入れられた。
ノンアベル君は出自が不明なのでこれを除けば、私の持つ中ではもっとも価格の高いバイオリンになる。
ちなみに、最終工程は日本で調整しているが、中国製。
中国製のバイオリンは、きちんとしたものなら価格で2~3倍の欧州製と同程度とか。
このバイオリンもかなりコストパフォーマンスがよい楽器と言われているらしい。
追記:
ピグマリウスの中古を買うのは、楽器そのものがよいだけでなく、付属品の質がよいこともメリットがありそうだ。
ケースはSuper Lightという軽くて使いやすいケース。これだけでも新品売値が2万円ぐらい。アルシェの弓がついていれば、一番下のグレードでもフェルナンブーコをつかったもので新品売値2万5千円ぐらい。セットの中古で安くゲットできればお得感がある。これがスズキの200~300番台だとぐっとグレードが下がる。
Posted at 2013/09/11 22:35:29 | |
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