実は、ピグマリウスの前に、ドイツの量産バイオリンに興味を持っていて、1万円もしない格安のを手に入れてしまった。
カールへフナーという大手メーカー製で、工場と非常に若い製造番号から1950年代ぐらいのもの。
No.660というモデルだが、何しろ古いのでデータが見当たらない。何とか裏板にトラ杢が出ているが、グレードとしては低そうだ。何より塗装の仕上げがいい加減で、ムラが多い。スクロールも左右非対称でホリが若干雑。現代の製品ならこんな仕上げは許されないだろう。職人が流れ作業で作った量産品なのだろう。
ドイツの老舗メーカーだが、戦後拡大していく時期の初期の製品に当たるようで、そう言う時期だけにこういう仕上げになったのだろう。
それ以前のチェコ製のものは、かなり驚くような作り方をしていたらしい。
弦と弓はぼろぼろだったが、弦を張り直して音を出してみると、非常に華やかな明るい音。ただし低音域は他のものに比べて量感が少ない。
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数万~数十万の範囲のバイオリンの音はやはり値段相応。
よいバイオリンほど中低音が厚いようだ。安いバイオリンほど高い音が強くなり、弦の音が主体に鳴る。要するに胴が鳴っていない。
ただ、低い音が強いと音に厚みが出る分遠くまで届く鋭い音が出にくい。バランスがよくとれたバイオリンがよいバイオリンなのかも知れない。
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重量を量ってみた。
ノンラベル 431g
ピグマリウス 433g
スズキ330 472g
カールへフナー 506g
よいバイオリン軽いと何処かで読んだが、中低音の良さの印象と完全に一致する。
軽いほどよく胴が鳴り、中低音域が厚いようだ。
ただ、カールへフナーの音は厚く、スズキNo.330の音は比較的薄っぺらく聞こえる。音の厚みで順位を付けるならこの2つは逆転する。
Posted at 2013/09/13 16:11:04 | |
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