2013年09月29日
家庭用のピアノは、一般に低音があまりでない。それは、低音を出す弦の長さが限られたり、共鳴し、空気に振動を伝える響板の面積が限られるためで、当たり前のことのように思われる。
実際、ホールに置いてあるようなフルコンサートグランドを弾くと、極めて豊かに響く低音を感じることができる。
しかし、うちの170cm程度のグランドでも、低音にあまり不足は感じない。欧州製のピアノの場合、小さなサイズでも明らかに低音がよく出るのだ。フランス製などの150cm級超小型グランドも、サイズからは信じられないほど低音が出る。
そこに行くと日本製のピアノは随分低音が寂しい。
スタインウエイ設計・カワイ製造のボストンも、178cmでは全然物足りない。その上のサイズでやっと何とかというところだ。
なにか違いがあるのだろう。それは材料なのか設計なのかその両方なのか。
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ピアノの場合、サイズで低音の量感が違ってしまうのは分かりやすいが、不思議なのはバイオリンだ。
バイオリンは、ほぼどれもサイズは同じで、構造もほとんど変わらない。
にも関わらず、個体によって低音に大きな違いが出る。
うちのいくつかのバイオリンでも、明らかに低音がよく出る楽器とそうでない楽器がある。単純に物理的に考えると同じようになりそうなものだが、そのサイズの限界に近付いているかいないかと言うことになろうのだろう。物理的な限界はさすがに超えることができない。
単純に低音が出れば音が豊かに聞こえるかと言えばそうでもなく、最近弾いたピグマリウス ST-02の場合G線はよく鳴るのだが、全体的には音が軽くヒステリックな印象があった。ピグマリウス デリウス DV-120の方が全体に音が太く豊かだ。
カールへフナー No.660はG線の低音は弱いが、全体的には比較的厚みがあり豊かに聞こえる。
バランスも重要なわけだが、ともかくも、同じサイズの楽器であっても低音の量感は明らかに異なる。材料の差、微妙な設計の差、製作時の微妙な勘所・ノウハウ、そんなものが影響するのだろう。
量産楽器では同じ規格で作られても材料のばらつきがあるのでそれが当たり外れとなる。熟練した職人が作る場合、材料を見て、その材料に合わせた使い方をしたり、削り方を変えたりと言った違いがあるらしい。
限られたサイズでありながらその中で低音~中低音を豊かに出せる楽器は、確かな技術とよい材料によって生み出されるのであるから、よい楽器と言って良いだろう。こればかりはあとからどうすることもできない。
なので、自分が楽器を見るときは、低音が豊かに出るかどうかを真っ先にチェックしている。
Posted at 2013/09/29 22:32:42 | |
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楽器 | 日記
2013年09月29日
本日も横オフ参加。
ヤフオクで落札した部品の受け渡しも完了。おまけも付けて頂いてありがたかった。
今回はSVXでの参加だったのだが、ルーフ&トランクリッド塗装後はじめてだったらしい。
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横オフ後、ちょっと気になっていた楽器の試奏に行ったのだが、お店の本来の人が急遽お休みしていて、わかる人がおらず、目的の楽器は出してもらえたものの肝心の弓がないというおかしなことに。
楽器そのものは安いのに結構私好みのいい感じで、ケースも思った以上によいものが付属していた。あとは弓を確認したかったのだが。
ここは少人数でビンテージエレキギターやアンティーク家具などを扱っている小さなお店で、家族での経営のような感じ。
もともとは息子さんが買い集めていたビンテージのエレキギターを売り始めたのだそうだが、やがてアコースティックギターや弦楽器、家具や雑貨なども扱いはじめたらしい。
今日いらしたお母様は、バイトの人が辞めて以来お店に出るようになったそうだ。その絡みか他に置いていた工房をお店の中に移したり、結構動きがあったらしい。休む間がないと言っていたが、それでも好きだからやっているというのがありありとしていた。
住宅街にある、本当に小さなお店だけど、なんだかいい感じ。
古いものを扱う商売って、なんだか憧れるものがある。いざやるとなったら大変だけれど。
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そういえば、うちの街の開闢以来あったアンティーク家具屋さんがつい最近お店をたたんでしまった。千葉・幕張なのに都内並みの賃料という厳しい条件で、この不景気では難しかったのだろうな。
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横オフで、SVXを写真に撮っている部外の方がいたが、アンティークショップの前に置いているとき、通りがかる町の人がことごとくもの凄く注目して通り過ぎていった。
SVXの美しさは時代を超える。
Posted at 2013/09/29 19:17:04 | |
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PIAZZAとSVX | 日記