• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Yuh_Fazioliのブログ一覧

2014年05月25日 イイね!

お疲れ様という挨拶

最近ずいぶん広まっていると感じるのが「お疲れ様」という挨拶だ。

 以前の日本では、挨拶は時間や状況に合わせて使い分け、さらに立場(上下関係)に合わせて使い分けていた。「おはようございます」「今日は(寒いですねなどが省略されている)」「さようなら」等々。
 これはかならずしも言語化されたものとは限らず、特に目上に対しては会釈をすると言った非言語的挨拶が主流(古い時代には、目上から目下に声をかけるまでは目下から声を発してはならないというルールがあったらしい)であったようだ。

 ところが最近では挨拶は多くの場面で「お疲れ様」系のいくつかのバリエーションへと単純化されて来ている。朝最初の挨拶が「お疲れ様」であったり、メールの冒頭の決まり文句として「お疲れ様です」と来たりするのが普通になってきている。

 某証券会社の投資戦略部部長は、ほとんどの書き物で時間に関係なく「お疲れ様です」を使っている。完全に定型化された挨拶である。

 「おつかれさま」という言葉自体は「いたわり」の意味を持っている。本来は休憩など一仕事終わった状況とか、仕事が終わっての別れの挨拶で使われてきた言葉だ。ところが最近では一切の状況と関係なく使われるようになってきている。ただ、これは会社組織で広まり、アルバイトなどから一部低年齢層にも広がりを見せている過程にあって、必ずしも一般化されているとは言いがたい。

 そのため、ネット上の質問サイトなどにも

「お疲れ」「お疲れ様です」という挨拶

学生です。よく知り合いの社会人の方や友達、後輩に対して、会った時や帰る時に「お疲れ」とか「お疲れ様です」と言うのですが、一部の人にはおかしいと言われて困っています。

もちろん、何かやったあとに帰り際に「お疲れ様でした」というのはよくありますよね?でも、「お疲れ様です」とあいさつすると、今はそうでもないのですが「いや別に疲れてないよ」と返され、じゃあなんて言えばいいんだ?と混乱しました。後輩にも、一部ですが「いやあ、別に疲れてないですけど」と癪に障る言い方をされ、「こっちは挨拶してんだよ!」と思いました。今でも友達がある人に「お疲れ様です」と電話越しに挨拶すると「お疲れー、疲れてないけど」と言います。悪気はないと思うんですが、じゃあそういう人たちには「こんにちは」とか言えばいいのでしょうか?それともそもそも会った時に「お疲れ様」という用法は日本語としておかしいのでしょうか?
Yahoo!知恵袋

という具合に、意味通り取るものと、意味が希薄化された便利な挨拶言葉として使用する者がいることでのトラブルが生じている様子が見える(日本語として正しくない使い方であるから、嫌味で「疲れてない」と返しているものもいるし、「お疲れさま」を「ろくに働いてない」という嫌味と受け取るものもいる)。

 ネット上でも時間や状況を問わずに使われるようになってきたこの挨拶に対する違和感を表明するものはいくつも目にするし、むしろ以前調べたときよりも多くなってきている。

google 朝 お疲れ様

 **

 しかし、いつから便利な挨拶言葉へと変化したのだろうか。
 一部には、深夜も働く三交代制などの職場で、朝の退勤者に対する挨拶として使われたからだというものもいるし、ホテルや民宿などではお客を迎え入れる挨拶として時間を問わず妥当な場合もある。

 しかし、どうも私が知る限り、ビジネスマナー教育が大元である様だ。

 以前からビジネスの場面で上司に対する言葉遣いとしての「ご苦労様」「お疲れ様」問題があった。
 「ご苦労様」は労をねぎらうものであり上から下へしか使えない。そのため上司へ「ご苦労様」は使うべきではなく、いたわりの言葉としては「お疲れ様」をつかうのが失礼のない無難なものであると教育していた。この時点では「目上にご苦労様は失礼だ」という話でしかなかった。
 しかし、「お疲れ様が無難な挨拶」と言うことが強く印象づけられ続けたために、やがてビジネスの場面では上下の区別なく適用範囲が広い「お疲れ様」が正しい挨拶とされ、それが拡大解釈されて時間や状況を構わず使える「正しい挨拶」として広まった様だ。

 実際、この問題への反論として「ご苦労様が不適当なのだからお疲れ様を使って何がいけないのか」というのが必ず出てくる。本来二者択一ではないのに、そこにばかり注意が向けられた結果と思われる。
 また、今では新人教育で全ての場で「お疲れ様」を使うよう指導しているという話を聞くし(しかも外部からの講師へわざわざ職場からそう指導するよう要請があってやむをえずやっているというケースもあるとか)、職場ではメールの冒頭の常套句として「お疲れ様です」を入れるよう指導しているという話も聞いている。

 これが正しければ、本来日本語として正しい言葉遣いを教えていたはずが、大きく変質してしまった例と言えるだろう。(注)

 日本語は多様な挨拶言葉を持ち、それを使い分ける文化を持つ言語である。効率化が優先される会社組織が、非効率に見えるその文化を揺るがせていると言うことなのかも知れない。

 ただ、この挨拶を、正しい当たり前のものとして教育され受け入れてきた人たちは、猛烈に反発するようだ。冒頭の質問サイトは学生のものだが、会社組織の若い人が強い反発をして「お疲れ様は正しい挨拶だ」としてはばかることがない例を見てきた。「お疲れ様」は人をいたわる気持ちがあるからこれを使う事が無条件に正しいと考えている人はかなり多いようだ。
 今回のエントリーを読んで違和感を持った人も多いかも知れない。


 だが、今でも国立国語研究所では次のように言っている。

最近では,派遣会社の社員研修などで職場の常套(じょうとう)的なあいさつ言葉として,「お疲れさまです」を教えていると聞きます。朝会ったばかりの人やメールの書き出しに必ず使う,ということのないよう,状況を考えて場面により使い分けることが必要です。出先から戻った同僚に気持を込めて「お疲れさまでした」と言えば,疲れも癒(いや)されるということではないでしょうか。
独立行政法人 国立国語研究所 ことばQ&A


 会社組織にいない自分には、時間や状況を無視して「お疲れ様」を多用する様子は「会社組織独特の方言」に見える。しかも会社毎に使う使わないはかなり違う。それは一部の業界で時間と関係なく「おはようございます」というのと変わらない。
 これは自分に限らず、会社組織にいない多くの人に共通している印象ではないかと思っている。何しろ、元来の日本語の使い方ではないのだから。



 **

 以前、この件に絡んで調べていると、いろいろと面白い話が出てきた。機会があったら紹介したい。
 
(注)
 ビジネスメールの常套句として定型化された奇妙なものに、「お世話になっております」がある。初めてやほとんど関係のなかった相手にも当たり前の様に使われている。商習慣のようなものだから気にするべきではないという話もあるが、TPOをわきまえられないマニュアル人間だと思われても仕方がない。
 地元の活動で、某外資系IT企業勤めの、ずっと年上でこちらがお世話になる相手から「お世話になります」と冒頭に書かれたメールがきたことがあった。もしかしたら「お世話になっております」をTPOに合わせたと言うことなのかも知れないが、これも面食らった。


追記:
 「お疲れ様」はかなり広範囲の会社組織で使われているのは間違いない。しかし、全く使わない会社もあれば、同じ会社でも支店、フロア、部署で使う使わないが異なっていることもあるとも聞く。
 質問サイトなどで意味と関係なく使われている事への違和感を表明があると、それに対して「ご苦労様は不適当だからお疲れ様を使う」とともに「じゃあ挨拶しないのか?」というこれまた二者択一の反論が出てくる。意味に言及する場合も独自解釈で「今日もお仕事お疲れ様です」という意味だと言うものも出てくる。この挨拶言葉は相当に浸透していて、会社組織においてはごく当たり前のマナーであると信じられているようだ。
 日中顔を合わせる仲間に対しての「今日は」はあまりによそよそしく、「お疲れ様」が仲間同士でいたわり合うのに適当で便利な言葉であることも人気の理由であることだろう。
 ともかくも、朝一番の挨拶としては日本語の使い方としては不自然で、業界外からは奇異に見える。今のところTPOに関係ない使い方は業界用語的であることは間違いない。
 


 
Posted at 2014/05/25 12:27:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | ひとりごと | 日記
2014年05月25日 イイね!

敬語の問題を取り上げたいが挫折気味

人と接して暮らしていると、日本語で特に発達している敬語の使い方が気になることがある。

 敬語は基本的に、相手を持ち上げるもの、自分を落とすもの、丁寧な言葉に置き換えるもの、だと思っている。実際にはもっと細かく、動作主だの聞き手だの、持ち上げたり落としたりする相手は複雑だけれど。

 自分が中高生の頃には敬語は

尊敬語
謙譲語
丁寧語


の3つだった。今は細分化され5分類になっている。
 文化審議会の国語分科会が、2007年2月2日に新しい「敬語の指針」を出して以下のようになったそうだ。

3分類5分類特徴
尊敬語尊敬語素材敬語話題中の動作の主体が話し手よりも上位であることを表す語
謙譲語謙譲語話題中の動作の客体が話題中の動作の主体よりも上位であることを表す語
丁重語対者敬語聞き手が話し手よりも上位であることを表す語
丁寧語丁寧語聞き手が話し手よりも上位であることを表す語尾の「です」「ます」「ございます」など
美化語-上品とされる言い回し・言葉遣い
wikipedia 敬語 より引用


 聞いていてとても気になるのは、 

・目上の人やお客さんを落として、自分や自分の関係者を持ち上げている、 尊敬語と謙譲語を取り違えているケース

だ。若い人、学生アルバイト店員等にかなり多いが、年齢が高くてもあやしい人もいる。

「お客様、どうぞ昼食を頂いて下さい」
 
みたいな言葉遣いは、よくある。
 アルバイト店員に
「もう一度申して下さい」
などと言われたら殴りたくなる。

 
  学校現場で気になるのは

・生徒に対して尊敬語を使う教員が散見される。

ことだ。

 尊敬語はその名の通り、相手を敬う、目上の人に使う敬語である。教員は基本的に生徒という目下を対象にしている以上、敬語で話をする必要はないかも知れないが、言葉遣いを丁寧にする見本として、丁寧語を使うことはあるだろう。特に女子校では丁寧語がデフォルトであるかも知れない。
 ところが、誰の誰への敬意なのか意識せずにあらゆる言葉遣いを敬語にしてしまう人もいるようだ。その結果なのか、生徒を持ち上げて自分を落とす尊敬語や謙譲語を頻繁に使う教員が少数ながらいる。

 考え方によっては、「生徒=お客様」「教えさせていただく」というのもあるかも知れないが、生徒にしてみればそれが尊敬語として意識されていれば自意識過剰になりかねないし、意識されなければ敬語の使い方を誤って学習させかねない。

 **
 
 敬語は、誰の誰への敬意なのかが一番重要で、それに合わせた言葉がある。選択を誤れば相手を不快にさせる大変に失礼な言葉遣いになる。

 敬語のルールをもっとも明確に学ぶ機会があるとすれば、それは古典の学習であろう。平安時代の文章を学ぶときには現代より複雑でルールの明確な敬語を知ることが必須になる。特に身分の違いが敬語の使い分けで重要であるそうだ。
 現代は形の上で身分差がなくなり、敬意の方向性だけで使い分けるので、区別が曖昧になりやすいのかもしれない。

(おそらく、天皇や皇族に対する最高敬語だけが現代でも使われる例外)

 **
 
 誤った敬語の使い方の例をあげるとこの手の話は少し分かりやすくなるはずなのだが、困ったことにある程度敬語の使い方が内面化されていると誤った使い方が想像できない。
 聞けばすぐおかしいことは分かるし、「自分を持ち上げて相手を落としてどうする!」とか心の中で突っ込んでいるのだが、いざそれを再現しようと思っても、自分の中ではあり得ないことなので再現できず、想像すらできないのだ。
 敬語の話をしようとするとここでいつも困ってしまう。

 そんなことなので、敬語の話は挫折してしまいがちだ。


 
 
Posted at 2014/05/25 11:05:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | ひとりごと | 日記

プロフィール

「梅雨、日本周辺にしかない独特の気候なのだ。おかげで日本人は紫外線の影響を受けにくくなっているし。悪いことばかりではない。」
何シテル?   06/15 10:04
愛車 黄色いピアッツァのHP http://piazza.ciao.jp/piazza_web/index.html ↑プロバイダーを変更して再開! ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2014/5 >>

    12 3
4 5678910
11121314151617
18192021 22 23 24
252627282930 31

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

YUHの気ままなままに 
カテゴリ:ブログ
2018/01/31 06:12:14
 
常識はずれのPIAZZA達の隠れ家 
カテゴリ:Piazza
2012/11/17 07:31:43
 
須関裕子のブログ 
カテゴリ:Music
2011/02/26 18:38:37
 

愛車一覧

スバル アルシオーネSVX スバル アルシオーネSVX
 はじめてのSVXは追突事故によって、わずか1年半で乗り換えることになってしまいました。 ...
いすゞ ピアッツァ いすゞ ピアッツァ
 社会人になりはじめて手に入れた車です。 PIAZZA XE Handling by L ...
BMW 3シリーズ セダン BMW 3シリーズ セダン
実家最後(予定)の車。 私がメンテナンスしてます。 →私が相続し維持することにしました ...
その他 その他 その他 その他
写真の置き場です。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation