ウォールストリートジャーナルの記事で、「
ゲーム理論、好き嫌いなくす子供の躾にも応用」というのが出ていた。
ゲーム理論とは
ゲーム理論(ゲームりろん、英: Game theory)は戦略的意思決定に関する理論であり、より一般的には「合理的な意思決定者間の紛争と協力の数理モデル」を研究する応用数学の一分野である。
Wikipedia
もとはチェスの戦略研究から始まったもので、
・ゲームを支配するルール
・ゲームにおける目的達成に向けた行動(戦略)の意思決定を行う主体(プレイヤー)
・プレイヤーの選択可能な行動(戦略)
・プレイヤーの意思決定を左右する情報
を数学的に意味づけし、プレーヤーが対戦相手の利害を考えながら採る戦略を分析するもの。
要するに、各プレーヤーが、「損を最小にし最大の利益を得る方法を考え、どのような行動を取りやすいか」を分析するものだ。
たとえばいわゆる【チキンゲーム】があげられる。互いの車に向かって車を走らせ、どちらが最後まで避けなかったかで勝負を決する。先にハンドルを切れば臆病者と呼ばれる屈辱を受ける。ハンドルを切らずにいれば勝利できる可能性があるが、相手がハンドルを切らなければ衝突し互いに死亡も含めた極めて大きな不利益を得る。双方がハンドルを切ることでは屈辱も衝突も回避され利益を分け合うことことになる。最終的におきやすいのは、ぎりぎりのところで双方がハンドルを切る行動と考えられる。
数学的なモデル分析であるが、動物行動学や進化学(進化的安定戦略)、経済学などで応用されている。
(詳しくは例示の多い東京女子大のページなどを参照。)
それを子育てに応用できるというのだ。
いくつかの例が載っていたので一部を紹介する。
一切れのケーキを3人の子供に公平に分けるにはどうすればいいのか。1人目の子供がケーキを切り、2番目の子供が選んで3人に分ける。次に3人は自分のケーキを3分割する。次に3番目の子供が選んで分ける。めちゃくちゃになるかもしれないが、これで3人はかなり公平と思うだろう。
ケールキャベツの謎:好き嫌いの激しい子に巧妙なやり方でさまざまな食べ物を食べさせる父親を知っている。彼は、息子の皿に1つの食べ物だけを載せると嫌がるので、4つ載せる。息子はそのうちの半分だけ食べれば親との交渉に勝ったと思い、2つ食べるにようになるというのだ。
信用できる罰:ゲーム理論では、脅しは実行しなければならない。テレビのスイッチを切ると言ったならば、実際に切る必要がある。トロント大学の経済学者であるジョシュア・ガンズ氏は、親は言ったことはやると子供たちに信じ込ませるようアドバイスする。「どういう罰にするか考えている」と言って、考えている振りをするだけで、子供たちは素早く行動するだろう。
追記:
教師側の、少しでもやったらそれを褒め、成績に反映させ、やる気を引き出させる戦略が、生徒側の少しでもやったことをアピールし、(場合によってはそのポーズだけで)最低減の労力で及第しようとする戦略とぶつかる場面は多そうだ。
勉強をしようとしない生徒には、その成績をそのまま与えるべきであるが、学校によっては大人の事情で怠学者にも及第点を与えることを要求することがある。さらには、落第させた教師に制裁を与えることもある。教師は制裁を避けるためにほとんど意味のない平易な課題等で最低限の成績を与え罰を与えない行動を取りやすい。
罰を与えると言ったら罰を与えなければならないが、実際には罰を与えないのであれば、怠学者はさらに怠学行動を取るだろう。
結局、本人が能力を高める機会を得ず、ずるいやり方をひたすら内面化する負の教育がなされていることはよくありそうに思える。
Posted at 2014/07/16 12:45:41 | |
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