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Yuh_Fazioliのブログ一覧

2014年07月19日 イイね!

アルミニウムのリサイクル


 アルミニウムはリサイクルの優等生として知られる。

 アルミニウムの地金を原料のボーキサイトから新たに作った場合、電気精錬に非常に大きな電気エネルギーが必要になる。そのため、電気代が高い日本では価格競争力がない。オイルショック後国内生産量は激減し、日本で原料から生産することはほとんど行われていない(生産割合は国産0.16%(2013年) 出典)。唯一の生産工場も今年平成26年3月に閉鎖された。(注)

 一方で再生した場合、エネルギーは新たに作る場合の3~5%であり、地金の価値が高い一方で格段に再生コストが少ないためアルミニウムのリサイクルは国内でもペイする。

 現在国内にはアルミニウム製品が自動車、サッシ、缶などの形で存在するが、これを将来の再生資源と捉えている。リサイクル率も比較的高い。

 しかし、次の記述をみてちょっと驚いた。

自動車のアルミ化は,燃費向上および新地金製造を海外に依存していることなどにより国内 CO2 排出量の大幅な減少が期待でき,京都議定書の削減目標達成に有効な手段の一つとなりうる。
 
季刊誌「アルミニウム」2002年1/2月号掲載  
アルミニウムのリサイクル 
http://www.aluminum.or.jp/environment/pdf/03_5.pdf

 自動車をアルミ化すれば、重量軽減で燃費向上、運動性能向上が見込める。しかし、CO2排出量の減少とは。燃費向上分はいい。しかし……

 たしかに新地金は海外で生産されているため、その国のCO2排出を増やすが地金を輸入する日本では発生しない。

 鉄を減らしアルミ化することによって、これまで国内の製鉄で発生していたCO2の分を減らし海外に転嫁できるというわけだ。

 それ自体に間違いはないが、こういう考え方には倫理的に問題がありはしないか。

 こういう計算を当たり前にやるのが経済界の論理なのだろうが。




平成26年3月14日 

日軽金、日本唯一のアルミ精錬工場を停止


日本軽金属は、静岡市清水区の蒲原製造所におけるアルミニウム電解事業を、本年3月31日をもって終了する。
平均純度99.95%と、一般の地金<純度99.7%程度)よりも純度が高く、主に電機・電子分野向け高純度製品の材料として使用されている。
老朽化が著しく、停止する。

能力 7000トン/年
2012年度 4141トン
2013年度 2600トン

蒲原工場

昭和15年10月 9000トンでスタート、昭和18年36000トンまで拡大
昭和42年109千トン、49年113千トンに。新潟、苫小牧とあわせ最高37万トン

昭和55年新潟、60年苫小牧休止 水力発電を有する蒲原のみ35千トンに縮小し、わが国唯一の精錬工場として継続
平成7年 20千トン、11年 11千トンに

出典 化学業界の話題(データベース)

http://www.knak.jp/aluminum/aluminum.htm#kanbara-teisi


 詳しくは

日本軽金属株式会社
アルミニウム電解事業の終了について
http://www.nikkeikin.co.jp/news/common/pdf/p2014031401.pdf
Posted at 2014/07/19 19:44:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | ひとりごと | 日記
2014年07月19日 イイね!

エコキャップ運動? 【追記あり】


 よく小・中・高校でペットボトルの蓋を集めている。
 うちのマンションの資源ゴミ置き場にもキャップを集める容器が設置されている。どうも小学校で回収しているらしい。

 エコキャップ運動と言うらしく、これを集め資源化することで、ポリオワクチンを購入し役立てているらしい。

 大手スーパーなど様々な企業もエコキャップ運動に参加している。

 **

 しかしこれは資源の無駄であるし、人々の善意を悪用した詐欺に近いものではないかという指摘があり、徐々に下火になっているらしい。

 エコキャップ運動の問題はあちこちで指摘されているので、ここではあえて細かなことは取り上げない。

 要は、

・エコキャップ運動の推進団体の収入に対する運営費の割合が50%程度と高い(援助を行う他の活動では、日本ユネスコ協会で20%程度。)。さらにワクチン購入団体の運営費割合も50%程度。キャップの売却益に対する寄付効果が25%程度と低い。
・実際にワクチンになる金額に対して運送費が莫大(推進団体からの寄付額の10倍程度)。キャップそのものの資源としての価値がそう高くはない(稀少度が低い炭化水素資源。大きなコストをかけて材質と色で分別しないと用途が限られているので余計に価値が低くなる)ので、誰かが回収や輸送のコスト負担しない限り物質としてのリサイクルは成り立たない。エコキャップ活動は参加者がその負担を強いられる。

といった疑問があると言うことだ。

 **

 ただ、自治体にとっては、単なるプラスチックゴミとして回収すればリサイクルコストがかかるものが、資源として他のルートへ回収されればゴミ減量になるメリットはある。ただし、その割合は非常に少ない。

 自治体関連団体が回収をしている例があるが、もしこれが他の資源ゴミと同じルートで回収されているのなら回収コスト(石油資源消費・運送費など)は最小ですむ。しかし、別ルートで独自回収しているなら回収コストがリサイクルメリットを大きく上回り、資源の無駄になる。

 流通業者が回収している場合、配送ルートの戻り便を利用しているので回収にかかる運送費問題は発生しない。

 しかしどの場合も、エコキャップ運動推進団体に送付する時点で運送費問題が生じる。ただし、直接持ち込みの場合は運送業者経由より安く済んでいる可能性がある(手段や量によってはむしろ高くなっている場合もありうる)。
 さらに、推進団体は運営に収益の半分程度を使う(以前はキャップ1kgあたり15円を収益としていたが、今は10円を収益としており、差額相当をリサイクル業者からの寄付金として受け取っているので、建前上キャップ収益の100%を寄付したことになっている。このあたりの記述は批判をかわすためたびたび書き換わっているようだ。)。その上推進団体の寄付先団体も50%程度を運営費に使っている。実際にワクチンになるのは売却益の1/4。

 キャップを回収した者が直接リサイクル業者へ販売し、その収益を慈善団体に直接寄付する場合は、リサイクル業者への運送費問題のみになり、問題は最小になる。


 結局

・リサイクル業者は利益が出る。
・協力運送会社のコスト計算は不明だが、本来の運送料金より安いとは言え収入にはなっている。
・推進団体は収入1.1億円に対して4000万円ほどの運営費がかかっているが、NPOであり人件費や活動費を考えると暴利をあげていると言うことはなさそう(ただし、人件費以外の項目でのお金の流れがどうなっているのかは精査が必要かも知れない)。
・流通業者がその流通網を使い直接回収した上リサイクル業者へ売却し、収益を寄付する場合、問題が少ない(しかし現実には赤字らしい)。
・一部に運送費用なしで引き取りをするリサイクル業者があり、学校や団体がそうした業者へ直接売却を行い寄付をすると、透明度が高く、収益からの寄付効果が生じる。
・自治体関連団体が回収を行う場合、回収費とエコキャップ運動推進団体への送付費用が税金によってまかなわれていて、「エコ活動」の名の下に税金の無駄遣いがされている可能性がある。

ということになる。

追記:
 推進団体のルートで回収が行われる場合、ペットボトルのキャップが回収されることによりリサイクル業者、運送業者、推進団体およびその業務委託先は収入を得られる。
 一方、運動の参加者は回収の労力を提供するだけでなく、リサイクル業者、運送業者、推進団体の収入の半分程度どを現金で負担している。

 ペレット価格を100円/kg、団体運営費60円/kgと仮定すると、

 6kg用袋70円+送料430円=500円→運送業者の収入

 6kgのペレット価格600円-キャップ買い取り価格60円=540円 → リサイクル業者の収入

 6kgあたりの運送業者からの協力金30円 → 推進団体の収入
 6kgあたりのリサイクル業者からの協力金30円 → 推進団体の収入

 6kgあたりのワクチン購入団体への寄付金60円 
-----------------------------------------------------------------------
 リサイクル業者収入 510円
 運送業者収入  470円
 推進団体収入    60円
-----------------------------------------------------------------------
 寄付金     60円
-----------------------------------------------------------------------
 実際には、税金が含まれていたり、様々なコストがかかるので業者の利益はもっと小さいが、利益が生まれているのは間違いないはず。推進団体の方は運動がなければ得られない人件費を得ているし、経費支出が間接的に関係者の収入になっている可能性もある。

 ボランティアがキャップを集めて運送費を負担することで、単純計算で1040円の収入が生じている。しかもそのおよそ半分を参加者が現金負担している。

追記ここまで


 流通業者の活動の場合、キャップ回収活動をするのは、「エコ活動」をしているというアピール、宣伝のためであり、集客につながるため、企業全体としてはコスト負担は吸収される。

 自治体が直接キャップを分別回収するとなると、容器包装リサイクル法に基づいた取り扱いとなり、コストが大きくなるのかも知れない。自治体自らがキャップの分別回収をしている例は今のところ私は見つけられていない。

 自治体が関連団体を支援して回収する場合、コスト負担が生じるが、

・リサイクル意識、分別意識の定着

のためのコストということはあるのかも知れない。もっとも、それが資源としての希少性が低く、リサイクルをすれば焼却を上回る資源消費があるということを前提としても成り立つのかどうかは大いに疑問であるが。

・関連団体が活動をするための目的作り

というのならいただけない。もっとやるべき事はあるだろう。

 ********

 推進団体の言うところでは、キャップ1kgあたり10円+寄付金(活動支援金:2.5~10円)の収益になるらしい。

 多くのキャップの原料:ポリプロピレンのペレットが1kgあたり100~200円程度で取引されているところをみると、ポリエチレンとの混合ペレットになると価格は下がるだろうがメリットは充分あるのだろう。リサイクル業者には運送や回収コストはかからないので、協力リサイクル業者の費用は1kgあたり12.5~20円の引き取り価格のほかは分別費用と保管費用ぐらいか。
 
 東京・神奈川・千葉・埼玉の場合、東京木工所(木更津)が、200kg以上から無料で回収に来て、1kgあたり10円で引き取っている。
 業者自身のインフラを使えば回収費用を出しても1kgあたり10円なら充分にペイすると言うことだろう。
 


参考
市民のための環境学ガイド
エコキャップ運動はほどほどに    08.22.2010
http://www.yasuienv.net/EcoCap.htm

Wikipedia
エコキャップ運動
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97%E9%81%8B%E5%8B%95


はまれぽ.com
「エコキャップ運動」がうさん臭いです。寄付額とは吊り合わない回収経費や、協会や寄付先の中抜きの問題もあります。状態の良い廃PPに対して、12.5~20円/kgの買値は適切なのでしょうか?(ponさん)
http://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=1224

NPO法人 エコキャップ推進協会
http://ecocap.or.jp/index.html
Posted at 2014/07/19 17:36:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | ひとりごと | 日記

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