FBでシェアされてきたのが下の記事。
トンデモで有名な近藤誠氏。事実に嘘(あるいは思い込み)を混ぜ、データの捏造も平気で武田邦彦と似た人。
こういうものに飛びつくプレジデントの科学リテラシーのなさ……あ、売れりゃいいのか?
この手の人は陰謀論を提示し、「自分だけが知っている」「自分は権力の陰謀と戦う」といったメッセージを伝える。その中で、事実のデータを提示しながらも捏造データでものを言ったり、証明のないことを勝手に証明されている理論のように言ったりする。結局のところ自分を信用させて、大きな利益を得ようとする。
近藤氏については、医療・製薬メーカー等の癒着構造みたいなところはおそらく事実であろうと思われる。実際検査基準が恣意的であることはよく知られている。国の医療費のコントロールのために基準が変わったりもする。
一方で、がんもどき理論など何の証明ないも極論(進行しないガンも進行するガンもあるが、進行しないガンが進行するようになることもある。2分できない。)で、ガン治療がすべて利権に基づき、何の意味もないどころかQOLの悪化しかもたらさないという主張の対になるものだ。しかし、それはがんもどき理論を何も証明しない。
ガン治療を否定することで、自らの仮説を正しいものと印象づけているに過ぎない。
彼は本の印税で儲けているだけでなく、ガンを放置しろと言うだけの「セカンドオピニオン外来」(1回3万2000円)で相当な利益を上げている。
麻酔科医という立場、万年講師という立場がどんなものか考えてみればいい。一般向け書籍に傾倒していく理由も見えてくるだろう。しかし、内容がよくなさすぎる。
信じて救われる気持ちになる人がいるのであれば、いわば宗教のようなものだ。それもいいだろう。
しかし、有効な治療があるにもかかわらず医療を否定することになれば、話は違ってくる。
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自分のガンに対する考え方は、やはりQOLの最大化になるのは当然として、ある程度の成績が上がっている治療があるガンならそれを受ける選択をするだろう。
ガン治療も進歩している。DNA多型に基づくオーダーメード医療も可能になってくるだろう。ピンポイントでガンを攻撃する治療法も開発中である。
ただ、緩和ケア前提で、放置が最善と言うこともある。
どんな選択が最善かは、内容とその時の医療の状態によってくる。今はなんとも言えない。
Posted at 2015/12/11 21:45:05 | |
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