日本には里山環境が広がり、人里周囲の自然に人が手を入れることで、生物資源を利用しながらも生物多様性を確保し、持続可能な共存環境を構築してきたと信じられている。
自分もそう言うプロパガンダに乗せられていたが、昆虫に関する本の記述をきっかけに調べてみて、実に面白いことが分かった。
>江戸時代、日本各地の昆虫相を調べてみると、人間の居住域周辺の丘陵地では全国どこもかしこも森林伐採が進み、人里付近ではアカマツのみの繁茂するはげ山になっていたことが分かっている。
(http://sciencebook.blog110.fc2.com/blog-entry-908.html)
まるでギリシャだなと思いつつ、そんなことがあるのかと調べてみると、次のことが分かった。
人が植林などをして自然利用をしてきたのは縄文時代に証拠があるが、里山として持続可能な形で成立したのは江戸時代に伐採規制が行われてから。それまでは乱伐が進んでいた。
幕府の力が及ばなくなった明治維新の頃には再び乱伐が起こり、危機に瀕した。
そして太平洋戦争時にも戦争のための資源として乱伐。
里山の利用価値が激減した現代、里山に人の手が入らなくなり荒廃した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8C%E5%B1%B1
里山が日本人が古来から守り継いで来た自然との共存の知恵のように言われるが、それはかなりの部分事実では無いらしい。
里山自体に持続性と生物多様性があり価値はあるが、その成立と持続は規制があってこそなのであった。
人間は野放しにすれば自分の利益だけを求め、自然破壊しかしないらしい。
追記:
里山賞賛系のサイトを見ると、明確に成立の時代を明示していない様だ。
乱伐が進み、江戸時代に入って規制で成立したこと、それ以前には日本の森林は荒れ果てていたことは明示したくないのだろう。
触れずに置く、黙っておくことでの印象操作をやっている可能性が高い。
追記ここまで
追記:
思い出してみれば、江戸時代までに乱伐が進んでいたという話は聞いたことがあった。里山がもてはやされ出したときに「?」と思った記憶がある。
ここも参照するとよいようだ。
http://watashinomori.jp/study/basic_02.html
追記ここまで
Posted at 2016/02/27 15:53:44 | |
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